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Us ~ワタシル大学オリジナルキャリア小説「ストーリーズ」~採用担当・桃子(28歳)の場合 Vol.8

あらすじ桃子3


金曜の夜
桃子はお風呂上がりに自宅で好きな動画を見ながら髪を乾かしていると
スマートフォンに彼氏のシンジからの着信が入った。


ドライヤーを片手に
スマートフォンのボタンを素早くタップして電話にでる桃子。


他愛もない近況について
足早に共有しあったあと、すぐにシンジが本題を切り出した。



「桃子、おれ、実はさ、シンガポール駐在が決まりそうなんだ」



シンジが前々から海外赴任の希望を申請していたということは知っていた。




え?!ちょっと急だな…喜んであげていいってことだよね??




「おめでとう!」
「ありがとう。…でさ、桃子にも一緒に来て欲しいんだ」
「え…?私も?」



一緒に来て欲しいって、それってもしかして…



前々からなんとなく結婚の話は出ていたので
シンジとはいずれは結婚するのだろうと思っていた。

互いの両親も紹介しあっているので
結婚することに対しての答えは決まってる。


それに対してはただただ嬉しくて嬉しくて天にも昇りそうな気持ちだ。


思いもよらない海外生活
一度海外で暮らしてみたい
そう思ったことがあっただけに
そのチャンスが巡ってきたことも素直に嬉しかった。


…けれども、1つだけ気がかりなことがあった。


仕事、どうしよう。


結婚して海外に行きたいという気持ちと
今の仕事を手放すことに対する不安。


「嬉しい。もちろん、一緒についていきたい!」


返事を待たせてはいけない、そう思い、桃子はそう答えた。


「大丈夫?なんかちょっと間があったけど?」
「ううん、ごめん、一瞬今の仕事のことが気になっただけ。
 でも私はずっとシンジと一緒にいたいから。」


シンジは、急に連絡したことを詫びつつ
改めてよく考えてみて、と会話を終えた。


駐在の任期は何年になるかわからないようで
前任者の先輩も当時の彼女と結婚したのちに赴任したことを聞いていた。


シンジには、私たちが離れて暮らす選択肢はイメージはないようだった。


「これからのこと、ちゃんと考えなきゃなぁ。はぁ…。」


缶ビールのフタをプシュッと開けながら、
昼間、社内報のためにインタービューをした
経理課の麻衣のことをふと思い出す。


一般職で入社したが、非常に優秀であることから、
職種転換を打診された女性だった。


結婚したいな。海外で生活もしてみたい。
でも今の中途半端な状態で仕事をやめて
キャリアを中断していいものか、迷う気持ちも拭えない。


あれ?そういえば、さっきのってプロポーズ…? 

え…電話でする…?フツー!?


そんな直情的なところがシンジらしい。自分に素直でストレート。
自分にはない部分を持っているところに桃子は惹かれたことを思い出した。



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仕事と結婚、どちらかを選ばなければならないとしたら
あなたはどう決断しますか!?


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そんな2択を迫られてしまった時には、


「もちろん結婚でしょ。」
「うーん、結婚はちょっと早いし…私はまだ仕事頑張りたいかな」


自分の本当の気持ちや真のニーズに
気づいたりするタイミングでもありますね。


結婚を期とする女性の離職率は、近年では約20%を切り(1990年代前半は約40%弱)、結婚というライフイベントのみで離職するケースはずいぶんと珍しくなってきました。

(出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ(http://www.ipss.go.jp/))


それでもパートナーの転勤に伴い、女性側が離職を選択するケースはまだまだ多くあるようです。


今回の桃子の場合ですと、パートナーは海外赴任となるわけで、
「結婚する」という意志は固まりつつありますね。
問題は、今の仕事や今後のキャリアをどうしていくかということ。
これまで頑張ってきた仕事を手放すことに対する戸惑いと、
キャリアの空白期間が生まれることで、再就職が難しくなってしまうのではないかという不安。


仕事を頑張りたい女性にとっては、とても悩ましい問題だと思います。


ところで、真面目で責任感の強い人ほど、
何かの決断を迫られた時に「二者択一」で考えがちです。


「結婚」か「仕事」か。


この「二者択一」思考に囚われていると、変化の多いこの時代、多様な働き方・生き方のある現代において、自分を苦しめ、時に生きづらさを感じる原因になってしまうこともあります。


悩んでしまって答えが出ない…そんな問題に直面した時には、
「選択肢を広げて考えてみること」をおすすめします。


例えば

①仕事を辞めて、パートナーの海外転勤に帯同し専業主婦になる
②結婚を断り、今の仕事を継続する

という選択肢以外にも、

③今の仕事を続けながら、パートナーとの関係を継続させる方法はないか
④パートナーの海外転勤に帯同し、現地でキャリア(ボランティア等含む)を継続する方法はないか


といった選択肢があると思います。


さらには、この4つの選択肢だけで考えるだけではなく、②をしばらく継続したのちに③を選択することはできないか、また③の中にも複数の選択肢はないか(ボランティアをする、語学学校に通い自己研鑽をする、日本企業からリモートで仕事を受注する…etc)といった風に広げていくと、かなり可能性が広がっていきます。


まずは、ありとあらゆる情報収集をして選択肢を増やすことをまずはやってみましょう。そうすることで、不安や閉塞感を感じていた将来を少し明るく捉えられるようになるのではないでしょうか。



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