マガジンのカバー画像

エッセイストになりたいねん

136
自分の人生や日々の生活に起きたことをエッセイにしています。
運営しているクリエイター

#日常

綿生さんちの素朴な毎日/昼と夜の混ざる時間

綿生さんちの素朴な毎日/昼と夜の混ざる時間

「内の光と外の光が混ざる時間が一番あかんねん」

夕方五時、廊下に車椅子を停めて庭の景色を眺めていると、刻一刻と空が夕方から夜へと色を変えていく。街灯が灯り、庭の向こう側の原っぱから鋭い光が差し込んでくる。夕暮れは綺麗だけど、この時間が一番苦手だ。自然の光と人工の光が混ざり合って、目の明るさをどこに合わせればいいのかわからない。

「いや、なんか文学的な表現やん」

私の苦手発言を聞いて家族はこう

もっとみる
過去の自分に励まされる。日常を記録することの意味

過去の自分に励まされる。日常を記録することの意味

言葉を紡ぐのが楽しいと思えなくなったのはいつからだろう。noteという場所に来てから四季が二周して、そうそう書きたいこともなくなってしまった。エディターを目の前にした時の「何を書こう」というワクワク感も、投稿ボタンを押すときの胸のドキドキも、今は昔、まるでなかったことのよう。

去年の今頃の自分は何をしていたんだっけ?と、noteのアーカイブを遡った。2018年11月。どうも書くのが楽しくてたまら

もっとみる
エッセイ「あんぱんを食べる女」

エッセイ「あんぱんを食べる女」

あんぱんの美味しさに気が付いたのは今年に入ってからのことである。もちろん「あんぱんは美味しいなぁ」と感じたことなどそれ以前から幾度もあったが、そういうことではなく、「本当にあんぱんは美味しい。あんぱんよありがとう。あんぱんに幸あれ」級の感動・感謝・感慨を伴った美味しさに気が付いたのが、今年、ということだ。

あんぱんは牛乳と相性が良い。刑事ドラマの張り込みシーンでも定番の組み合わせだが、考えてみれ

もっとみる
ミニエッセイ「ほんの小さな」

ミニエッセイ「ほんの小さな」

暑い日は麻の敷き布団にばたんきゅーするのが好きだ。

ずっと同じ体勢で寝ていると飽きてくるので、仰向けのままばんざいをすると気持ちが良い。
枕に両腕を乗せて、ぐーんとする。脇の下が伸びるとなんだか良い感じがする。

表向きに飽きてきたら、もうそろそろ頃合いかな、というところで体を裏返す。焼き魚もこんな気持ちなのかしら、と七輪の上の開きに想いを馳せる。

ほんの小さな気分転換。

ミニエッセイ「泣き食い」

泣きながらごはんを食べることって最近では滅多とない。子どもの頃はよくあって、ごはんを食べているんだか涙を食べているんだか分からないぐらいぐちゃぐちゃになっていたものだ。私をあんなにも泣かせた一切の悪霊め、許さん。

今日の夕食の後、お腹が一杯でもう何も食べる気がしなかったのに、母が目の前であんぱんを食べ始めたものだから私のおなか帝国も再稼働してしまった。

ひとくち分ずつ千切ってはあんぐりと頬張ら

もっとみる
自家製レモンウォーターでリフレッシュしつつ痩せる目論見(もくろみ)🍋

自家製レモンウォーターでリフレッシュしつつ痩せる目論見(もくろみ)🍋

発熱してからなんだかんだで11日が経ち、気が付けば明らかに太ってしまった。中盤からは胃腸もぶっ壊れて今もまだ帰らぬ胃腸のままなのに、消化の良いものしか食べられない割には食欲は普通にあったため、お米とお芋とお餅の炭水化物ダンシングオールナイトを過ごすことになり血糖値が爆上がりしたようである。

私は日頃から食後血糖値の乱高下にはかなり気を付けていてお米もお芋もお餅もあまり食べないようにしていたので、

もっとみる
スーパーマーケット文学 〜ライフは私の人生でした。〜

スーパーマーケット文学 〜ライフは私の人生でした。〜

原始、ライフは太陽であった(個人的には)(このフレーズが使ってみたかっただけ)。

今は昔、私こと綿生しあのは数年だけ東京で働いていたことがありました。東京に憧れて……というよりは、犬も歩けばブラック企業に当たる勢いで転職活動が下手だったため、出稼ぎ労働者の心持ちで上京したのであります。

そんな私が東京で一番困ったのが「馴染みのスーパーがない」問題でありました。私が関東出身であれば話も違ったので

もっとみる
アイスランドの朝焼けと、いつもの部屋の夕焼けと。

アイスランドの朝焼けと、いつもの部屋の夕焼けと。

世の中にはありとあらゆる楽しいものや綺麗なものが溢れているけど、空ほど面白いものはないと思う。ふと見上げた空の美しさにもハッとさせられるけど、「さあ空でも見るかな」と腰を据えて何十分もじっくり眺めると、これはもう何物にも変えがたい見応えがある。

雲は流れたり止まったりして姿形を変えて、太陽は少しずつ傾いていつの間にか朝は昼になり、昼は夕方になり、夕方は夜になっている。そのうち月が現れて、「今日は

もっとみる
おやつこそ人生の喜び 〜焼き菓子とほうじ茶ミルクティーの不思議な関係〜

おやつこそ人生の喜び 〜焼き菓子とほうじ茶ミルクティーの不思議な関係〜

昨日のおやつが美味しかったから今日もまた幸せでいられるし、今日のおやつが美味しかったから明日もまた幸せでいられるんだろうな。

というくらいに最近おやつが生きがいになっている。毎日それはもう単調な生活を送っているので(しかしそれを気に入ってもいる)、朝起きてから晩ごはんまでのちょうど狭間、午後4時を過ぎたくらいに食べるおやつはこれ以上ないくらいに美味しく感じる。1日の中間地点に何か一つ楽しみを設け

もっとみる
サナトリウム生活からコンテスト受賞までの1年間。 #noteでよかったこと

サナトリウム生活からコンテスト受賞までの1年間。 #noteでよかったこと

私事ではありますが、この度4月24日をもちまして無事、「外に出なくなって1年目♡記念日」を迎えることができました。「外に出なくなって」とは文字通りそのまんまで、なんとこの私、1年間、家から一歩も外に出ていないのです。そう、ただの一歩たりとも!!!!

1年も外気に触れないなんて、こんな経験なかなか出来るものではありません。

ここはサナトリウムか?隔離施設か?ジブリ映画の世界か?私は菜穂子か?もう

もっとみる
尻道楽

尻道楽

年を取ってくるとだいたい話題の中心は"シモ"の方に寄ってくる。"シモ"という大きな括りで表現すると分かりにくいが、私が語ろうとしているのは衛生面の方のシモの話である。つまり、尻のことだ。高齢者といえばシモ問題と言っても過言ではない。介護の現場ともなると、シモ問題の存在感はかなりのものであろう。人間、尻無くしては生きられないのだ。

私がもしも年相応(現在三十歳)のはつらつとした若い女性であれば、自

もっとみる
やることなさすぎNASA杉くん

やることなさすぎNASA杉くん

今に始まったことではないが、やることがない。まるでやることがなく、一個もやることがなく、「やることがない」が山のように「ある」という一見哲学的とも思える状況に陥っている。

もっとも、このように「やることがない」「つまらない」「たいくつだ」などと騒げるのは健康状態がわりと良い証拠であり、やることがないということにすらも感謝していかなければならない。

やることがなさすぎると、このように日常の記録に

もっとみる
全然役に立たない私の日常|#2 「夢」

全然役に立たない私の日常|#2 「夢」

前回の「全然役に立たない私の日常」が意外にもたくさん読んでいただけたので、これからは定期的に全然役に立たない私の日常を発信していこうと思う。

もちろん役に立つようなことは何一つ書いていないので、ここから学ぶようなことも何一つないし、全体的に中身がないので、読んだ分だけ時間が無駄になるのが特徴であるが、では書いている私は時間を無駄にしているのかというと、はっきり言ってそうである。こんなことは時間の

もっとみる
全然役に立たない私の日常|#1 「日常系note」

全然役に立たない私の日常|#1 「日常系note」

ぽこねんさんが「日常系noteって良いよね!」という記事を書いてらして、あ〜めっちゃわかる〜!私も日常系noteめっちゃ好き〜!と思った。

勝手に「日常系note同好会」してみるよ
ぽこねん(poconen)|note(ノート)
https://note.mu/poconen/n/n81e82990472c

インターネットの面白いところって、見ず知らずのふつうの人たちの日常が覗けるところにある

もっとみる