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『未来少年コナン』を観ました

世界がどんどん変になっていくのを否が応でも見せつけられているような日々だ。皮膚感覚的には、もう触らないで、と嘆きたくなる。それでも世界はおかしくなっていく。

『未来少年コナン』を観た。1978年に制作された、2008年の地球が題材の物語だ。核の力をも越える科学兵器によって大規模な地殻変動を迎えた地球は、大陸もろとも海に沈み、その殆どの文明は滅び、動植物も絶滅してしまった。

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そんな地球の片隅に残された島に生まれ育った超人的な身体能力を持つ少年コナンが、たった一人の島民であるおじいさんの死を期に旅に出るのだが、その先にあるのが未来都市インダストリアである。

このインダストリアは、過去の大変動を起こす引き金となった人間の科学技術を集結して作られた塔を持ち、地下都市には生き残った数千人の人々が暮しているが、殆どは貧しい。

上層部には悪党がいて、こいつが厄介モノであり物語上の敵となるのだが、とかく、人間の私利私欲が暴走するとロクなことにならない例の代表とも言える。

未来少年コナンは、四十年前に制作された話だからこそ、非現実感をもって、傍観者のように鑑賞することができるが、ときどき、嘘のように「今」の出来事が描かれている。

例えばインダストリアの塔には「公園」があって、スイッチ一つで春夏秋冬さまざまな季節を映し出すことができる。しかし木に寄りかかっても、転がるボールを掴んでも、走り寄る子を抱き締めても、見る者の手の中に実体と実感はない。

コナンの仲間である娘ラナは恐ろしさに悲鳴をあげる。私はこの光景に今のVRと同じものを見た。VR一つとってみればただの楽しい娯楽かもしれない。だが、この他にも作中には現代社会に実存するような科学技術がサイエンスフィクション的に登場するのだ。

そのうちの一つが、いつなん時、暴走するともわからない。人間の歴史において、科学と破壊は昔から切っても切れぬ仲にあるからだ。

人間の科学技術の結晶として生まれた未来都市インダストリアは、誰の手にも余る恐ろしい兵器を生み出し、地球を滅ぼし、何億もの人間を殺し、最後は地殻変動に巻き込まれて海に沈んでいった。大地は枯れ果て、その周りには砂漠しか残されていなかった。

これからの世界において、科学技術の進歩を止めることはできないだろう。であれば、それをどう活かすか、どう善く使うのか、私たちは学び、考えていかなければならない。

物語は私たちにいつもたくさんのことを教えてくれる。この一週間は架空の未来に行って、コナンや仲間たちと旅をしたようだった。彼らが島へ持ち帰ったものを、私もまた大切に持ち帰りたい。

HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞