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Tiny Desk Concertで見るべき11本

ウイルスの感染拡大は、音楽を体験する機会を確実に観客たちから奪った。
毎週1〜2本のライブやコンサートを見ていたため、2020年の春夏はチケットの返金手続きに追われた。
かといって、音楽を聴く時間が減ったわけではなかった。むしろ、自宅で音楽を聴く時間はずっと増えた。以前にも増して、ネットで良質な音楽に出会う方法を模索し、おもに海外の音楽サイトを見ながら情報を探り続けた。
それでも、やっぱりライブが恋しくなった。真っ先にアクセスしたのが、Tiny Desk Concertのライブ映像だった。

ライブ映像の宝庫
何事にも時代遅れの日本では、ウイルスの感染拡大をきっかけにようやっと音楽のライブ配信が本格化してきた。一転、海外へ目を向ければ、良質なライブ映像がたくさん配信されている。
高品質なライブ映像を見慣れている洋楽好きの音楽ファンにとっては、日本の音楽業界が提供するサービスは質が低くて見ていられない。だから気づけば、YouTubeでNPR(アメリカ公共ラジオ)のチャンネルにアクセスしてTiny Desk Concertのライブ映像を見てしまう。
Tiny Desk Concertとは、アメリカの公共ラジオ放送NPR(National Public Radio)によるシリーズであり、ライブ映像のネット配信において先駆的な存在でもある。ライブはNPRのオフィスの一角で収録され、ミュージシャンたちが誰かの家に招かれて即興で演奏しているような雰囲気が漂う。
このシリーズのスタートは2008年。配信されたライブ映像の数は500本を優に超える。ロック、ジャズ、ヒップホップ、クラシックをはじめ、あらゆるジャンルの音楽家たちが演奏を披露し、ライブ映像の宝庫と呼ぶにふさわしいコンテンツ群になっている。
一時期、暇さえあればTiny Desk Concertを見ていて、もしかするとすべてのライブ映像を見ているかもしれない。それほど飽きることなく見続けていられる魅力がTiny Desk Concertにはある。

ベストイレブン
500本以上もあれば、名演もたくさんある。
何度も見たくなる11本を紹介する。

Daniel Caesar

ライブではしばしば奇跡的な演奏が披露される。その場で聴いた音色はずっと胸に響き続ける。このライブ映像は、ダニエル・シーザーとHERのコラボレーションがあまりに美しい。2人のハーモニーを聴くと、何度見ても感動する。今でも繰り返し見ている一本。

Lizzo

たまに有名な日本人ミュージシャンのライブを見ると、まあこんなもんだよね、と上から目線で感想を抱いてしまう。それも仕方ない。海外のミュージシャンによる圧倒的なパフォーマンスを何度も目にしているのだから。観客を圧倒するリゾの歌唱力は、日本人では到達不可能なレベル。

Sting And Shaggy

Tiny Desk Concertの魅力は、ここでしか実現しないコラボレーションが見られるところ。スティングが自身の名曲をシャギーと一緒に歌うライブ映像は、このシリーズならではの驚きに満ちている。とりわけ、〈Englishman in New York〉〈Shape of My Heart〉の演奏がクール。

Tuxedo

タキシードがStones Throwからデビューした2015年は、思い返せばネオソウル系のサウンドが台頭し始めた年でもあった。洒脱で踊れるダンスサウンドは、メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンから始まったといっていい。このライブ映像にはそんな2人の魅力が凝縮されている。

Wale

日本ではいまだ知名度が低いけど、海外では圧倒的な人気を誇るミュージシャンたちがいる。ワレもそんな一人だろう。このライブ映像では、名曲〈Lotus Flower Bomb〉に始まり、最後まで最高にクールなラップが披露される。バックヴォーカリストやバンドのクオリティも抜群。

Superorganism

Tiny Desk Concertにはオルタナティブなバンドも多く出演していて、個人的に一番ツボったのがスーパーオーガニズム。生でライブを見たことがないけど、このライブ映像を見て、次に来日したら絶対に見たいと思った。自由でクリエイティブで枠に収まらないバンドスタイルがクール。

Thundercat

ウイルス感染が拡大する中で来日してくれた数少ないミュージシャン、サンダーキャット。ショッキングピンクのパーカーを着て6弦ベースを演奏する姿が様になるのは彼くらいだろう。ベースでこんな音色が出せるのか、と思わせてくれる〈Lava Lamp〉が特にかっこいい。

Snoh Aalegra

ギリシャ彫刻のような顔立ちでエキゾチックな雰囲気が漂うスノー・アレグラは、2010年代に現れたシャーデーだと勝手に思っている。ペルシャ人の両親によってスウェーデンで育てられ、デビュー後はプリンスから寵愛を受けた。〈I Want You Around〉がクールでおすすめ。

Moonchild

研ぎ澄まされた音楽を聴くと、こちらの感覚まで研ぎ澄まされる。ムーンチャイルドを聴くと、洗練されたサウンドにいつも感化される。仕事に集中したいとき、ムーンチャイルドをよく聴く。5月の来日公演を見れなかった代わりに、このライブ映像を何度も見ている。カッコよすぎ。

Tyler, The Creator

Tiny Desk Concertはアットホームな雰囲気が売りだけど、たまに演出に凝った回がある。タイラー・ザ・クリエイターのライブは、夜明け前の海を思わせる照明のなか演奏される。〈Boredom〉は、バックヴォーカルの美しさとタイラーのラップがいい感じにコラボされていて大好物。

Coldplay

3枚目のアルバムを出したあたりから、すっかり売れっ子バンドとして落ち着いてしまって、元々聴いていたファンが離れてしまったコールドプレイ。自分もそんな一人だったけど、このライブ映像は最高にかっこいい。プリンス〈1999〉のカバーは圧巻のクオリティで必見。

(標題画像はNPRのBrand Kitsからダウンロード)

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編集者。1982年生まれ。思いつきでたまに書きます。

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