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お花を愛でることができるようになった話

唐突ですが、わたしの小学生の頃の夢は「お花屋さん」でした。

別に何か影響されるきっかけがあったワケでもないし、お花柄が特別好きだったか?と言われるとそうでもないし。

だけど、「人にモノを贈る」ということは好きで。
お母さんにお花をあげると、なんだかすごく喜んでもらえて、そういう贈り物としての「お花」が好きだったんだと、今になっては思います。

そんなわたしはお花を育てるのが苦手。
そもそも昔から、なにかをじっくり丁寧に…とやることが苦手。
めんどくさがりで大雑把、典型的なO型です。

だから大人になるにつれてお花を買うことはなかったし、「どうせ世話が面倒とか思われちゃうかもしれないしなあ…」なんて思っちゃって、人への贈り物としてあげる選択肢もなくなって。

わたしが生活する上で、植物との接触はないに等しいものでした。


新しい価値観の登場

だけどそんなときに流行ったのです。ドライフラワーというものが。
枯れているなかにも可愛らしさがあり、それが現代の「おしゃれ」の価値観に当てはまりました。

ビンテージが利いたいまどきのカフェには必ず飾ってあるし、花や葉を束ねて壁にかけるスワッグという飾りも流行ったり、その波に乗っかって花の水分をわざと抜いて美しい状態を保つブリザードフラワーアレジメントなどももっと人気になったりして。

この時代の「素敵なもの」「おしゃれ」という価値観にピッタリ当てはまったドライフラワーは、「お花は生きているうちが素敵だ」という概念を平気で打ち破り、新しい価値を創造したように思います。

そんな新しい価値観を享受したこのドライフラワーの存在が、もう一度わたしに「お花を愛でる」チャンスをくれたのでした。

「お花を枯らしてしまう」という不安よりも、「お花を枯らしてしまっても素敵になる」というワクワク感が、お花を選ぶたのしさに!

これって、スゴいことじゃないですか?


お花を選ぶ基準が変わる

それからというもの、大人になって月に1度はお花屋さんに行くようになりました。

昔はお花屋さんに行ったらお店の人が出てきて「予算は?どれで組み合わせますか?」と、希望するお花で予算内の花束をつくってくれる印象でした。

正直、枯らして美しくなるといえどもお花に3000円もかけるのが躊躇してしまう人間なので、こういう予算を聞かれて花を束ねていくスタイルが苦手。

だけど最近は自分で一輪ずつ取って組み合わせることができるお花屋さんも増えてきているようで、個人的にはうれしいしワクワクしてたのしい!

枯らして美しくなることが前提なので、基本的には花びらが落ちるようなお花は買わず、ボリューム感あるメインのお花を入れて、その装飾として小さいお花、葉、実などを組み合わせるのが好きです。

大体いつも、数分悩んで選んで買って、おうちに着いたら花瓶に入れて、適度に水をやって枯れていくのをたのしむ。経年変化とは違うけど、でもそんな気持ち。長い時間、一つの花瓶を眺めることができるし、それに応じて家の中の景色が次第に変わってくのも感じる。それもたのしい。

(左から2つは、前写真のお花が枯れたあと)


価値は創造できる

結局何が言いたいのかというと、価値は創れるということ。

このドライフラワーを愛でることが、世の中に受け入れられ、そしてそれが人々の意識の中で「素敵なもの」という認識になれば、誰もお花を枯らすことを「だめだ」と言わなくなる。

(もちろん買って放置して枯れて捨てる、みたいなのはさすがに無駄なので、どんな手法であれお花を愛でることができる人が買ってほしい。そういう人に買われる方がお花も生産者も幸せだろう。)

お花を育てるために水を与えるのも、生きた状態を保つためにブリザードにするのも、枯れた後にスワッグとしてインテリアにするのも、どれもお花の価値になっている。

こういう価値をどんどんつくっていくことによって、世の中にお花を愛でる人が増えていく。そしたらお花の需要も高まり、お店も増え、生産者も新しい価値にそったお花を育てることもできるかもしれない。

いま世の中にあるモノを、違う視点で、違う場所で見ることによって新しい価値に出会える。それってとてもワクワクすることだなあと思うのです。

(前写真の紫陽花が枯れたあと)

少なくても私は、お花を枯らすことが不安じゃなくなったので、自分でお花を買うたのしみもできたし、人への贈り物としてお花を選ぶことが増えました。

「ちょっと枯れてしまっても、布やリボンでクルッと巻いてスワッグにしたら素敵になるよ!」

そんな言葉を付け加えて、布やリボンも添えて贈り物としてあげる。
「そんなたのしみ方もあるのね!」とワクワクしてくれる姿を見るとなんだかうれしくなる。

贈ったあとのその人の生活を考えながら選ぶお花は、やっぱりプレゼントにぴったりだなと思うのでした。

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仙台市生まれ、東京歴も早6年。「食」の分野はなんでも好き。26歳、将来の夢は、地域で活きる(生きる)仕事をすること。あわよくば、水がおいしい地域でタイル貼りのカウンター越しにうどんを茹でる名物居酒屋女将になりたい‥!