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トークン発行完全マニュアル|仮想通貨のビジネスを行う際の法的論点整理とそのまま使える具体的な手続き

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導入

今回のテーマは「トークン発行/販売」についてです。ここで言うトークンというのはいわゆる「暗号資産」と呼ばれるものです。ここでは便宜上、暗号資産と言わずトークンと表現させていただきます。

トークンはweb3プロジェクトを構築するうえで、非常に重要な要素を担っています。

  • プロジェクトの資金調達として

  • エコシステムの潤滑油として

  • ユーザーのインセンティブとして

トークン発行はweb3プロジェクトにおいて絶大なメリットを及ぼすため、発行を考える企業は多く存在しております。

しかし現在の日本の法律では、「暗号資産交換業」を持つ企業のみがトークンの発行を許可されており、ライセンスを持たない企業はトークンを販売することは禁止されております。(ただし価値を持たないトークンの配布やクーポン型のトークンなどの発行は可能です)

そのため、多くの企業がトークンの発行/販売を諦めている状況です。しかしながら、実はトークン発行/販売・トークン上場を実現する方法はいくつか存在しています。

今回は実際にICHIZEN HOLDINGSに相談が来ている例や、支援した事例をもとに、現時点で「選択可能なトークン発行/販売のスキームの紹介」と「最適なトークン発行/販売の実務」について紹介していきます。

この記事を読めば、トークン発行/販売を実際に行うことができるでしょう。(肝心なプロジェクトの内容自体は別途考える必要がありますが….)

トークン発行/販売のメリット整理

正確な表現を行うため、トークン発行/販売と表記してきましたが、ここからは便宜上「トークン発行」を販売を含めた意味として使わせていただきます。

そもそも企業などがトークンを発行するメリットはどこにあるのでしょうか?今回のテーマとは少し離れますが、改めて復習していきましょう。発行主体とユーザーに分けて整理します。

発行体のメリット

【メリット①資金調達】

トークン発行の一番のメリットとしては、やはり「資金調達」にあたるでしょう。

トークン発行による資金調達には大きく3つの種類が挙げられます。

  1. VCやエンジェルなどへのトークン販売

  2. IEOやIDOなど、ユーザーへのトークン販売

  3. 取引所・DEX上場後の、市場からの調達

1,2で得た資金は、初期段階にプロジェクト開発・推進のための資金として活用されることが多いです。国内でIEOを行った例ではおおよそ10億円前後の資金調達に成功しており、IEOへの期待値の高さが伺えます。

一方3で得た資金は、継続的なプロジェクトの運営コストや発行体の利益として、活用されることが多いです。

さらに企業が主体となってトークンを発行する場合、自社株の希薄化を発生させることなく、常に市場で調達できる手段を得るということはこの上ないメリットと言えるでしょう。またIPOでは発行体の会計監査が法律により義務付けられていますが、IEOなどのトークン発行体は、会計監査が求められていないという点もメリットです。これにより運用で発生するコストは大幅に抑えることができます。

【メリット②ユーザーインセンティブの設計】

発行体は自ら発行したトークンを、プロジェクト参加やサービス利用のインセンティブとしてユーザーに還元していきます。エコシステムに貢献したユーザーは得をするというスキームです。

インセンティブによって、利用者これまで享受できなかった利益を享受することができます。

例えばNFTマーケットプレスのBlurは、取引に応じて自社トークンを付与することにより、NFT売買を自社マーケットプレイスで行っていく誘導に成功しました。(OpenSeaは無事没落)

ユーザーは以前よりお得に取引が可能となり、企業側はインセンティブで放出する以上にサービスの売上を得ることが可能となります。

【メリット③プロジェクトコミュニティーの形成】

トークンを発行する際、トークンのユーティリティーとして「エコシステムのガバナンス」というものがあります。これはエコシステム全体の方向性を決定するための投票権などを指す場合が多いです。

これによって、ユーザーがプロジェクトに対してのエンゲージメントが上がり、ユーザーをロイヤル化させることが可能となります。

コミュニティーのレベルが上がっていくと、それはただの同志が集まっているだけではない効果を発揮していきます。

コミュニティーが成長することにより、コミュニティーが自発的にマーケティングを行ったり、文化/思想を伝達していく機能を持ち始めます。ここまでくると、人が人を呼び・人が人に教えあうような、よい循環を生むことができます。そして中心的人物の影響力というのはコミュニティーが大きくなればなるほど強くなっていきます。
(ある意味、教祖・宗教的なようにも見えるかもしれません。)

ユーザーのメリット

【メリット①低リスク・少額で、大きなリターンを狙える】

ユーザーは早期参加により、値上がり益を獲得することが可能です。イメージは「ベンチャー投資」や「IPO投資」などに近いです。

上場時のマーケットキャップが小さいほど、値上がりの期待値は上がるため、ユーザーは「プレセール/プライベートセール」「IEO」への参加メリットが大きくなります。

さらに最近では「エアドロップ」と呼ばれる、資金を投じずともトークンをもらえる手法も増えています。ユーザーは特定のサービスを触ったり、プロジェクトにプラスになるようなことをすることにより、トークンを無償で獲得できます。

上記のような事例より、ユーザーは少額の資金あるいは投資額0でも大きな利益を得ることができることが最大のメリットと言えるでしょう。

【メリット②プロジェクトへの貢献でリターンをもらえる】

企業側のメリットでも挙げましたが、特定の行動によってインセンティブを獲得できるのはユーザー側のメリットでしょう。

さらにトークンが値上がりすればするほど、ユーザーはそのメリットの恩恵を受けることが可能となります。

またトークン保有により、ガバナンにも参加できるため、手出し資金がなかったとして、インセンティブが発生する行動によってプロジェクトに影響を与えることができるという点も、web3の面白味と言えるでしょう。

資金調達レポート

前章で紹介したトークン発行のメリットの中に「資金調達」がありました。実際にどのようなプロジェクトがどのくらい資金調達しているのか?という観点に関しては今後公開予定の「資金調達レポート」を見ていただければと思います。

次回の資金調達レポートの公開予定日は「4月15日」を予定しております。

トークン発行のボトルネック整理

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