- 運営しているクリエイター
#コラム
綿生さんちの素朴な毎日/昼と夜の混ざる時間
「内の光と外の光が混ざる時間が一番あかんねん」
夕方五時、廊下に車椅子を停めて庭の景色を眺めていると、刻一刻と空が夕方から夜へと色を変えていく。街灯が灯り、庭の向こう側の原っぱから鋭い光が差し込んでくる。夕暮れは綺麗だけど、この時間が一番苦手だ。自然の光と人工の光が混ざり合って、目の明るさをどこに合わせればいいのかわからない。
「いや、なんか文学的な表現やん」
私の苦手発言を聞いて家族はこう
ブラとおばさんと私 〜ロンドンのコインランドリーで起きた珍事〜 (#キナリ杯 応募用)
ロンドンに住んでいた時のことである。私の下宿先には洗濯機が無かった。いや、正確には洗濯機自体は存在していたのだが(それも部屋の目の前にあるバスルームに)、同居する大家さん以外は使えない決まりで、私は仕方なくコインランドリーに通っていたのだった。お風呂やトイレを使うたび、その場に鎮座する洗濯機が視界に入り、こんなにも近いのにこんなにも遠い…と、恨めしげな目をしていたが、それも今となっては良い思い出で
もっとみるヘッダー画像を毎回さがすの大変すぎ問題
note歴も2年半となると毎回の投稿に対してのドキドキもなくなってくる。ただ息を吸うように文章を書き、いやむしろ吐くように書いているのだが、とにかく自分の内に秘める想いをただ爆裂なる勢いでガーッと書き出しただけの文章をインターネットの海に放流することにさほどの抵抗もなく、実際は "ここ" は「学校へ行こう」における未成年の主張の舞台となった学校の屋上くらいにはなんらかのてっぺんに位置するはずなのに
もっとみる5月3日(日)好きなお寿司の食べ方
好きなものの話をすると健康に良いとの研究結果が出ているので(当人比)好きなお寿司の食べ方の話をします。
前々から薄々勘付いていた事実がある。それはお寿司を食べると寒いということだ。
あれは数年前の冬の日のことだった。私と友人は寿司を食べるためだけに街合わせ、駅前の回転寿司屋に入った。カウンター席だけの、入口からの風がびゅうと吹き込んでくるような、小さな店であった。
私と友人は流れてくる寿司を