OSI参照モデルからみる7つのトリイ門の役割

 ニンジャスレイヤーの世界において、インターネットはオヒガンと呼ばれる超自然のネットワークを模倣して作られたものであるとされている。

 オヒガンは作中世界の古代において、死者の魂がサンズリバーと7つの門を超えて行く先にある場所とされており、この7つの門はコンピュータ通信の通信規約を7つの階層に分けて定義しているOSI参照モデルとの関連性がニンジャヘッズから指摘されている。

 ここでは作中世界のOSI参照モデルが魂がオヒガンへと至る過程をベースに作られていると仮定し、どのような手順で魂がオヒガンへと至るのかを考察する。
 
第1層 物理層
コンピュータをケーブルで接続し、銅線ケーブルや光ファイバーでデータを転送する際に、電気信号や光信号に変換する物理層の役割だ。

ネットワーク物理層とオヒガン物理層は以下のように対応しているのではないかと考察する。

ケーブル=サンズリバー
データを電気(もしくは光)信号として変換する=脳内にある自我情報を魂として変換する。

つまり、サンズリバーは現世とオヒガンをつなげるケーブルの役割を持ち、オヒガン物理層は人の脳内にある自我情報を魂へと変換する役割を持っているのだ。

第2層 データリンク層
一つ前の物理層がその名の通り物理面での定義を担当しているならば、このデータリンク層は直接接続された通信機器間におけるデータの受け渡しを担当している。

作中でのオヒガンは謎めいており具体的のどのような構造をしているかは語られていないが、少なくともインターネットがオヒガンの模倣である以上は、オヒガンもまた無数の接続点によって構成されていると考えるべきである。つまり、オヒガンにもネットワークにおける、サーバ、ルータ、スイッチなどにあたる存在があり、オヒガン物理層によって魂へ変換された自我情報はオヒガン内にある幾つもの接続点を経由して然るべき場所へ転送されるのだろう。

第3層 ネットワーク層
ネットワーク層ではデータを正しい宛先に転送することを担当しており、また宛先へ至るのに最適な経路の選択も行っている。

シルバーキーを始めとしたニューロンハック能力者は対象のローカルコトダマ空間へアクセスすることが可能だが、オヒガンネットワーク層のルーティングによって彼らは対象を間違えること無くアクセス出来るのだろう。

さらにはニンジャソウルのディセンション現象もオヒガンネットワーク層が関係しているのではないかと私は考えている。リー・アラキは「ニンジャソウルは憑依先を選択できない」という仮説を立てている。仮に憑依先の選択が完全なランダムではなく、何らかの要因があるとするならば、それはこのオヒガンネットワーク層にあり、憑依先の選定を行うルーター的存在があるのではなかろうか。

また、宛先の決定に使われるIPアドレスについて、作中では以下のように語られている。

エシオは魂の舟は繰り返し利用されているという。つまり使用されなくなった舟を回収し、新しい魂に対して割り当てている霊的なDHCPサーバーが存在する可能性がある。

第4層 トランスポート層
トランスポート層は転送するデータの信頼性を保証する役割を担っており、データの欠落やエラーがないかの確認を行っている。

オヒガントランスポート層の場合は、魂がサンズリバーを渡る際に自我情報の整合性チェックなどを行っている可能性がある

第5層 セッション層
セッション層は通信を行うために接続の確立・切断を行っている。

ここでもニューロンハック能力者を例に考察したい。例えばシルバーキーはしばしば自分と他人のニューロンと接続しているが、外的要因が無い限りニューロンの接続が維持されているのも、オヒガンセッション層があるからなのだろう。

第6層 プレゼンテーション層
プレゼンテーション層はデータフォーマットの変換を行っている。機器固有のフォーマットからネットワーク全体の共通フォーマットの変換やその逆を行っている。例えばプレゼンテーション層の設定が正しくない場合は、受信したメールの文字化けなどが発生する。

オヒガンの場合はどうであろうか? 自我情報のフォーマットとなれば最も可能性が高いのが言語である。日本語、英語、中国語、ロシア語等、世界には様々な言語があり、一人ひとりの自我情報もまたその人が使っている言語に準じている。オヒガンプレゼンテーション層はそういった個人特有のフォーマットから、オヒガン共通フォーマットへ変換しているのではないか。

第7層 アプリケーション層
この層ではコンピュータ上で利用されているアプリケーションの通信部分を担当している。たとえばメールやファイル転送、遠隔操作などのプロトコルがこの層にある。

おそらくオヒガンが関係するオーバーテクノロジーやニンジャのジツはオヒガンに於けるアプリケーションではないだろうかと考察する。各オーバーテクノロジーやジツには、個別にそれにアクセスするためのプロトコルがオヒガンアプリケーション層に存在するのではなかろうか。

以上が私が考察するOSI参照モデルからみる7つのトリイ門の役割である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?