ダブルスタンダードと共存する

　皆さん、こんにちは。ダブスタって言うとダビスタを思い出す木賃ふくよし(芸名)です。
　ダブルバインドって言葉もあるけれど、こっちはダブバイって言わないよね。

　さて。
　ネットではよく見かけるダブルスタンダードって言葉があります。日本語では二重規範、重複基準と言い、何となく意味はわかっている、使ってはいるものの、明確にその意味を説明できる人は多くないような気がします。

　簡潔に説明すると、状況や対象によって、適応すべき基準を変えること。

　最もわかりやすい例を出すと、「自分の浮気はロマンスだけど、他人がやってたら、ただの不倫」って事で、韓国ではネロナンブルって俗語もあるぐらいらしいです。

　最も多い例は、他陣営に対しては厳しく批判するのに、自分や自陣営には甘い、といった言動不一致のことであり、それを批判する時に「ダブスタだ！」なんて使われ方をします。

　ネットで政党を批判する時などに使用されがちで、何やら他人事のように感じているかも知れませんが、ダブルスタンダードは日常のそこかしこに潜んでいます。ええ。特にあなたの心に。

　・女性が緊急的に男子トイレを使用する事は許されるが、どんなに緊急の時であっても、男性が女性トイレに侵入するのは犯罪である。

　(´･Д･)」 はい、ダブスタですね。

　・正しい事を言っているが、言ってる奴が嫌いなので賛成しない。

　(´･Д･)」 ダブスタです。

　・消防士が防火服のまま、買い物をしていたのは許せないが、自分は会社のスーツで買い物をしている。
　・いつもなら大目玉の失敗だが、自分もやっちゃった直後なので怒らない。

　(´･Д･)」 ダブスタですわ。

　・自分の飲み会は付き合いだから仕方ない。伴侶の飲み会は浮気を疑ったりして責める。
　・男の浮気は甲斐性！ 女の浮気は断罪されろ！
　・自分の好き嫌いは隠して、偏食を批判する。

　(´･Д･)」 これらも、すべてダブスタ。

　これでわかりましたか？ ダブスタは身の回りに溢れています。いかに人間がダブスタを押し付けられていたり、押し付けていたりするか、思い当たるフシが多い人もいるのでは。
　あ。

　今、「いるいる、そーゆー奴！ 俺には全然ないけど！」とか思った人は、重症ですので社会に出ないでください。

　しかし、これらは必ずしもダブルスタンダード、と言う訳ではありません。
　例えば、女性に比べると、男性は羞恥心が薄い傾向にあるため、「女性が男子トイレに入っても、それを迷惑に思う男性は少ないであろうから、トイレが混みやすい女性が男子トイレを使用する事は状況によっては許されるべきなのでは？」というような、気分や立場で言ってる事を変えないのであれば、ダブルスタンダードと呼ぶべきではない。
　無論、この「状況によっては」と言うのが都合よく解釈されるので、注意が必要です。確固たる論理に基づく根拠が必須であり、下手な理論はまさにダブスタの温床である。

　まあ、人間生きてりゃ、そこかしこでダブルスタンダードにブチ当る。人間なんて、気が付かないうちにダブスタを連発してる生き物だ。そーゆーもんである。
　問題は、この「気付かない」事なのだ。

　二重規範に似た言葉で、二律背反(アンビバレンツ)と言う言葉がある。両義性とも言う。
　わかりやすく言えば、「人殺しは絶対に許せないので、死刑にすべき！ でも、死刑は人殺しなのでは？」っていうダブルスタンダードに対する自覚である。

　大事なのは、この自覚。背反している規律に、どれだけ考え、悩み苦しむかが、新たな答えや生き方を導き出す事になるからだ。

　男の浮気は甲斐性！ 女の浮気は許さん！ってのも、人間の祖先である猿が、そもそもボス猿によるハーレム体系であり、メスは確実に自分の子であるとわかるが、オスは自分の子でない可能性を排除したい訳だ。
　また、遺伝子的に考えると「オスが遺伝子をばらまき、メスがそれを選定する」からこそ優秀な子孫が残される訳であり、「言葉の意味」には理解を示すが、人間は猿ではなく、また王宮のハーレムでもない。
　そりゃ、男女問わず全員が浮気を許す、フリーセックスな社会ならそれもアリだろうが、種全体の繁栄を考えると利口とは言えない選択である。
　つまり、人間は文明社会を持つからこそ人間なので、浮気は推奨されない。
　これは一例に過ぎないが、是非両方の意見も参照した上で、答えを導き出す事が必要なのだ。

　要するに、ダブルスタンダードそのものは悪ではない。
　ブチ当たったダブルスタンダードに真正面から向き合い、屁理屈を捏ねるのではなく、自分にとってどれほど都合が悪かろうと、どうやって整合性を取るか、という答えをを導き出す事が肝要なのである。

　自己矛盾に気付けない事の方が問題なのである。

　例えば、ワタクシはもはや身分制度もなく、食うや食わずの貧困層が殆どいなくなった現代日本において、

　七面倒くさい礼儀
　なんてなくせばいい。

　と考えている。涙箸だの迷い箸だの握り箸だの、

　箸の持ち方ひとつで
　誰かに迷惑かけましたか？

　箸は綺麗に持てても、

　「お里が知れる」なんて
　言葉を口にするようじゃ、
　それこそ「お里が知れる」
　ってモンですわな。

　なので、マナー、礼儀、行儀なんてのは時代とともに減らしていくべきだと思っている。

　しかし、

　しかしそれでも、

　クチャラーは
　許せないのだ。

　で。これはまだ、周囲に音が漏れるから、時代とともに減らしていくべきマナーの中でも後期まで残すべきマナーという位置付けをする事が出来なくもない。

　しかし、

　しかし、だ。

　ワタクシはどうしても、

　カレーライスを最初に全部、
　ぐちゃぐちゃ混ぜる奴だけは

　(´°Д°)」 許せんのだ！！

　まあ、心の中で「うぎゃあああああ」って思いながら、その場では一切、口には出さない事で何とか折り合いはつけているが。

　あと、アレだ。

　作者がどれだけクズであろうと、
　作品の良し悪しには関係がない！

　というのがワタクシの持論だが、

　キンコン西野が嫌いすぎて、
　プペルは観たくもない。

　と言う訳で、なるべくダブルスタンダードを消化していきたいワタクシに、ものすごい消化不良のダブスタを与えてくれた西野が、なおも嫌いになりました。

　※ この記事はすべて無料で読めますが、プペルに落とす金があるなら、ワタクシに投げ銭(¥100)する方が有意義だと思うの。なお、この先には特に何も書かれてません。