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スマホデトックス

問題はスマホを発見してから。

そりゃあ半日も放置してましたからね
いろいろの連絡やら通知やら貯まって
現代人のストレス要因が蓄積されてる

はずが、ピクリとも光らない。

恐ろしいほどに誰からも連絡が入らず
微かに充電を消耗しただけという悲劇。

まあ現実はこんなもんですよ。

予期せぬスマホデトックスに見舞われ
道道に咲く花々や新緑に心奪われたり
鞄に眠っていた文庫本を読み切るなど
そこそこ有意義な一日だったけれども
最後にガツーンと現実を思い知るわけ。

スマホを忘れてもあまり動じないのは
一昔前の習慣が残っていたお陰と思う。
でも誰からの連絡もない寂しさだけは
いつまでも慣れることはないと思った。

出会ったこともない人々に支えられて
毎日を何とかやりくりしているけれど
一人暮らしの薄暗い部屋は常に寂しい。
映画や小説やゲームの類は暇を埋める
唯一の友だちと言っても過言ではない。

忘れ物を持って追い駆けて来てくれる
母親のような存在もない暮らしぶりを
今改めてじっとり感ずる。でもいつか
忘れ物を持って追い駆ける誰かのいる
そんな暮らしをうっかり夢見たりして。

それにしたってスマホ

あの小さな鉄の塊に依存している事が
明るみになってしまった日でもあった。

定期券や財布の代わりにしている他に
勤怠管理やロッカーの鍵になっていて
個人的に通信手段以外の役割が大きい。
娯楽的な部分の時間の消費は簡単でも
実用的な部分の損失があまりに大きい。

もう決して忘れまいと心に誓いながら
またそのうち忘れそうだな、と思った。

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