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2月17日(月)ドキュメンタリー『車中の人々 駐車場の片隅で』

ドキュメンタリーの映像作品を通して新たな世界を知ることは多い。それはもちろん、遠い外国の話だけではなくて、近いからこそ見過ごしがちな国内のことも。

NHKスペシャルで放送された『車中の人々 駐車場の片隅で』は、一年にもわたる濃密な取材から作り出された作品だった。

【初回放送】NHK 2020年2月15日(土) 午後9時00分~9時49分


日本全国の千を越える道の駅をすべて調査したところ、そのうちの29%で、車中生活者と思われる人々の事例が見付かったそうだ。全国では5年間で車中生活者の死亡が12件、確認されたとも報道されていた。

月10万円の年金だけでは生活できず、車所持者だからと生活保護も受け入れてもらえず、家賃4万円のアパートを退去して車で暮らすお年寄りもいた。この方は高度経済成長の頃には高級ホテルで働いていたそうだ。元々70kgあった体は40kgまでやせ細っていた。

車中生活者はホームレスの一種だ。仕事があること、その日暮らせる家があること、当たり前になっているとありがたみも薄れてくるけど、こういう社会問題は対岸の火事ではない。誰にでも起こりうることで、努力の有無は関係なく、災難は人に確実に振りかかってくる。

社会問題に直面した暮らしを送る人たちの存在を知ると、「自己責任」だとか、「もっとなんとかなっただろ」とか、「本人に知恵がないだけ」……と言う人もいると思う。

でも人間、常に最適解が出せるわけじゃない。頭で考えるのと、実際は異なる。行政に無視されてしまったり、救いの手が差し伸べられずに亡くなってしまう方々がいるのも、紛れもない事実。

圧倒的理不尽を知った時、第三者は、その物事が降りかかった本人(今回の場合は車中生活者)のせいにして考えないと、「自分の未来もこうなるのかもしれない」と怖くてたまらない。自分の心が耐えられない。だから「自己責任」なんて言ってしまうんだと思う(同様の趣旨の話を『心の傷を癒すということ』で精神科医の先生が言ってた)。

人間の心は複雑だから、受け入れられないものは受け入れられない。

けど、こういう現実があるということを知識として知っておくことは、何かの意味があると思う。

多くの人に見てほしいです。

番組の内容をほとんど書き起こしてある記事はこちら↓


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【日々の出来事記録】

クラシック音楽館でブラームスの交響曲第3番をたまたま聞いた。第3楽章からだったのだけど、心の一番深いところに届く音楽だった。私にとってはやっぱり深い絶望に唯一寄り添ってくれるのはクラシック音楽なのかもしれない。ポップスのように歌詞があるとどうしても意味が限定されてしまうけれど、数十分かけて様々な音色や旋律が混ざり合うことで奥行きのある音楽を描いてくれるのだなあ みつを




HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞