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3月30日は何の記念日?答えは「マフィアの日」。 ということでWATCHAおススメの激アツなマフィア映画をご紹介します!!

「マフィアの日」があるなんて初めて知った方も多いと思います。
1282年の3月30日に、シチリア島の住民とフランス兵士との間で「シチリアの晩鐘事件」と呼ばれる暴動が起きました。その時のスローガンの頭文字「MAFIA」がマフィアの語源となったとされています。
そこで今回は、「マフィアの日」にちなみ、裏社会に生きる男たちを主人公にしたギャング映画をご紹介していきましょう!


『ギャング・オブ・ニューヨーク』 

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構想30年、撮影270日、製作費150億円!
超一流キャストとスタッフの夢の競演。

『グッドフェローズ』『カジノ』などギャング映画を得意とするマーティン・スコセッシ監督が、レオナルド・ディカプリオ&ダニエル・デイ=ルイスの初共演を実現させた、重厚感あふれる歴史大作。

様々な人種が集まる国として発展してきた移民大国アメリカ。本作の舞台となるのは、飢饉から逃れてやってきた移民が入り混じり、混迷を極める1860年代のニューヨークです。
序盤からものすごい迫力で描かれるのは、アメリカ生まれの住民たちと、アイルランド系移民たちによる一大バトル。ニューヨークの一角で支配権を争い、戦争さながらに多くの血が流されたことに驚愕します。

移民の歴史を背景に、「復讐する者」と「復讐される者」の人間模様にも視点が置かれています。
ギャングのボスに父を殺された青年アムステルダムが、素性を隠して復讐の機会を狙うのですが、二人が微妙な感情でつながり、敵以上の存在に変わっていくドラマティックな要素は大変見応えがあります。
ダニエル・デイ=ルイスは凶暴なギャングを貫禄たっぷりに演じて場面を引き締めてくれますし、レオナルド・ディカプリオも名優相手に負けず劣らずの熱演ぶり。またいつかこの二人の共演が見たいものですね。

奴隷解放政策が気に食わない人種差別主義者、移民受け入れ反対派の白人エリート支配層、南北戦争の徴兵制度に反発する市民など、この時代に多くの人々が不満を抱いていたという社会情勢もしっかり伝わってきました。
人として同じ信念を持っていても、信仰が異なれば敵同士になってしまうという不条理な現実は、残念ながら今の時代にも続いていることに気づかされます。

エンディングに流れる「The Hands That Built America」を歌っているのはアイルランド出身のU2。
過去から現在へ、高層ビルが着々と建っていくマンハッタンをロングショットで撮る演出もあり、失われたワールドトレードセンターの姿にもジーンとしてしまいます。
自身もイタリア系移民をルーツとし、ニューヨークに特別な思いを抱くマーティン・スコセッシ監督ならではの心遣いに泣けます。

人種差別、宗教問題、貧富の差を、抗争劇や復讐劇の形をとりながら描き、時代は移り変わっても延々と繰り返される悲劇のループに一石を投じた意義のある作品です。

作品情報
1861年、ニューヨーク。移民同士の抗争により、目の前で父親を殺された少年アムステルダム。自らも投獄された彼は、15年の時を経て、父を殺したビルへの復讐を誓う。

監督 マーティン・スコセッシ
出演 レオナルド・ディカプリオ、 ダニエル・デイ=ルイス、 キャメロン・ディアス
2時間46分 | 犯罪 · ドラマ | 強烈 · 復讐 | アメリカ · イタリア | 2002年
『ギャング・オブ・ニューヨーク』視聴はこちらから 


『そして友よ、静かに死ね』

そして友よ


「フランスのゴッドファーザー」と呼ばれた実在のギャング。
壮絶な半生を描くフレンチ・ノワールの傑作!

70年代初頭のフランスで恐れられていた実在のカリスマ的ギャング、エドモン・ビタルの自叙伝をもとに、裏社会を全力で駆け抜けた男たちの姿をリアルに描き上げたハードボイルドの傑作。

フランス犯罪史を揺るがし、「リヨンの男たち」と呼ばれた伝説のギャング集団。還暦を迎えたモモンは孫たちに囲まれ穏やかな生活を送る良きおじいちゃん。一方、かつての親友セルジュは麻薬取引で問題を起こし、13年もの逃亡の末に逮捕。過去と現在ふたつの時代をクロスさせながら、二人の栄光と挫折の物語が並行して進みます。
若きギャング時代は疾走感あふれる青春群像タッチで、そして、止まっていた時が再び動き始めてしまった現在の日々はヒューマンドラマのように重厚に。過去のわだかまりが現在にリンクしていくという描き方も巧妙で、惹きつけられました。

オリヴィエ・マルシャル監督は、俳優→警察官→映画監督という異色の経歴の持ち主なので、「追われる者の人生」と「追う者の人生」そして「両者をつなぐ犯罪」を鋭くえぐり取る手法が本当にうまい。リアリズムとダンディズムを掛け合わせた描写は飛び抜けてカッコよかったですよ。
ディープパープルの「ブラックナイト」、ジャニス・ジョップリンの「ジャニスの祈り」など音楽のキメ方も印象的でした。

国民的俳優ジェラール・ランヴァンと個性派俳優チェッキー・カリョが、とにかく渋くてカッコ良い。銀色になった髪や顔に刻まれたシワがお似合いで、哀愁をにじませた姿はなんともステキ。青年時代の俳優たちもイイ顔ばかりです。
交わされるセリフは無駄をそぎ落とした詩のようであり、どの場面も絵になる独特の雰囲気を持ち、老練な俳優たちがワルな男の美学をたっぷりと見せてくれるので、あまりの渋さにのけぞってしまいますよ。

友情、絆、仁義、裏切り、抗争などがドラマティックに描かれたオススメ作です。

作品情報
組織を勇退し静かに暮らすモモンは、13年間逃亡していたセルジュの逮捕を知る。共に伝説のギャングと呼ばれた友を見捨てられないモモンは、危険を冒して彼の脱獄に手を貸す。

監督 オリヴィエ・マルシャル
出演 ジェラール・ランヴァン、 チェッキー・カリョ、 ダニエル・デュバル
1時間42分 | ドラマ · サスペンス | ダーク | フランス · ベルギー | 2011年


『そして友よ、静かに死ね』視聴はこちらから 


『チング 永遠の絆』

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伝説的名作『友へ チング』から17年後を舞台に、
三世代に渡る男たちの過酷な運命を描いた韓国ノワールアクション!

「チング・シンドローム」という社会現象を巻き起こし、日本でも大ヒットした青春ノワールの金字塔『友へ チング』(01年)。プサンを舞台に、親友たちの生き様を浮き彫りにしたクァク・キョンテク監督が、12年ぶりに再びメガホンを取り完成させた、続編にして渾身の逸作。
裏社会に生きる男ジュンソクのその後の運命を、彼の父親の若き時代を織り交ぜて綴る熱く切ない骨太ドラマです。

ある殺人の罪で服役していたヤクザの組長ジュンソクが、17年の刑期を終え、プサンの裏組織に戻るところから物語が始まります。
義理と人情で何とかなった時代はとっくに終わり、現代のヤクザ稼業はスタイリッシュなビジネスへと変貌。「年季の入った昔かたぎの極道」vs「洗練されたモダンなヤクザ」という新旧ヤクザの対立構造に血生臭い緊張感が走ります。
起死回生を狙う組長ジュンソクが、刑務所で目をかけていた青年を弟分に引き入れたことで物語は一気に加速。父と子のような強い絆はエモーショナルに、権力闘争のアクションシーンはかなりハードに描かれ、その先に待つ宿命が切なすぎて泣けてしまいました。

ヤクザ映画といえども銃は使わず、殺しのツールが身近すぎるのが韓国映画の特色です。
刺身包丁、金属バット、草刈り用のカマなどは想定内だとして、サウナの木製まくら、ジャージャー麺のわりばし、屋台の熱々のおでん汁でさえ立派な凶器と化してしまうとは。しかも最後まで殺さず、再起不能になる程度の半殺し状態で止めておくのだから、銃で瞬死させるよりもむしろ残酷だと思いませんか?

主演ユ・オソンは、悲しい因縁を背負った人生を静かに好演。
それ以上に印象的だったのは、映画初出演とは思えない若手俳優キム・ウビンの存在感ですね。物言いたげな鋭い眼光と吊り上がった太いマユ。正統派イケメンスターとは全く異質のオーラを放ち、哀しげな鬼気を見事に表現しています。

1作目『友へ チング』を観た後に本作を鑑賞するのがオススメです。
もし1作目を観る時間がないという方は、過去にさかのぼりながら謎が明かされる展開やセリフのなかで語られる1作目の情報をお見逃しなく。
欧米のマフィア映画とは一線を画す、韓国ノワールならではの世界観を是非お楽しみください。

作品情報
17年前のあの日、親友を殺した男と、父親を失った男がいた。残酷な運命のめぐり合わせで出会った二人は絆を深め、共に権力の頂点を目指す。そして明かされる衝撃の真実...。

監督 クァク・キョンテク
出演 ユ・オソン、 チュ・ジンモ、 キム・ウビン
2時間1分 | ドラマ · アクション | 関係 · ダーク | 韓国 | 2013年


『チング 永遠の絆』視聴はこちらから 


いかがでしたでしょうか?
WATCHAライターmatildaが様々なテーマで映画の魅力をお届けする「WATCHAで観られる映画情報」、次回もぜひお楽しみに!

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