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【普段登壇しない方向け】社内LT、出てみませんか?登壇拒否5大理由とその対策

LTとは

ライトニングトークのこと。短いプレゼン(5〜10分程度が多い)。
技術者の間では社内やコミュニティ等でよく行われる。

きっかけ

社内LT会を挙手制でやっていると、いつも手を挙げて発表してくれる人、いつも手を挙げず発表してくれない人に、徐々に二分化されていきました。
新人/中堅/ベテランと例外なく、みんな手を挙げてほしいと長年感じています。

LTの意義

そもそもLTは誰のため・何のためか?


聞いてくれる聴衆に向けた、情報共有のため
└私の中で、これは「部分的な」正解と捉えています。
なぜなら発表する登壇者のスキルアップにも繋がるので、

聴衆と登壇者、両者のスキルアップ

と考えることができるからです。
登壇者は人前で話すスキルや伝えるスキルが身につきますし、トークテーマに対する理解も深まります。

アウトプットとラーニングピラミッド

ラーニングピラミッドという考え方があります。

講義を受けたり読書をしたりと、インプット中心の学習は定着率が低く、定着率を高めるためには自ら体験する、人に教える等のアウトプットが重要となります。(注1)

ラーニングピラミッド

インプットのみに偏った学習はRPGで例えると、最初の村でひたすらスライムを倒してレベル上げをしているようなものです。
レベルアップはできますが効率的とは言えず、世の中の技術に追従できなかったり、後輩に抜かれる可能性が高いです。

アウトプット習慣があれば、手段は別にLTでなくても良いです。
技術者であればQiita, note, ブログ, Youtube, ...

これらアウトプットもLTも一切やっていない?

であれば、クローズドなコミュニティが故にハードルが一番低い社内LTに登壇しましょうよー

というのが、本記事における主張です。

LT登壇拒否の5大理由とその対策

「今回やめておきます」と断る方も多いのですが、止むに止まれぬ事情を除き、次回も何かしら理由を付けて断ってしまう方が多い印象です(もしくは無言の拒否)。

その場合の対策を記載しておきます。ただ、これを材料にマウント取って強制的に参加させたいわけではなく、あくまでも最後は自ら手を挙げてくれるための材料として、参考になれば。

1. 発表するメリットが分からない

大枠、前述のラーニングピラミッド参照。
VUCAと呼ばれる激動の時代を、スライムを倒し続けることで生き抜くのは大変かもしれません。

そして、なぜ手を動かし続けることだけでなく、LTで他者へ伝えることを推奨するのか、ここで補足します。

これは実際にアウトプットするようになると体感できるのですが、人に教える時の適度な緊張感が効果を発揮することがあるためです。

人に伝える以上、
- 概念として理解し、言葉に変換して伝えられるだけの理解度が求められる
- 間違っていたらどうしようという気持ちが働き、適当なことは言えないので、自信の無い箇所を再度調べる
  - それを通じて理解度が深まったり、知らない新たな知識が得られる

等のメリットがあります。
私もこの記事について、クローズドな社内LTではなく全世界向けであるWeb上で投稿する以上、より配慮が必要になります。
この記事を書きながら細かい点をググって、誤った表現や誤解を招く表現がないか、不安な気持ちはあります。
が、執筆を経て得た情報もいくつかあり、織り込むことができているので成長に繋がっている実感があります。

2. 話す内容がない

話す内容なんて、みんな無いです!(やや誇張)

話す内容(インプット)がある
→話せる(アウトプット)
と考えがちですが、逆に考えてみていただきたいです。


話す機会がある(アウトプット)
→そのために話す内容を作るor紐付ける(インプット)

と捉えています。時系列として、アウトプットが先。

冒頭で

社内LT会を挙手制でやっていると、いつも手を挙げて発表してくれる人

と書きましたが、この方々はLT登壇者募集と同時に
「なにか話す」「未定」といった発表テーマで手を挙げることが多いです。

アウトプットの機会があるから、発表までにインプットする
あるいは、アウトプットの機会があるから、最近やっている業務や自己学習を後から紐付ける
ケースが多いです。

なので実は、いつも発表する人といつも発表しない人の差は、いつでも発表できる持ちネタの豊富さではなく、「とりあえず手を挙げて、発表できる内容をその後考える」マインドの差であることも多い印象です。

3. 後輩に場を譲っている

その選択によって、登壇しないあなたは成長できますか?

社外イベント登壇1枠のために1人選出する、といった状況であれば若手に場を譲るのも選択肢としてあると思います。

ですが社内のイベントであれば、調整すべきはスピーカー(登壇者)の数ではなく、枠の数ではないでしょうか?

- 登壇しないための理由を付けて、結局出ないベテラン
- 登壇し、成長し続ける背中を見せるベテラン

どちらがチーム全体の成長に繋がっているか・カッコいいでしょうか。

4. 時間がない

これに限らず、あらゆるできない理由の最有力候補。

人類77億人、誰しも1日は24時間で、平等です。

時間は「無い」のではなく、
- 時間を作ろうとしていない
- 作ろうとした上で、その行為に対しての優先順位が他のものより低い
- 優先順位を高くすべきと感じているが、本心の断る理由を言いづらいので、もっともらしい断る理由として使っている
のいずれかではないでしょうか。

当然、LTが「何をおいても、とにかく最優先にすべきもの」ではないのですが、一度LT以上に優先順位を高くおいているものを見直してみると、時間は意外と捻出できるかもしれません。

5. 話す自信がない

(意識的にしろ無意識的にしろ)根本的にこの要因があり、「時間が無い」等、他の断る理由で誤魔化しているケースも少なくないように思います。

今回の記事はあくまでも社内LTにフォーカスをしているので、なにもいきなり全国規模のカンファレンスの登壇だとか、インターネットで全世界に公開することを勧めているわけではないです。

誰しも経験が無かったり浅いうちは、できなくて当然です。
自チームにおける経験の浅い人をバカにするようなHRT(謙虚・尊敬・信頼)に反する人は少ないですし、もしそれがまかり通る環境ならLTに限らず日々の業務においても心労が溜まる環境でしょうし、離れた方がいいでしょう。

それでもやっぱり自信ない、自分にはできない…とお思いの方へ。

慣れないことへの挑戦は、自転車に乗るようなもの

皆さん、自転車は乗れますか?

おそらく、乗れる方がほとんどだと思います。

では、自転車って子どもの頃、最初から乗れましたか?

最初は補助輪付き、親の補助付き。
慣れてきたら補助輪外して、何度も何度もコケながら。

大人はみんな、あんな2本のタイヤでなんで乗れるんだ?と疑問に持ちながらも、「みんな乗っているから乗りたい」と純粋な気持ちで、怪我をしながら乗れるようになっていったはずです。

大人になると、あらゆる知識があるせいで、早めに自分に見切りをつけて、できない理由・やらない理由を並べがちです。
自転車に乗れるようになった頃の純粋な気持ちを思い出して、ぜひ挑戦していただきたいです。

それでも踏ん切りがつかない方へ魔法の言葉

ここまで読んでも、どうしても踏ん切りがつかない!という方へ。
魔法の言葉を授けます。

LT企画を聞いたら、
3秒以内に手を挙げる

それだけです。
大人は、考えれば考えるほどやらない理由が湧いてくる生き物です。
その前に決めてしまえ、というだけです。

強制登壇では意味がない

そこまで言うなら、そもそも立候補じゃなく強制登壇させればいいのでは?
と思うかもしれませんが、それでは意味が無いです。

もし誰かからの指名で登壇しても、本人ではなく他者に依存するので、人や環境が変わると自然消滅する可能性があります。

また、自ら興味を持ってやることにも意味があります。
歴史の用語や英単語は全然覚えられないのに、趣味に関する知識や単語はいくらでも覚えられませんか?
結局、他者が決めた「やらされ」よりも、自ら興味を持ったことの方が定着率が段違いです。

そして、成長に関する好きな言葉をここで紹介。

自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

参考:リクルート 「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」 | GLOBIS 知見録

この言葉は昔のリクルートさんの社訓です。

もし成長したい・変わりたいのであれば、座して機会を待つのではなく、自ら機会を作りに行って、その機会によって自らを変えること。

最後に

一応タイトルに【普段登壇しない方向け】と書いておきながら、恐らく「いつも登壇していて、登壇しない人にやきもきしている方」も読んでくださっているのではないでしょうか。

その際は、本記事を理論武装の材料にして登壇しない方に詰め寄るのではなく、どうしたら成長できるのか一緒に考える材料として、ご活用いただけると幸いです。

2020年6月末、Webエンジニア・デザイナーで社内LTを行った時の資料を元に加筆修正し、noteデビュー記事として投稿しました。
LT5分ぐらいで話した内容、加筆修正したら非常に長くなってしまいました…。ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。


(注1)ラーニングピラミッドは定着率の数字と一緒に記載されているものが一般的ですが、近年ラーニングピラミッドに学術的根拠はないと言われているためここでは敢えて数字を外しました。
ただし自身の経験則で恐縮ですが、プログラミングやマネジメントでも
- 記事や本を読んでいるだけだと全く使いこなせない
- 自ら体験を繰り返すことで初めて身につく
- 人に教える時は、より深く理解していないと伝わらない
ことを痛感するため、本記事では掲載しています。

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