2020/6/22-6/28 全体の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
突然ですが、明日発売のフィガロ、袋とじついてます!
内容は『石井ゆかりの星読み』の下半期の各星座総論と、フィガロオリジナル「全体の空模様」です。(↓たぶん編集者の青木さんの手。)

先週18日から水星が蟹座で逆行を始め、モタモタっとしてきております。今これを書いているのは19日なのですが、21日の日食の節目のあとの来週は、ちょっとエアポケットのような、というか、ややモラトリアム的な感じもあるタイミングだなと思います。日食(新月)のスタートを切ったばかりで非常にフレッシュではあるのですが、一気にスタートダッシュ!ではなく、段階的に、具体的には6月28日、7月2日、7月12日と、ぽんぽんぽんと飛び石を踏んでいくように「幕が上がっていく」感じがあるのです。特に今週は、28日の火星牡羊座入りを控えているため、「始まってるんだけどまだ始まってない」みたいな、不思議な雰囲気に包まれています。

25日に金星が順行に戻ります。5月13日頃から「一時停止」していたことがあれば、このあたりから「再始動」「再起動」しそうです。金星は愛、豊かさ、快さ、美。恋愛など、個人的な人間関係における感情世界、そしてビジネスの世界において、「血のめぐりが良くなってくる」みたいな感じがあるかもしれません。

星が順行に戻る時は、「よし、また気合い入れて行くぞ!」的な立ち上がり感があるのですが、なにしろ金星です。金星はスイートな、甘い星で、「きりっと気を引き締めよう!」みたいな感じとはちょっと遠い所にあるのです。むしろ「遊びに行こう!」「思い切って朝からゲームやっちゃおう!」みたいな感じなのですね(どんなだ)。今回は土星と緩くトラインなので、多少は厳しさというか、知的なシャープさはあるかなと思うのですが、今回の金星順行は、肯定感が強まる、というイメージかなと思います。

さらに。
火星が今週末28日に牡羊座入りします。これは、正直ものすごくハデな、大インパクトの移動です。というのも、あちこちで書いております通り、ここから2021年年明けまで、火星は自宅である牡羊座に滞在し続けるからです。今回は「大接近」ではなく「フツウの接近」ですが、それでも結構でっかく見えるはずです。見た目の通り、火星は牡羊座で勢いよく活性化し、その状態が半年も続くわけなので、まるで大きくキャンプファイア的なものを燃やし続けているような、闘いの狼煙を焚き続けているような格好になるのです。

そんなわけで、週末28日から「戦闘開始!」なので、今週というのはその「直前」です。リングに上がる直前。走り出す直前。衝突直前です。この「直前」の場所は、少々特別な度数でもあります。魚座29度は「涙の度数」と言われたりしますが、12星座の一巡りの一番最後の度数、私は「救済の度数」「許しの度数」「人生で一番大切なものの詰まった度数」などと考えています。単に辛さを嘆くような涙ではなくて、人間の心の一番中心にある、人生を動かす原動力のようなもの、人間が損得を越え、様々な計算を全て越えてどうしても「捨てられないもの」みたいなものが、この度数にぎゅっと詰まっているような気がするのです。

……という流れで「涙の度数」について書いていたら長くなりすぎたので、切り出しました、ご興味の向きは、こちら↓の記事をどうぞ。

週末、ここを火星が通ります。春分点自体がひとつの「門(ゲート)」ですが、さらに今回は双子座のイグザルテーションのドラゴンヘッドとスクエアです。このドラゴンヘッドの位置は21日の日食の位置、ホロスコープの中で一番「深い場所」です。「底」みたいなところです。心の一番奥にあるものに、光が射し込み、火が入る。そういうイメージがわいてきます。なにかこう、タロットカードの「隠者」の手にした、ランタンの炎のような火星の動きです。

心の底をくぐった火が、純粋な「動機」となって、来週からの戦闘が始まります。今週という時間は、ひとつのモラトリアムとして捉えることもできるのですが、「動機」が「行動」に結びつく前の、純粋な状態で置かれている時間、と考えることもできると思います。人間の行動にすべて、何らかの動機があるとするなら、それはどんなものなのか。行動した後では、それを純粋な形で取り出すことは決して、できません。なぜなら、行動の結果と動機とが溶け合って、「最初からこういうつもりだったんだろう」みたいな解釈しかできなくなってしまうからです。

自分の心の中にある、「燃え移る前の種火」があるとして、それは何を語っているのか。その声に耳を傾けることができるタイミングなのかもしれません。

今週はそんな感じです。