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#10 濡らす男

●登場人物 濡らす男
わたし・・・アラサー社会人。遅刻常習犯だが人の遅刻は許せない女。
Jくん・・・28歳、ゲームオタク/エンジニア
 
ペアーズ・・・恋活・婚活が半々なアプリ。真面目かと思いきや変化球が混じっているアプリ。
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Jくんは、かなりのゲームオタクだった。
スマホのオセロで対戦した時には完膚なきまでに叩きのめされた。
 
JくんはSNSでゲーム仲間とオフ会をしたりと活発な一面があるが、実際会うと、オタク特有の早口&小声で、なんだか興醒めだった。
 
そんなJくんとの2回目のご飯で、事件は起きた。
 
その日は雨が降っていて、お互い傘を持っていたにも関わらず、Jくんは
わたしの傘に入ってきたのだ。
その当時わたしが持っていた傘は、ピーチ姫のようなふんわりした小さめの傘(パゴダ傘)だった。
1人で使うのであれば、防御力が高めだが、大人2人となると傘の形も相まって直接雨があたってしまうような傘だ。
 
わたしの手から傘を奪い、いわゆる相合傘状態のわたしたちだが、
わたしの右半身がどんどんずぶ濡れになっていく。
湿気と共に高くなる不快感。

早く駅に着きたいのに「名残惜しいね」と歩みが遅いJくん。
 
やっと駅に着いたかと思いきや、Jくんは「ちょっと休憩していかない?」と指差す。
その先にはラブホテル。
 
そのために濡らしたのか!
 


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