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触診を基本から学べるnote(初級)(2023.12.29更新)

【触診】は、どのテクニックにも共通する基本ですが、そのレベルには天と地ほどの差があり、「自分がどのレベルか」によって、治療結果は大きく変わります。

セミナーに参加した場合でも、講師の先生や先輩と同じ成果を出せなかった経験はないですか?

人によっては、同時に始めた同僚にさえ、差をつけられている方もいるかも知れません。

こんな時、できないことを「センス」や「経験」のせいにしがちですが、残念ながら触診のほとんどは努力で身につくものなので、酷な言い方ですが「できないのは努力不足」です。

しかし逆を言えば、触診力は努力次第で追いつき、追い抜くことができます

しかも、コツさえ学べば習得にかかる時間を一気に短縮することが可能なんです。

もしよければ、年末年始の時間を使って、【触診のコツ】を基本から習得してみませんか?


自分に必要な触診レベルを手に入れましょう

一言で触診と言っても、業種により必要なレベルは違います。

前述したとおり、【触診のコツ】を学べば、先輩はもちろん講師の方に追いつき、追い抜くことが簡単にできますが、即席で習得できるわけではなく、それに見合うだけの努力は必要です。

不必要なものまで学ぶと負担が大きいので、目標レベルごとに分けてみました⇩。

<選択の目安>
初級:マッサージ、エステなどの、癒やしの提供
中級:肩こりや腰痛などの、日常生活に多い症状の改善
上級:他の治療院で治せない難治症状の改善

まずは自分に必要なレベルまでを目標に頑張ってみましょう。

ではさっそく始めていきます。

2Dの限界

みなさんは触診を練習するとき、どのようにすすめていますか?

おそらく多くの方は、体を次のような二次元(2D)で見ていると思います。

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僕も学生時代、ある時期までは上のようなイメージでした。

しかし、とある事をきっかけに下のような三次元(3D)で見られるようになりました。

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それが触診のコツで、治療系セラピストの入り口だということを知ったのは、もう少しあとのことでしたが、それまでは⇩が治療系セラピストの必須条件であり、基本だと勘違いしていたんです。

<間違った治療系セラピストのイメージ>
・解剖学が完璧
・神経について語れる
・運動連鎖を理解できる
・山ほどのシステムテクニックを学んだ
・「〇〇の治し方」を星の数ほど習得した

「これだけできれば完璧じゃないか」と思われるかもしれませんが、正直これでは治療家ではなく講師にしかなれません。

話がソレそうなので元に戻します。

もちろん2D思考でも、なんとなくは治せるし癒せるので、それで満足ならいいですが、「極上の癒やしを提供したい」「再発防止が理想」とするのなら、頑張って3D思考を目指していかないと、目標に届きません。

しつこいようですが、とても大事なので繰り返します。

人の体を3Dで見れないようでは、一生「癒やし系」か「自称治療系」の域から抜け出だすことはできません。

いったん3Dで見れるようになると、【見る→診る】に変化します。

そうすると、自動的に解剖が浮かぶようになり、運動連鎖につながり、わざわざセミナーで「〇〇の治し方」なんて学ばなくても治せるようになってきます。

セミナー講師に、

「どう触っているんですか?」
「どれくらいの力で押しているのか、自分もやってもらっていいですか?」
「手元を写真・動画に撮っていいですか?」

なんて、質問をしている方は典型的な2D思考タイプです。

3D思考タイプなら、話の流れだけでやるべき触診が浮かび、講師の動きは確認程度でよいどころか、手元以外から得られる講師の動き情報をバンバン吸収できるので、スタート段階からライバルに大きな差をつけることができます。

最初のステップはミルフィーユ

3Dで診るためには、体がミルフィーユのように層になっているイメージが必要です。

こんな感じに❤⇩

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ご存知の通り、体のほとんどの組織は3層構造になっています。

大雑把に分けると「皮ふ-筋-骨」ですが、これでは初級レベルから抜け出すことはできません。

とはいえ
・表皮-真皮-皮下組織
・筋外膜-筋周膜-筋内膜
・血管外膜-中膜-内膜
というレベルまで見極めることなど不可能です。

もちろん目指すレベルによりますが、治療家として現実的に必要なレベルがどこなのか?

触診のコツは、これらを分別ふんべつし、触り分ける練習から始まります。

触診の基本とコツ

前述した通り、初級では「皮ふ・筋・骨」を正確に|《さわ》り分けることとが課題になります。

「かんたん!」と思われるかもしれませんが、コツを知らなければ意外に難しいものです。

少なくとも、患者さんに「コレくらいの強さでいいですか?」と聞いている先生は100%できていないと思ったほうが良いと思います。

もし今の段階で、各組織の触り方を誰かに教えることができるレベルであれば、初級はクリアしているので、必要に応じて次のレベルへ進んでください。

「少し不安」「分からない」という方でも、今回のnoteを最後まで読むと、すぐに理解できるようになるので安心してください。

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コツを習得するためのコツ

高度な触診を習得するには、コツがあります。

つまり、コツを知らずに触診のコツを聞いても、たいして上達しません
そして、このコツはテクニックを行う上でも必ず必要になります。

言い換えるなら、例えば「僧帽筋の触診はこのように行います」という講義を受けたところで、なんとなく理解できるレベルまでしか成長しないということです。コレはテクニックも例外ではありません。

逆に、触診力が上がればテクニックは自然と上達します。
未来の自分に期待していてください。

それでは、始めます。

最初のコツは、最も大切な「神経への意識」です。

神経には、運動神経・感覚神経・自律神経という3つの神経があり、これらは全て、機能別に神経繊維が分かれているのではなく、ほとんどの部分で1本の神経を互いにシェアしている状態です。

触診のときには、運動神経と感覚神経が活躍しますが、神経伝達が下降しているときには、上行する伝達は働きにくくなるという性質があります。

つまり、運動神経が働いている時は、感覚神経が鈍ります。
勘がいい方なら、もうコツがなにか分かりましたよね。

触診最大のポイントは、

『運動神経を使わず感覚神経を使って触ることで感度を上げる』です。

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