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コンテンツ備忘録(2020年7月)

7月1日
スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている』を数年ぶりに読み返す。若い頃のソンタグは、自分が見たもの感じたものをとにかく書き留めている。筆不精で日記を書くのが苦手だけど、読んだ本、聴いた音楽、見たい映画を記録するくらいならできるかも。そう思い、自分も書いてみることにした。
7月2日
そういえば、ソンタグの恋人だった写真家のアニー・リーボヴィッツは最近どうしているだろうと思ってネットで検索したら、フィナンシャル・タイムズの翻訳記事が見つかった。
「役不足のような気がして。スーザン・ソンタグとか、そういう人のほうがおもしろいインタビューになるでしょう。彼女はすばらしく話が上手だったから」
おもむろにソンタグの名前を口に出すボヴィッツが最高にキュートだと思った。
ソンタグの本を読んでいる最中はThe Internet『Feel Good』を聴いていた。
Spotifyで『クールビューティーな100曲』と題するプレイリストを作った。
7月3日
松本大洋原作『ピンポン』のアニメをNetflixで見る。窪塚洋介が主演した実写版は原作ファンの自分も100%支持できる傑作だったけど、アニメ版はまるでつまらない。しかも、原作にない無駄なエピソードをつけて、余計につまらなくしている。
アニメ版で監督を務めた湯浅政明は、評価の高いアニメーターらしいけど、声優のキャスティングもいまいちでまったく才能を感じない。作品への造詣が浅く、安っぽい演出に終始している。とにかく見る価値なし。
不快な気分を洗い流すため、Madeleine Peyroux『Half the Perfect World』を聴く。
SpotifyでKyle Dion『Brown』というクールな曲を見つける。
7月4日
&Premium2020年8月号を買う。表紙を飾った若い頃のシャーロット・ゲンズブールが眩しい。紹介されている作品も、特集で展開されている企画も、どれもおもしろく読んだ。
ブルーノートからリリースされたTom Misch & Yussef Dayes『What Kinda Music』を聴く。最高にかっこいい。
7月5日
フェルディナント・フォン・シーラッハの傑作小説『コリーニ事件』を実写化した映画を恵比寿ガーデンシネマで見る。原作のおもしろさに負けない完成度を誇り、とりわけコリーニ役を演じたフランコ・ネロが素晴らしかった。主演のエリアス・ムバレク、助演のアレクサンドラ・マリア・ララはこの作品で役者として初めて認識したけど、2人とも名演を披露していた。アレクサンドラ・マリア・ララの出演作を調べてみると、自分が今まで見てきた映画にたくさん出ていることに気づく。改めて見直そうと思う。
帰りの電車の中でVincent Gallo『When』を聴く。
7月6日
映画館でウディ・アレン監督の新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を見る。ウディ・アレンは児童虐待疑惑で窮地に立たされているだけに、これが監督として最後の作品になるかもしれない。そう思って、記念にパンフレットも買っておいた。肝心の内容はさほど言及するまでもない。ウディ・アレンの伝統芸ともいえる、いつものラブコメディといった感じ。
同じ映画館で立て続けにジム・ジャームッシュ監督の新作『デッド・ドント・ダイ』を見る。田舎町に突如ゾンビが現れ、なんとか生き延びようとする警官をビル・マーレイ、アダム・ドライバー、クロエ・セヴィニーが演じている。ゾンビ映画といえば、こちらもビル・マーレイが出ている『ゾンビランド』が最高に笑えて楽しい。それに比べれば、ジャームッシュの作品は少々説教くさい嫌いがあるが、それなりに楽しめた。
明日は七夕だなと思って、Bill Evans『When You Wish Upon A Star』を聴く。
7月7日
Netflixでマイケル・ムーア監督『華氏119』を見る。アメリカ社会、特に政治がいかに腐敗しているか。日本も相当に腐り切っているけど、アメリカのそれは日本と比べものにならないほど酷いのではないか。日本もこのままいけば、アメリカのように腐り落ちるのではないか。そんな危機感が募った。
夜中の映画館でシルベスター・スタローン主演『ランボー ラスト・ブラッド』を見る。ランボーシリーズの最終章という位置付けだから、絶頂期のハリウッド映画を愛する者として見ないわけにいかなかった。アクション映画ではあったけど、ジョン・ランボーの複雑な心理がきちんと描かれていて、意外と緊張感のあるドラマに仕上がっていた。
インドネシアのオルタナティブシーンで活躍するColdiacというグループを知り、Spotifyで検索して聴きまくった。
7月8日
Amazonプライムビデオでジェニファー・ローレンス主演『レッド・スパロー』を購入した。ジェニファー・ローレンスが全裸で女スパイを演じているせいか、エロティックサスペンスと誤解されがちだけど、脚本、演出、美術、衣装、音楽…そのどれもが素晴らしい傑作であることが見落とされている。こんなに素晴らしい映画なのに、有名な女優が脱いでいるだけで誤解されるなんて。つくづく馬鹿馬鹿しい。
この日は、Yellow Days、JAWNY(Johnny Utah)、J.LAMOTTA SUZUMEのアルバムを聴き込んだ。
7月9日
Netflixで配信がはじまった『ジョーカー』を見る。ローレンス・シャーのカメラが捉える映像が本当に美しい映画だけど、やはりパソコンで見るとその美しさは伝わってこない。映画は映画館で見るに限る、なんて言うとSNS世代から年寄り扱いされそうだけど、やっぱりスクリーンで見る映画は格別だと気づく。主演のホアキン・フェニックスが表現している狂気も、トッド・フィリップス監督が伝えたかったであろう怨嗟も、スクリーンで見たときに比べて相当弱く感じる。Netflix作品をコンペティション部門に選ばないカンヌ国際映画祭の判断は正しいと確認する。
映画館に行こうと思い立って『ドクター・ドリトル』をIMAX上映で見る。びっくりするほど退屈な作品で、完全に失敗した。
フィリピンのDJ /プロデューサー、Pamcyの曲をラジオで聴き、クールなハウス・ミュージックに刮目する。Spotifyで音源を探し、ランダム再生で何曲もお気に入り登録。
7月10日
ロバート・A・ハインラインの小説『輪廻の蛇』を原作とする映画『プリデスティネーション』をアマプラで見る。劇場公開時、あまりにおもしろくて映画館で3回も見てしまった。ロバート・A・ハインラインといえば、宇宙人たちが性の快楽に溺れる『異星の客』という悪名高い作品のおかげで一部の文学オタクから馬鹿にされている作家だけど、『輪廻の蛇』はタイムトラベルによって引き起こされるパラドックスが最も見事に表現されたSF小説として名高い。『プリデスティネーション』はそんな傑作を映像化なんてできるのか?という疑問をよそに見事に実写化した稀有な作品。人間性の欠如ゆえに評価されない天才が行き着く果て。タイムトラベルが決して夢の発明ではないと警鐘を鳴らす展開は見もの。
この日はラジオを聴く以外で音楽をかけなかった。
7月11日
この日は珍しくSpotifyのアプリを開かず、聴き逃したJ-WAVE《CREADIO》をradikoで楽しんだ。ブックデザイナーの祖父江慎が出演していて、腹を抱えるほど笑いながら聴いた。ついでに祖父江慎のTwitterをチェックすると、こちらもかなりおもしろいことに気づいてブックマーク。松屋銀座で開催されるミッフィー展のアートディレクションを担当していると知り、普段かわいい系のコンテンツにまったく興味がないのに、祖父江慎の仕事を見に行きたくなり、ミッフィー展に行くことを検討し始めた。
ラジコでTOKYO-FM《山下達郎サンデー・ソングブック》を聴き、The Crykle『The Visit(She Was Here)』という60年代の隠れた名曲を知る。
7月12日
J-WAVE《TOKIO HOT 100》でMisterWives『SUPERBLOOM』が流れ、Spotifyでお気に入り登録する。The Langley Schools Music Project『God Only Knows』という曲をInterFM《Barakan Beat》で知る。東京らしい最高にクールな曲、lo-key design『CAREFREE』と児玉奈央『瀬戸際のマーマレード』に出会う。
夜、映画館で『もののけ姫』の再上映を見る。説得力と緊張感のある映像と物語に改めて感動する。
7月13日
昼間、打ち合わせで立ち寄った神宮前でmonkey time HARAJUKUに入ったとき、ShazamしてNaj『Vão La』という曲を知る。
仕事に身が入らなくて、翌日までにやる気を出すため、Netflixで『キングダム』のアニメを久しぶりに見る。夕方から夜にかけて、王弟反乱編の完結まで見て寝る。
7月14日
相変わらず仕事に身が入らなくてキングダムの続きを見る。初陣編から龐煖の登場まで見届け、床に入る。
Lord FinesseによるDeBarge『I Like It』のSoul Synopsis Mixをリピート再生して聴き込む。ShuraのInstagramでIvy Soleとコラボしたと知り、Spotifyで探して『elevator girl』を聴く。
7月15日
Netflixでキングダムの続きを見る。馬陽攻防編で王騎の死を見届け、山陽攻略編の序盤にかけて何時間も見てしまったため、この日は音楽を聴くことなく寝る。相変わらず仕事に身は入らない。
7月16日
キングダムの続きを4話だけ見る。廉頗四天王の一人、輪虎のキャラクターに魅力を感じる。
仕事を切り上げて、吉祥寺駅から調布飛行場まで長距離散歩に出る。帰りの電車の中で、タイのオルタナティブシーンを牽引するYENTEDの新譜『Aloof』を聴く。あまりにかっこよくて何度も聴き入ってしまう。
7月17日
なんとか仕事を終えて、新宿のブルックリンパーラーでウォッカを飲んでいたら、Solange『A Seat at the Table』がかかっていて、帰りの電車の中でSpotifyを開いて久しぶりに聴く。
帰宅してキングダムの続きを見る。信と輪虎、蒙驁と廉頗の一騎討ちを経て、秦軍の勝利を見届ける。キングダム実写版の配信がアマプラで始まっていたから、こちらもあわせて見る。実写版のキャスティングに改めて感心。河了貂を演じた橋本環奈だけは失敗だと思うが。
7月18日
WIT STUDIOが制作、古沢良太が脚本、 貞本義行がキャラクターデザインを担当したアニメ『Great Pretender』のLos Angeles Connection編をNetflixで見る。世界中を舞台に悪党のみを相手に詐欺を仕掛ける一味を描く作品。アニメに明るくない自分でも名前を知っているクリエイターたちが揃っていることもあって、さすがのクオリティとおもしろさに大満足。
この日はラジオを聴き、Spotifyのアプリは開かなかった。
7月19日
言わずと知れた吉田秋生『BANANA FISH』のアニメをNetflixで見る。漫画を読んでいたときから主人公のアッシュ・リンクスがどうも苦手で、アニメでもそれは変わらなかった。もう一人の主人公、奥村英二のもやしっぷりも気持ち悪くて、7話まで見たところで離脱してしまった。
Huron John『Why Do People Grow (Long for the Day When I Had That Flip Phone)』という不思議な雰囲気の曲を知る。シューゲイザーっぽいロックに最先端のクラブサウンドを取り合わせたような感じがかっこいい。
7月20日
エミット・ローズの訃報に接し、Spotifyで『The Emitt Rhodes Recordings(1969-1973)』を聴く。エミット・ローズといえば、ドキュメンタリー『The One Man Beatles』で話題となり、60年代、70年代では相当に珍しいマルチ・インストゥメンタル・アーティストだった。言わば、トム・ミッシュやFKJの大先輩のような存在。50年前の曲なのに、今聴いてもエミット・ローズの音楽は色あせない。合掌。
Netflixでシドニー・ポラック監督、トム・クルーズ主演『ザ・ファーム/法律事務所』を見る。小学生の頃にテレビで見て以来の鑑賞だった。なぜ急に見たかというと、ジョン・マッデン監督、ジェシカ・チャステイン主演『女神の見えざる手』で、トム・クルーズが演じた主人公の弁護士、ミッチ・マクディーアに言及するシーンがあったことを突然思い出したから。
おそらく25年ぶりくらいに見たせいか内容をまったく覚えてなくて、とても新鮮な気分で楽しめた。ジーン・トリプルホーンが主人公の妻役だったり、今では大物俳優となったデヴィッド・ストラザーンやディーン・ノリスが端役で出ていたりしていて、映画好きとしてはうれしい発見の連続だった。
7月21日
休暇で浅草の温泉宿にチェックイン。温泉に入って食事を済ませ、Lianne La Havasのニューアルバムを聴く。前作『Blood』も相当かっこよかったけど、新作もかなりクールな仕上がり。また来日してくれる日が待ち遠しい。
アマプラで『のだめカンタービレ』のアニメ版を見る。『のだめ』は漫画の連載時から好きだった作品。音楽の美しさ、大勢でひとつのものを一緒に作り上げる素晴らしさをこれほど表現できた作品をほかに知らない。と同時に『のだめ』は最高のラブコメディでもあった。漫画で読んだとき、何度腹を抱えて笑ったことか。この日は千秋とのだめがパリ留学を決めるまでを見たところで寝た。
7月22日
Netflixで『Great Pretender』のSingapore Sky編を見る。脚本もアニメーションも素晴らしい完成度を誇っていて感動。
『のだめ』の続きを見る。巴里編とフィナーレを見て、クラシック音楽の良さを久しぶりに思い出し、アンネ=ゾフィ・ムターのアルバムを聴き込む。
温泉に入って食事を済ませ、Netflixで『全裸監督』を見る。3話まで見たところで瞼が重くなり、そのまま寝た。
この日は温泉で流れているピアノの曲以外に音楽を耳にしなかった。
7月23日
Netflixで『全裸監督』の続きを見る。6話まで見たところで、夜鳴きそばを食べに行く。部屋に戻ると気分が変わり、『茄子 スーツケースの渡り鳥』を見る。夏になると必ず見たくなるアニメ作品。
続けて『Great Pretender』のSnow of London編を見る。これがまた素晴らしい出来で感動。愛と芸術の日々を送る男女の過去が、贋作で儲ける美術鑑定士を嵌める詐欺へとつながるストーリーは実に秀逸。音楽も素晴らしくて、感動を増幅する作用が働いていた。『Great Pretender』のシーズン1はこれでおしまい。早くシーズン2が見たくて仕方ない。
『全裸監督』の残り2話を見てコンプリート。こちらも早くシーズン2が見たい。
この日もほとんど音楽を聴かずに床に就く。
7月24日
もう一度がんばって『BANANA FISH』を見始めるが、やっぱり苦手意識を克服できず9話まで見てまたも離脱。
友人に薦められたアメリカのアニメ『ミッドナイト・ゴスペル』を気分転換で見始めたが、こちらは『BANANA FISH』以上につまらなくて1話目の途中で離脱。
なんとか気分を変えたくて、『ピンポン』の実写版を見る。安定のおもしろさにほっとする。
なんとなく三国志に関する作品を見たくなり、Netflixで横山光輝『三国志』が原作のアニメを見つける。キングダムのスピーディーな展開に慣れてしまったせいで、遅い展開と古臭い絵に馴染めず、開始早々に離脱。
気分を取り直すため、スペインのシンガーソングライター、Meritxell Neddermannのアルバム『In the Backyard of the Castle』を聴く。エレクトロニカやジャズをクロスオーバーするサウンドがクール。
7月25日
Netflixで『ミッション:インポッシブル3』『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を立て続けに見る。これはただの暇つぶし。
キングダムの続きを見る。河了貂の飛信隊入隊から合従軍侵攻までを見て、早くシーズン3の続きを配信してほしいと心底思う。
『Slam Dunk』のアニメを小学生以来に見る。入部編まで見たところで、アニメではインターハイ県予選までしか描かれていないことを思い出し、気分がしらけて離脱。
映画2本にアニメ20話を一気に見て疲れてしまい、音楽を聴くことなく寝る。
7月26日
フィリピンの音楽シーンで話題のLustbassというアーティストを知り、Spotifyで音源を聴きまくる。ロバート・グラスパー、FKJ、トム・ミッシュ、サンダーキャットあたりが好きなら絶対に気に入るはず。
この日は映画を見ず、Spotifyで新譜チェックする時間に当てた。
7月27日
再び休暇で浅草の同じ温泉宿にチェックイン。温泉から上がってベッドに横になったら寝てしまい、うっかり19時頃に起きる。
Netflixでノア・バームバックのデビュー作『彼女と僕のいた場所』を見る。恋人との別れから出会いまでを遡って描くラブコメディ。この作品が本当に好きで、もう見るのが何度目かわからないほど。恋が始まるときの感情をラストで見事に表現していて、何度見ても感動する。肝心の自分は恋とはとんとご無沙汰だが。
続いて『ラ・ラ・ランド』を見る。一部の映画好きからなぜか酷評されがちだけど、夢を追いかける若者の姿に共感できないなんて、きっと夢に破れた腹いせで酷評しているに違いない。と、思うことにしている。
「現実は夢を諦めたひとのものよ」
ウディ・アレン監督作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』でセレーナ・ゴメスが演じる女性はこう言い放つ。『ラ・ラ・ランド』を酷評する負け犬たちは、セレーナ・ゴメスに叱られればいい。
7月28日
前日早めに寝たおかげですっきり起きられ、昼前から散歩に出かけた。大手町駅から東銀座駅までの地下を行ったり来たりして5時間近く歩いた。帰って来た頃にはすっかり疲れ果て、温泉に入ってすぐに床に就いた。
この日は映画も見ず音楽も聴かなかった。
7月29日
今年に入って一度読んだけど、再読したくなってジャレット・コベック『くたばれインターネット』を読む。ラディカルな筆致の文体を読んで刺激を受ける。
Netflixでベネット・ミラー監督『フォックスキャッチャー』を見る。ベネット・ミラーの監督作はどれも素晴らしく、この作品も映画館で4回見たほど。映像のタッチは『カポーティ』に近く、終始不穏な雰囲気が漂うクライムサスペンスに仕上がっている。何度見ても映画としての完成度が群を抜いていると思う。スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロの演技は、3人にとってキャリア最高なのではないか。撮影監督を務めたグリーグ・フレイザーは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ティモシー・シャラメ主演の話題作『Dune』でも撮影を担当しているようだから、今から公開が楽しみ。
なんとなくジャズ映画を見たくなって、イーサン・ホークがジャズトランペッターのチェット・ベイカーを演じた『ブルーに生まれついて』をアマプラで見る。イーサン・ホークは良質な作品にたくさん出演しているけど、『ブルーに生まれついて』が一番のはまり役だと思っている。チェット・ベイカーの恋人役を演じたカルメン・イジョゴもとても美しい。
続いてNetflixで『マイルス・デイビス クールの誕生』を見る。ジャズの巨人、マイルス・デイビスの生涯がミュージシャンや友人、かつての恋人へのインタビューを交えて描かれている。ジャズ関連のドキュメンタリーは何本も見ているけど、これはかなり傑作の部類に入ると思った。
真夜中、iri『Wonderland』を聴きながら浅草を散歩した。
7月30日
『くたばれインターネット』の続きを読む。支離滅裂なのに話が回収される展開が見事で恐れ入る。
懐かしくなってNetflixで『星の王子ニューヨークへ行く』を見る。はじめて見たのはおそらく小学生低学年の頃。今見るとポリコレ的には問題が散見されるけど、それでもやっぱりおもしろい。
続いて『ゴーン・ガール』を見る。原作はギリアン・フリンによる同名小説。ギリアン・フリンは美貌の作家として知られていて、翻訳文学に興味のあるひとなら大体知っている。映画公開当時は原作を見ていなかったけど、去年初めて原作を読んでおもしろかったから、この機会に改めて見たところ、デヴィッド・フィンチャー監督の演出は見事というほかない。『ドラゴン・タトゥーの女』を見たときも、スティーグ・ラーソンの奇怪なエンタメ推理小説を見事に実写化していて驚いたけど、『ゴーン・ガール』はさらにその上を行っている。
寝る前にもう一作見たくなって、ジュゼッペ・トルナトーレ監督、ジェフリー・ラッシュ主演『鑑定士と顔のない依頼人』を見る。これも映画館で一度見ておもしろかった記憶がある。改めて見たら『Great Pretender』のSnow of London編に似た話だった。脚本を書いた古沢良太はきっとこの映画を見たに違いない。でも、盗作というわけでもない。仮に古沢良太が『鑑定士と顔のない依頼人』から着想を得ていたとしても、Snow of London編は紛れもないオリジナル作品だった。
この日は温泉に入るか読書するか映画を見るかしていて、音楽を聴く暇がなかった。
7月31日
『ゴーン・ガール』を見た後、ベン・アフレックの出演作を調べたら『アルゴ』があったことを思い出し、Netflixで久しぶりに見ることにする。偽の映画製作をでっち上げ、反米主義が吹き荒れるイランにロケハンに行くフリをして、テヘランに軟禁状態にある外交官たちを救助する実際のスパイ作戦が実写化されている。公開当時に映画館で見たときは、たしかにおもしろいとは思ったけど、さほど映画として魅力を感じなかった。改めて見ると、さすがアカデミー作品賞を獲っただけあって、よくできた映画だと思った。
ジョーン・ディディオンの同名小説を原作とするNetflix作品『マクマホン・ファイル』にもベン・アフレックが出ていたことを思い出し、共演していたアン・ハサウェイのキャットウーマン姿もついでに思い出し、久しぶりに『ダークナイト ライジング』をNetflixで見る。
この日も温泉に入るか映画を見るか食事するか寝るかして、まったく音楽を聴かなかった。

(標題イラストはタナカ基地による作品)

タナカ基地(Tanaca Kichi)
イラストレーター。1994年生まれ。セツ・モードセミナー卒業。最近はどれだけ手抜きで美味しいお弁当を作れるか研究中。初仕事は週刊朝日ムック『医学部に入る 2018』(朝日新聞出版)。
Instagram@tanaca202
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編集者。1982年生まれ。思いつきでたまに書きます。