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心理職以外のためのメンタル支援ヒント集⑨


同調を求められたときはどうするか?

「先生!これはパワハラですよね、そうですよね!」(それは裁判所)

「先生!労災出ますか?出ますよね?」(それは労基署署長)

「社労士でしょ?雇用保険、会社都合になりますよね!」(それはハローワーク所長)

カッコ内()は法律系相談員の心の中です。

これは特に労働相談でよくある場面。相談する方も必死なので、なんとしてでもこちらの「YES!」が欲しい!でも、決めるのは裁判所、労基署署長、ハローワーク所長などで、一相談員はいくら国家資格を持っていても無理なんですよ(力なし、ですいません・・・)

ここで「多分、大丈夫」と言っても、相談者は「たぶん」を除外して「大丈夫と法律の先生に言われた!」になるのは火を見るより明らか・・会社の人事も同じジレンマがあると思います(何か言ってあげたいけど、立場的に言えない!!)

こういうときは腹をくくります。「嫌われ、罵倒されるのが前提!」そして「そう感じるのですね」「そう思うのですね」とひたすら返す。

弁護士の「コメントしません」より、今一つクールさには欠けますが、心理相談の場面では、人をコントロールしようとする人格の方、妄想でおびえている方によく使う手法です。内容には触れず「そうお感じになるのですね」と、応答はするものの、すごく反応が薄い!という。

こちらの反応が鈍いといくら頑張っても「先生!大丈夫ですよね!」への回答がないので、相談するほうもあきらめモードになってきます。相談員としては「申し訳ない」という気持ちでいっぱいなのですが、期待をさせて結果はそうでなかった、というのは一番残酷。加えて法律士業は例えば、労災については「労基署署長判断」と知っていながら「労災出ますよ!大丈夫です!」とは言えないのです・・。

相談の一技法ですが、自分を守り、相手を守るため。「なーんだ、法律家なのにこんなことも言えないのか」と言われるのは覚悟し「そう思われるのですね」というテクを時々思い出してみてくださいね~。


(つづく)

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