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腰痛を予防するためには

腰痛は二足直立歩行を選んだ人には避けられない宿命といっても過言ではありません。

実に84%の人が腰痛を一生のうちに経験すると言われています。

今回はこの腰痛をいかに予防していくか、その原因と対策をお伝えします。


腰痛の分類

腰痛は大きく分けて次の2つに分類されます。

特異的腰痛
非特異的腰痛

少し難しい言葉になっていますが、要するに特異的腰痛は検査によって原因が特定される腰痛、非特異的腰痛は検査では異常がなく原因がはっきりしない腰痛のことです。

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特異的腰痛とは

特異的腰痛は全体の15%と言われています。

その主な内訳は以下になります。
・椎間板ヘルニア       (4~5%)
・脊柱管狭窄症        (4~5%)
・圧迫骨折             (4%)
・感染性脊椎炎や癌の脊椎転移 (1%)
・その他内臓疾患       (1%)

特異的腰痛に関しては、外科的な治療で対応することが多いですが、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などは痛みと直接的に関わりがあるかというと疑問があるケースも非常に多いです。

ヘルニアに関しては、その9割が自然治癒すると言われていることや、腰痛の無い人のうち7割以上の人にヘルニアが見つかったとの報告もあります。


非特異的腰痛とは

いわゆる原因不明の腰痛ですが、腰痛全体の85%を占めています。
身体にかかる力学的なストレスに加えて心理的な要素も深く関わります。
すなわち、基本的な考え方としては、腰に負担のかかる力学的なストレスを明らかにすることと、心理的なストレスを緩和させることが重要となります。
痛みは脳が作っているといった話もあったりしますね。


特異的腰痛と非特異的腰痛の鑑別
~レッド・フラッグ~

レッド・フラッグとは、重篤な疾患が隠れている可能性のあるサインのことです。もしそういった疾患が見つかれば、もちろん医学的な治療が適応となります。

ただし、レッド・フラッグがあったからといって必ずしも重篤な疾患があると決まるものではないので注意が必要です。

・20歳未満または50歳以上
・時間や活動性に関係ない腰痛
・胸部痛
・がん、ステロイド治療、HIV感染の既往
・鎮痛剤を1か月以上使っても痛みが引かない
・広範囲に及ぶ神経症状
・脚の脱力感
・膀胱や消化管のコントロールができない
・肛門周囲がしびれる、感覚がない


非特異的腰痛を悪化させてしまう心理的要因
~イエロー・フラッグ~

そもそも、痛みを感じること自体は主観的な要素ですが、主観的要素だからこそ心理的な要素が腰痛の改善や予防に非常に大きく影響されます。

イエローフラッグの例ですが、次のような考え方や態度を持っていないかどうかを確認することが重要になります。

・痛みへの恐怖心や不安感があり、いつも痛みのことばかり考えてしまう
・腰痛に関して誤った診断を告げられたり、不安を煽られたことがある
・自身の腰痛が重症であると思い込んでしまう
・積極的に社会復帰しようと思えない
・長期の安静や治療を必要以上に続けてしまう
・ストレスのある仕事が続いている
・配偶者やパートナー、家族と上手くいかないことが多い


腰痛への向き合い方

基本的には、重篤な病気がない限り、不要な安静は避け、痛みがある中でもできることがある、動けることがある、自分に出来ることがあると考えることが重要です。

安静は腰痛に対しては有効な治療ではないと証明されています。

また、コルセットの必要以上の装着もお腹の筋肉を弱化させ、腰回りの安定性が少なくなるとの報告があります。

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腰痛予防・改善への方法

・痛みの増悪しない範囲で積極的に活動する
・力学的なストレスをかけないよう日頃の姿勢に注意する
・疲れを溜めないよう規則正しい生活を心掛ける
・身体を温める
 

運動に関しては、私も普段指導しているピラティス・ヨガ・ウォーキングは非常にお勧めです。

お勧めのエクササイズや、腰にストレスをかけない姿勢、身体の使い方についてはまた別の記事でシェアします。


最後までお読み頂きありがとうございました。


運動指導はこちらのスタジオで普段受けております。オンラインも対応してます。
医療資格も有しているスタッフが身体を的確に見立てて、最適なメニューを提案します。

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