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#51 あいまいな言葉は具体的にする

会社員のときに叩き込まれたことで、いまでも「あれは良かったな」と思うことがいくつかあります。その中でも ”言葉の定義” について口うるさく言われたのはとても良い経験でした。

コンサルティング会社が作成する提案書は、とにかく "言葉" の定義に重きを置く傾向が強いと思います。

「この単語、どういう意味?」

「この表現とこれはどう違うの?」

しっかり意識して言葉を選ばないと、上司が提案書をレビューする時に矢継ぎ早にツッコミが入ります。


とくに、よく注意されたのはこちらの2つのパターン。

① 同じ意味で使う場合には、同じ単語を使用する。やたらにバリエーションを増やさない。たとえば

・「課題」「問題」「イシュー」
・「対応」「対策」
・「手法」「スキーム」「ソリューション」
・「支援」「サポート」「貢献」
・「座組」「枠組み」
・「リスク」「可能性」

など。きっと、拾い上げたらキリがないくらいたくさんあります。

同じ単語がやたらに重複した文章や提案書になると、それはそれでダメ出しされるのですが、基本的に同じ意味を表わす場合は似たような単語を羅列しない。

似たような単語を並べ立ててしまうと、中身のない文章になってしまうのを避けるためです。


② 解釈がひとそれぞれになりがちな言葉は、どういう意味なのかを具体的に説明できるようにしておく。

①とも関連しますが、元々、ある特定の世界で使用されていた単語(ex.座組)や、英語から派生した表現(ex.コンセンサスを得る)については、特に曖昧になりがちだと思っています。

ひとから指摘されなくても、「それって具体的にどういう状態?」と自分に問いかけてみると、はっきりと明確に回答できないなと思うことも、けっこうありました。


このほか例に出した以外にも、web上・リアル問わず、よく見聞きする言葉には注意が必要だなと感じています。

たとえば、「成長」「正しい努力」「やりがい」「価値」。

話者や書き手がイメージしている具体性はなにか、主語は誰か、誰に対する何の目的か。

こういう認識があいまいなままに、なくなんとなく耳障りの良い単語や文章が並んだものを読んだり聞いたりしていると、わかった気になってしまいがちだし、相手の意図をしっかり汲み取れないことも多い。


たとえば、私にとって”成長”とは「できなかったことができるようになること」。

でも、人によっては「年収が上がること」だったり「人生の土台となることを習得すること」だったり。人によって違うのはもちろん、年齢によって考え方が変わってくれば、同じ "言葉” でも、昔の自分と今の自分でもそれが意味するところは変わります。

SNSでは「価値が高い、低い」も良く聞きますが、これほど解釈がまちまちで曖昧な表現はないな、と、つくづく感じます。


発信するときも受信するときも、どういう意味で使う言葉なのかという自分の中での定義づけや、受け手として言葉の使われ方を考えることは、ちょっと面倒な部分もあるけど重要なことだと感じています。



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