見出し画像

家事や育児は専門職であり誰にでもできる仕事ではない

 夫婦間でとかく話題になりがちな、家事や育児の分担のバランスについては内閣府も気にしている様子で、こんなものがある。

スクリーンショット 2020-05-30 12.36.19

家族が仲良く暮らしていくためには、夫婦の協力体制がとても大切です。

自分の気持ちを上手く相手に伝えられず、モヤモヤしていませんか? このシートを活用して楽しく真剣に、これからの、2人のこと・家族のことを話してみましょう。

日々の家事や育児の項目を洗い出し、どのようにシェアし、お互いに支え合うのがよいのかを確認し合うためのコミュニケーションツールです。

夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」
(http://www.gender.go.jp/public/sakusenkaigi/index.html)

PART.1では素直な気持ちを表現し、PART.2で定量的なAsIsの整理、そしてPART.3でToBeをディスカッションするという流れをくんだヒアリングシートらしい。

 ここで1点気になるのは、PART.3では夫婦間での家事や育児のバランスについてだ。

スクリーンショット 2020-05-30 12.43.02

夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」
(http://www.gender.go.jp/public/sakusenkaigi/index.html)

 ここで言う「割合」とは何の割合のことを指しているのかといえば、PART.2でお互いの時間の使い方について言及していることから考えると、「家事・育児に関わる時間の割合」ということになるのだろう。

 「家事・育児の関わる割合」を「時間」という単位で整理して果たして夫婦が納得のできる答えにたどり着くのだろうか。

家事や育児の生産性は個人のスキルレベルに依存する

 どういうわけか、世間一般が「家事」や「育児」というものは「時間さえかければ誰でも同じ生産性で同じ品質が得られる」と考えている節がある。これが根本的な間違いなのである。

 例えば、同じ時間で皿を洗えば洗い上がる皿の枚数はもちろんのこと、その仕上がりにも差は出るし、料理を作らせればかかる時間やその味に品質の差は出る。子供の面倒を見させれば、自分にも子供にもストレスがなくうまくこなせる人もいれば、ちょっと子供の相手をするだけで果ててしまう人もいる。
 つまり、前述の内閣府が示す、夫婦間での議論の中で単純に時間配分で分ければ良いとは言い切れないのである。 

ここから先は

4,711字 / 2画像

¥ 150

サポートをお願いします。サポートしていただけましたら、もっともっとたくさん記事を書きます。ご協力よろしくおねがいします。