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土地の選択、家族の行方

今週末は新潟は妙高市の家族のもとへ。東京ー新潟、そして大阪ー新潟を合わせて、この二拠点生活は4年目に突入した。子育て、教育、高齢化する親の問題、土地との関係など、悩むことをあげればキリがないけど、なんとかやってます。

家族生活ってついつい他の誰かと比べてしまう。誰々ちゃんの家族はどこどこでこんな形で生活しているとか、友人の何某は最近どこどこに移住してこんな家族生活を営んでいるとか。「家族なんて、何一つ、同じ形なんて、ないのに!」。何度もそう自分たちに言い聞かせてきたけど、やはりそこは人間。ついつい気になってしまうもの。

次に家族が同居することになるのはいつだろうか。下の娘 N美が小学校にあがるのが2024年の春。その頃、上の娘 M子は小5。このタイミングが濃厚だ。僕が勤めている大学の仕事を続ける限りにおいては、「関西にて合流」が現実的な選択肢としてあがってるんだけど、かつては関西に住んでいたワタナベ(妻)としても、とは言えまた新たな土地に移動することに対して、希望もあるけど不安も大きい。M子もちょっと前までは「大阪に行く!」とやたらめったら言っていたが、最近はちょっと前ほど高めのテンションでなく、「みんなで一緒に住めるのは嬉しいけど、友達と離れるのは寂しい」と素直な気持ちをつぶやく。ひたすら天真爛漫なN美は・・・「えつ!? たこ焼き!?」と場を和ます。

それもこれも、自分のせいである。各地転々としてきて、そこに家族に無理を言って巻き込んできたわけなので。だからいい塩梅の落ち着きどころを探さねばならないのだけど、基準がいくつもありすぎて難しい。ざくっと5つのポイントを以下に。

(1)つながり
(2)教育環境
(3)利便性
(4)実家との距離感
(5)自然環境

(1)その土地に仲間がいること。平たく言えばダチがいて、なんかあったらグチを言い合えたり、ご飯を食べたり、ちょっとしたことを相談できるような。いままで住んできた大阪の福島区や、滋賀の大津市や、東京の小金井市では、そこは比較的仲の良い友人が周りにいてよかった(小金井は僕の友人は周りにいたけど、ワタナベにとってはそのネットワークに新たに入る感じだったから大変だったことは間違いない)。でも次に住むところで、また新たに一からつながりを見つけていくのは、まぁこちらもそないに若くなくなってきているので、不安はあるなぁ。

(2)ある意味で親が一番優先しそうな、一見なんの曖昧な点もなさそうなこの要素。しかし、一体何を持って「教育環境がいい」とするのか、結構モヤる。単純に勉強がスムーズにできてそのエリアの学力レベルが高いみたいなこと? ヤンキーが少なくて学校が落ち着いているみたいなこと? でも、教育のリソースっていわゆる「勉強」だけで測れるもんではもちろんないので、数値化されるランキングみたいなものに振り回されるのもなぁと思う。でも、田舎暮らしが長い娘(特にM子)に、良くも悪くもコミュニケーションのあたりが強い大阪のどローカルエリアについていけるのか? 逆にこれまで各地に住んできた立場として、「環境がいいとされる地域には、そのいいとされる理由がそのままマイナスに裏っかえるような、見えづらい課題も実はある」と思ってきたから、「住みやすいの罠」は結構あるのよ。ああ!難しい!

(3)これは、いくつかの話のレベルがあるけど、まず申し訳ないけど、僕が満員電車に長時間巻き込まれて大学行かなあかんのはできれば避けたいのと、ペードラで車乗れんし、駅まではできれば徒歩圏内であってほしいとかごちゃごちゃ言っていると、「それ、ほんまに優先順位高いんか?」とワタナベからチクリとやられる。かつ彼女は新潟生活で格段にドラテクがあがっているので、もう車でどこでもスイスイ。こうなってくると、その選択肢したエリアのなかでの話にはなるが、M子とN美の学校が近いことも重要。いまの新潟の小学校はすごく家から近くて助かってるので、M子も「学校が遠くなるのいや!」とかこっちからまだ何にも聞いてないのにめっちゃ言ってくるので、「わかったわかった、ちょっと待て!」と。

(4)現在は妙高市にあるワタナベの実家から車で5分くらいのところにアパートを借りて、いわゆる「近居」してるわけだ。僕が新潟に帰っていない毎週末はじいじばあばの実家にお邪魔させてもらって、夕食も風呂ももらって、寝泊まりもしている。3年数ヶ月前にこの生活を始めたときは同居案も出たが、「いくら家族とはいえお互い気を使うから程よい距離感で!」となってのこのスタイル。この選択は今でも間違ってなかったと思う。で、お次は、私の実家なのよ。大阪の堺市なんですけど、去年からおかんが脚を悪くして杖付き生活になったのだけど、エレベーターなしの低層集合住宅の3階に住んでいるから、結構きつくなってきた。そこで現在進行中なのが実家の引っ越し計画であり、結構、この整理(主にお金周り)に追われている。しかし、ここで親孝行せんかったらどこですんねんって感じだし、物件のアタリがついてきた。僕には姉が二人いて、長女はサンフランシスコに、次女は堺にいる。家族会議がLINEグループで開かれ、次女の家の近くのエレベーター付きのマンションに住むという最適プランがあがる。ひょっとして、どうせやったら我々も堺に住んだ方がいいの? どうなん?ってなるけど・・・。話は戻って妙高の義母にも病気が見つかったりと、高齢化とともにシビアな状況が出てきている。いろんな連立方程式が絡まり合うのだ。

(5)これに関してはいまの妙高が良すぎるのよ。こんなええとこ、ないよ。いま住んでいるアパートは、遠くに目をやれば国内有数の名峰 妙高山が拝め、かつ、目の前にはいまどき超珍しく野原(企業が持っている遊休土地)が広がっていて、自由に走り回れて最高なのです。なによりも、とってものーんびりしているし。通勤の兼ね合いとか考えると、関西でこの環境はなかなか難しい。でも、妙高は冬は豪雪なので、なかなか雪かき地獄なのだけど。

そんなことをツラツラ書いている僕は、いま黒部宇奈月温泉の新幹線の車両故障で、糸魚川に停車中の車内からなかなか出られずにいます!今日は一体、何時に大阪に帰れるのだろう・・・?!

参考;
アサダワタル『ホカツと家族 家族のカタチを探る旅』(平凡社)
https://www.heibonsha.co.jp/book/b482392.html


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