【自律型AIエージェント】気づいたら仕事が終わっている究極の業務活用方法
「自律型AIエージェント」をご存知ですか?ChatGPTなどの生成AIに代わって「業務自動化の主役」になるとウワサです!
たとえば貯金の管理を自律型AIエージェント「AutoGPT」に任せるという投稿が1.9万いいねを集めています。
自律型AIエージェントなら、長いプロンプトを与える必要はありません。!
この記事では、自律AIエージェントの機能や使い道を紹介しています。読めば競合に差をつける自動化手法が手に入ります。最後まで読んでみてください。
自律型AIエージェントとは?
「自律型AIエージェント」とは、細かな指示が不要な次世代の生成AIツールです。タスクを与えるだけで自律的に手順を考えて完了する能力を持っており、「生成AIの応用型」として活用されています。
自律型AIエージェントは、人間の「PDCAサイクル」に似た仕組みを持っています。つまり、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(対策)を、搭載された生成AIが繰り返します。具体的な挙動は次の通りです。
Do(実行):タスクを一度実行
Check(評価):実行の結果を振り返って、目標の達成度合いを評価
Action(対策):目標達成に必要なタスクを追加で生成
Plan(計画):追加したタスクに優先順位をつけて整理する
以降、目標を達成するまで1〜4を自律的に繰り返す。
人間が指示を出さずともどんどんタスクを完了させていってしまうわけですね。
次の項目で「自律型AIエージェントにできること」をみていきましょう!
自律型AIエージェントにできることは?
「次世代の生成AI」ともいえる自律型AIエージェントなら、生成AIでは難しかった以下のことが実現します。
ソースコードの実行やWeb検索、ファイル操作なども含めた自動化
抽象的・大雑把な命令の達成
課されたタスクに対する、一貫性を保った挙動
途中経過(実行・評価・修正)の表示
さらに、自律型AIエージェントを使う際には、「プロンプト開発」が不要です。「エージェントの名前」と「タスク」を与えれば、あとは自律型AIエージェントに丸投げできます。具体的には以下のようなことをすべて、自律型AIエージェントが代行してくれるのです。
「AIを使った新規事業の発案」がタスクの場合
事例をGoogle検索
現状の課題を要約
現実を反映したアイデアの生成
「ソフトウェア開発」がタスクの場合
仕様を決定
コードをブロック単位で生成
エラーやバグの解消
このように生成AIと比べて、格段にできることが増えた自律型AIエージェントは実際の業務でも役立ってくれます。ただビジネスの現場で活用するには、次項で述べる「開発」の工程が欠かせません。
自律型AIエージェントの開発方法
ここからは「自律型AIエージェントの開発方法」を説明していきます。
プロトタイプ開発
「プロトタイプ開発」は既製の自律型AIエージェントや生成AIに微調整を加えていく開発プラン。「社内の業務自動化」を目指す場合に、おすすめです。
通常の開発手法よりも低コストで短期間に開発が可能であり、生成AIツールの開発を低リスクで行いたいという方におすすめです。
具体的な流れは、以下のとおり。
設計
検証要件の確定:PoC開発でどの機能を検証するのかを確認する
テストデータ準備:機能の検証に必要なデータを収集する
開発
データクレンジング:生成AIがデータを読み込みやすいように事前にデータの処理を行う
チューニング:エンべディングやファインチューニングなどの手法を使って、生成AIに学習をさせる
ロジック開発:開発するサービスの全体設計を行う
検証
検証要件ごとにテスト:約1ヶ月かけて機能の効果測定を行う
結果報告:検証結果をもとに、実現可能性の高いシステムを提案する]
おすすめの自律型AIエージェント3選を紹介
ここからは、導入するだけで業務をあらかた代行してくれる「自律型AIエージェント」を紹介。パイオニア「AutoGPT」を超える、新進気鋭の自律型AIエージェントを3つピックアップしました。
まずは在米日本人が開発した、「AGI(汎用人工知能)の赤ちゃん」を名乗る自律型AIエージェントからみていきましょう。
BabyAGI
BabyAGIは与えられたタスクを一度受け取ると、その完遂まで全自動で処理する自律型AIエージェントです。元祖の「AutoGPT」ではタスクごとに人間の返答が必要でしたが、BabyAGIではタスクごとの返答が不要です。初めのタスクと最終的なゴール目標を指示するだけで、その後は自律的に実行と軌道修正を行います。。
さらに、BabyAGIは過去の失敗や成功を次回以降のタスクに反映。使うほどに成長し、賢くなっていく自律型AIエージェントなのです。
LangChain
LangChainは、既製の生成AIと組み合わせて複雑な処理を行いたい場合に役立つライブラリ。ChatGPTと組み合わせることで、Webサイト・PDF・ドキュメントの参照や、一連のプロンプトの一括入力などが可能となります。
さらに機能のひとつ「Agents」を選べば、自律型AIエージェントとして使うこともできるのです。
そんなLangChainが本領を発揮するのは「アプリの自動開発」です。PythonやJavaScriptに対応しており、開発したいアプリとその仕様を伝えるだけで、自律的にWebサイトやファイルを調べてソースコードを生成してくれます。
Open Interpreter
Open Interpreterは、既製の生成AIと組み合わせて利用するライブラリで、自律型AIエージェントの機能を備えています。開発したいアプリとその仕様を提示するだけで、自律的に環境構築からコーディングまでを行います。
このOpen Interpreterの強みは、アップロードできる「ファイルのサイズ」に制限がないことです。加えて、ブラウジングも可能であり、生成AI単独ではできなかったことを実現できます。
さらにPythonやJavaScript、bashなどに対応しており、各言語に付随するパッケージやライブラリも、任意のものを使用できます。
自律型AIエージェント活用事例3選
ここからは「ビジネスの現場」における、自律型AIエージェントの活用事例を3つ紹介。以下に示す実例を読むだけで、社内業務に自律型AIエージェントを導入するための予習ができます。
株式会社Wrexiv
株式会社WrexivはAIサービスの開発を手がけ、自律型AIエージェント「BabyAGI」を組み込んだサービスを先行リリースしています。
そのリリース先は、食品の海外展開を支援するSaaS「jetGee」で、各機能のうち業界の最新情報を取得する「AIリサーチ機能」にBabyAGIが組み込まれています。
BabyAGIによって単純なタスクから海外の専門家とのやり取りまで、高度な自動化が実現。さらに海外とのチャット履歴を参照とすることで、現地のトレンドに合わせたタスクの生成まで可能となりました。これにより、jetGeeはより効率的に海外展開を支援し、最新の情報を取得するサービスとして機能しています。
参考記事:自律駆動型AIエージェント「BabyAGI」の実装サービスを提供開始。新規開発、既存アプリケーションへの組み込みに対応。
株式会社エクスプラザ
キャンプ・登山ギアの口コミアプリ「EXPLAZA」を運営している株式会社エクスプラザは、自律型AIエージェントの元祖「AutoGPT」の試運転を実施。顧客目線で自律型AIエージェントの使い勝手を評価しています。
試運転では「ユーザーが好むテントの紹介」をタスクに設定。その結果「Web上の情報を参照とした、実在商品の紹介文」を得ることに成功していました。
参考記事:話題のAutoGPTをローカルで動かして、「おすすめテント」を探してもらう(ブラウザで試す方法も記載)
DoNotPay
誰でも簡単に法律の知識へアクセスできるAIサービス「DoNotPay」では、自律型AIエージェント「AutoGPT」を導入。ユーザーインタフェースをGPT-4からAutoGPTに刷新しています。
元来「不当な違反切符の報告」や「過払い金返還請求」に向けて解決策を生成するサービスを提供していたDoNotPay。AutoGPTの導入により、弁護士を介する必要があったタスクのほとんどがチャット上で完結するようになりました。
ひと足先に、自律型AIエージェントを導入してみよう!
今回は生成AIの弱点を克服した、「自律型AIエージェント」について解説しました。
自律型AIエージェントなら、ベースの生成AI以上に高度な業務自動化が可能。ひとことタスクを命じるだけで、あとは勝手に実行から完遂まで動いてくれます。今後生成AIに代わって、ビジネスの現場で主役となることは間違いありません。
ただ生成AI共々、不安定な挙動をみせることもあるため本格的な実用化はまだ先のこと。今のうちに自律型AIエージェントを使ってみて、迫る「生成AI時代」に備えていきましょう!