機械に合わせて行動を変える

リテールセラピー傾向のあるカナメなのだが、その矛先は多岐にわたる。今も横でコストコオンラインを見ている。これからたぶんkuradashiも見にいくと思う。何か新しいものが出てないか物色するのである。ちなみに今のカナメの最大ターゲットは「トレッドミル」である。コストコにも出ている。数ヶ月前までは「ピザの焼ける暖炉」を見ていた。全力で止めたけどな。

なので、私はあまり通販サイトを見ない。必要な時だけ面倒だなぁと思いながら見る。基本的にショッピングが嫌いな私である。AppleのKeynoteを見るだけで満足する方で、マシンを買うときは店頭でお店の兄ちゃんと相談しながら、型落ちして超絶安くなってる、最大コスパの良いものを選ぶ。なので割と脈絡がない。そしてカナメや子供達が使わなくなったマシンにゴソゴソと手を入れて生き返らせるのも好きだ。

ということで、そんなカナメがiRobot社のルンバを購入したのも、割と早かったと思う。たぶん2007年くらいのことだったと思う。

細かいことを言うと、カナメは単純にショッピングが好きなのではなく、「良い商品を最大限安く買えた自分」に酔いたいだけではないのか、と思うこともある。カッコよく言えば情報戦に勝ちたいのかもしれない。知らんけど。

どうでもいいが、それがこの記事の本題ではない。

ルンバさんがうちに来てどうなったか、である。

ちなみに彼女には律儀な「律子(リツコ)さん」という名前がついている。私がつけたんだけど。

リツコさんの挙動は最初からおかしかったんだけど(何度外に出しても、なぜか私がいる仕事部屋に回帰してくる。ステーションがあるわけではないのに!さみしがり屋さんすぎる!!!)、ケーブル群の中でうずくまっていたり、トイレから出られなくなったり、ほんのちょっとのカーペットの前で悪戦苦闘したりと最初は本当に色々とあった。

私もその後学習したので、引っ越しするときには、なるべく段差の少ない、フローリングのアパートを探したし、家具を買うときには、ルンバさんが通れる高さ以上の、足のついているものを選ぶようになった。ベッドしかり。こうすることで、ダイソンの掃除機であっても、クイックルワイパーであっても、なかなか面倒だったベッド下の掃除も、毎日キレイにしてもらえた。

リツコ(ルンバ)さんはマシンだから、現時点ではマシン側に行動の制限はあるので、今のところ人間である私の方が行動を変えるようなことをする。掃除しやすいように、家や家具を選ぶというのは、その際たるものである。

ところで。

私は、韓国にいる時に、韓国のデジタル大学で学位をとった。デジタル大学というのは、日本で言うところのサイバー大学、オンライン授業を行う大学のことで、授業、課題提出、テスト受験、その全てをオンラインで行うのである。(このシステムはなかなかうまくできていて、ログイン一つとっても、かなりセキュリティが堅牢で、IDの貸し借りが簡単にできないようになっている。)

そこでだ。

私は日本人だから、色々と不利なことが多々あった。テストでは、そもそもコピペのコマンドが無効化されていてコピペができない、他のウィンドウを立ち上げられない、他者とはテスト問題が違う(大量の難易度付きの問題プールから個々人にランダム出題)ので、普通のオープンブック(持ち込み可)のテスト実施とほぼ同じで、非常にうまく考えられている。普通のテストと違うのは、回答を手書きではなくタイプしなければならない点で、韓国語タイピングの遅い私はめっちゃくちゃ不利だった。

だが、課題レポートを作成する時には、こういう技が使える。

まず日本語の最速スピードでエッセイを書き上げる。それをネットで日韓翻訳する。そしてその結果を読みながら、修正をかけていくのである。

そういうことを何度もしていくうちに、翻訳の癖みたいなものが分かってくる。どういう言い回しが苦手で誤訳し易いのかなどなど、気づくことは多い。文章は短めで主語を明確にして、指示語や形容などのあいまいな表現を避けて、日韓の翻訳においては、漢字語を使った方がいいなどということもわかってくる。

そして、「翻訳エンジンが最大限それっぽい文章を吐き出せるように自分の文章を変える」ということを私は学んだのである。

とは言っても、翻訳エンジンが吐き出す文章をそのまま使えるということは一切ない。が、例えば、少なくとも名詞などのタイプ入力の時間は圧倒的に節約できる。特に日本語と韓国語は語順がほぼ同じなので、出力された翻訳分の修正をかけるのもストレスがあまりない。私は英語でもエッセイを書く環境にいたことがあるのだが、その当時の翻訳エンジンの精度では、日英翻訳は全く役に立たなかったので、英語については最初から英語で書くのだ。その点、日韓翻訳はかなりの精度だ。そして翻訳された文章では、ほぼ全ての(韓国語の)文末を変える必要があり、私らしくない表現も全て変更するので、それなりに時間はかかるのだが、もたもたと一から入力していたらタイプミスも多かったと思うのだが、そのあたりも回避できるので、かなり助かった。

そして今回、ミニキッチンを設定して、そこに入る食洗機としては選択の余地なく購入した「パナソニックのプチ食洗」のサイズに合わせて、日頃使うお皿だけを買い直した。

プチ食洗に入る食器は、直径24cmまでらしく、我が家にある大きめのお皿はほぼアウトになったのだ。でも全然めげてない。たいして良いお皿持っていたわけでもないから。

新しく買ったのは、お皿とまな板ね。

まな板は柔らかいので、少しカーブさせて入れてる。でも全く問題ない。

それ以外の食器はだいたい問題なく使えている。私が買ったモデルは低温ソフト(バイオ除菌)モードがついているので、ガラスのコップもピカピカである。

海外では、冷凍庫ですか?っていうくらいの大きなキューブ型の食洗機を使っていて、お鍋も調理器具も全部突っ込んでいたので、それと同じような使い方はできないのだが、あまり不満はない。家族のサイズが小さくなった今となっては、ボウルや小さめの鍋、一般的な調理ツールなどは問題なく入るのだ。そしてちょっと強調しておきたいのは、日本の食洗機にはそれなりのノウハウがあるっぽいということだ。

海外の食洗機では考えられないほど、日本の食洗機の食器と食器の隙間は狭い。すっごく狭いしひっついているようにしか見えない。

なのに!

洗剤がいいのか、はたまた食洗機のお湯の飛ばし方がすごいのか、どんなに隙間が狭くて、ぎゅーぎゅー詰めにお皿を詰め込んでも、全てピッカピカにしてくれて感動モノである。

そしてヘルシオさんとホットクックさんにシェフの座を進呈した今、キッチンさえもミニマムにしてしまったのである。そして要所要所でスマートスピーカーさんに指示を出すために、あちこちに電源コンセントまで設置してしまった。

この様に、私自身が楽をするためなら、マシンに機嫌よく動いてもらうためなら、私はかようにも簡単に行動を変えられてしまうのである。

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