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しんゆうに

「あや、謝りんさい」

いつも温厚でニコニコ笑って、「もう、仕方がないなぁ」と許してくれていた、私とはタイプが全然ちがう親友Y子。

そんなY子からそう言われて怒られたのは、私がまだ学生だったころ。

「私はねぇ、楽しみにしとったんよ、あやと一緒に遊びに行くのを。

それなのに、さっきから『こたつ出たくない、めんどくさいねん』とかなんね」

たしか動物園に行こうかと約束していた時だ。

私はと言えば、日々バイトバイトで疲れていたのもあったが、生来面倒くさがりではあったから、きっとそちらの方が強かった。

あの頃Y子の方が大変だったのに。

そのことについて配慮もできず。

怒られて眠気が吹っ飛んだ。

なんて愛がある怒り方なんだろうと受けた衝撃の大きさを今でも覚えている。

そんなこと言われたら、怒られているのに嬉しいではないかと。

もちろんその後は平謝り。

実は心にダイレクトに来た私が、今でもY子を見習っていることを、彼女は知らないし、彼女の存在がどれだけ私を救ってくれていたか、きっと知らない。

人間力が高い親友、あなたは今でも私の尊敬する人だ。

「あやも同じじゃね!

私もねぇ、『ありがとう』と『ごめんなさい』だけはちゃんと言おうねって、子供達に教えとるんよ」

ってそれは

Y子が私に言ったことを、私が真似た、子供たちと自分への教えだったりする。

この前言わなかったけど。

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photo by Masahiro

※この記事はg.o.a.tで投稿していた記事を移行したものです

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