理科のおさらい(4) リンパを知る

リンパを刺激して老廃物をスッキリ流すとむくみが取れやすい、という会話を、時々お客さんと話します。

細胞から出た余分な水分や老廃物をリンパは排出する役割がある、とか、リンパマッサージをするとむくみが取れるとか、そういうことはこれまでいろいろ調べて知っていました。

けれど、リンパってそもそもどうしてあるのか?
血液は酸素と栄養分を細胞に送る機能があるけど、その逆は無かったのか??
リンパってヒトにしかないもの?

などなど・・ふと考えてみたらちょっと気になりました。

で、例によって「学研パーフェクトコース中学理科」を見たら、ちゃんと学習範囲に入っているんですね!


★無セキツイ動物にはリンパがない

リンパという存在は、血管の違いによって変わるようです。

血管には開放系血管と閉鎖系血管という2種類があり
・細胞と血液がじかに触れることができるのが開放系血管
・血管の端が閉じた循環器状態で血液と細胞がじかに触れないのが閉鎖系血管
です。

セキツイ動物は上記のいずれかに分かれて、人間は、血管が閉じた状態の閉鎖系血管。
エビや昆虫などの無セキツイ動物はすべて開放血管系なんだそうです。


★細胞と血液が”じかに触れる”とは?

細胞と血液が触れるとか触れないとか・・ちょっとイメージし辛いですよね。
「学研パーフェクトコース中学理科」から図を引用します。

閉鎖系血管は完全な循環状態になっているのに対して、開放系血管は細胞と血液とで直接、物質をやりとりできる状態になっている。


★なぜセキツイ動物にはリンパが必要だったのか?

ここで疑問に思いました。
背骨の有無とリンパの有無はどんな関係性があるのか、セキツイ動物でもリンパが無い動物がいるのはなぜ?

残念ながら、参考書にはそこまで書いてなかったのでGoogle先生に聞いてみたところ、このような情報を得ました!

なぜ、リンパ系は軟骨魚類以降の脊椎動物に登場したのででしょうか。
リンパ系の免疫機能の特徴は選択的大量攻撃機能ですから、脊椎動物以降は体内で病原菌などが大量に繁殖するようになり、それに対抗する必要が高まったことを示しています。
(「生物史から、自然の摂理を読み解く -免疫機能の進化に学ぶ-3-リンパ系ができたのはなんで-」 より引用)

ふむふむ。

ちょっと専門的な用語がありますが、病原体に対抗する免疫機能を維持するためにリンパが必要になったみたい。

でも、そうすると、なぜ病原体が体内で大量に繁殖するようになったのか・・?

なぜ、軟骨魚類以降の脊椎動物は病原菌に感染し、大量に繁殖する危険性が高まったのでしょうか。(中略)軟骨魚類の特徴は素早い遊泳力です。海中の生存競争が激化する中で、高い運動能力を獲得したのが軟骨魚類以降の脊椎動物なのです。(中略)
運動能力向上に代表される身体機能の高度化のために、神経系と筋肉系を発達させたことが上げられます。身体機能を高度化させることは、様々な情報を細胞同士がやり取りすることであり、細胞同士が情報をやり取りする受容体が増えることになります。受容体は細菌などが取り付く接点にもなりますから、身体機能の高度化は細菌感染の危険性も高めることになります。
(「生物史から、自然の摂理を読み解く -免疫機能の進化に学ぶ-3-リンパ系ができたのはなんで-」 より引用)

なるほど!

セキツイ動物は無セキツイ動物より、高い運動能力を備えたことで細菌感染のリスクも高まった。そして、血管だけの対応は限界があるので、リンパ系という機能が作られるように進化してきたようです。

生物学の歴史をひも解けばわかるというか。

あるいは、企業の成長とともに競合が増えてきて、さらにステップアップするために組織が作られたり・・みたいな事象にとても似ていますね。

さらにいろいろ知りたい方はこちらのサイトをご参考下さい!


ということで、今回の理科のおさらいは、リンパについてでした。

健康とか美容の話題とはちょっと違うけど、「なるほど!」と思っていただけたら嬉しいです。



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