見出し画像

トレンド

母親がしまむらで買ったダサめの衣服を
ボロになるまで着続ける派の人間なのに
仕事柄渋谷代官山に生息しているせいで
己の容姿に無頓着でいる事が許されない。

その辺の無頓着とは比べものにならない
最低限のことを最低限維持する事さえも
億劫でままならないというから仕方ない。

流行を取り入れない簡素な衣服を選んで
当たり障りのないようにしているけれど
下着やなんかはくたばるまで着てしまう。
店頭に並んでいる商品はどれも流行型で
無意識に流行の中にいたりすると危ない。
安物の衣服は使い捨てるつもりでないと
あっという間にダサにすり替わっていく。

何も服装だけではない。眼鏡や小物もだ。
貧乏性なので限界が訪れるまで使いたい。
多少壊れているくらいならまだ使えるが
そういう精神がそもそもあまり良くない。

確かにヨレヨレした物に囲まれた人間は
その者自体もヨレッとしてみえてしまう。
外見は内面の表出部分とも言われるから
そう思われても仕方ないのかもしれない。

それは構わない。実際ヨレているからね。
シワシワのくちゃくちゃなので仕方ない。
ピシッとした格好をする事もあるけれど
猫背だったりするとシャンとはならない。

気を遣っていないと言えば嘘になるけど
お洒落とは程遠い人物だと自覚している。

つまりプロのダサを極めているので
ダサいと言われる分には納得いくが
お洒落と言われるのが腑に落ちない。

なんだか悪意が込められている気がする。

折角なのでお洒落した時に褒められたい。
でもそれではいつ褒められるか分からん。
定期的にお洒落して出掛ける日がほしい。
それよりまず安心して外出できる日々を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?