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Concentrate on the moment.(千葉大学ラクロス部向けメンタルスキル vol.2)


"Concentrate on the moment."
「今、この瞬間に集中しなさい。」

今日のお話はコレです。「今に集中」することの大切さ。
もしかすると聞いたことある人がいるかも知れませんね。

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世の中には、controllable(コントロールできる)なことと、uncontrollable(コントロールできない)なことがあります。
コントロールできるという事は、「自分の意志で100%変えられる」ということです。
逆に、コントロールできないという事は、「自分の意志や判断/選択では変えられない」ということです。

ちょっと例に出して説明をすると、こんな感じです。
・「自分が今、どんなシュートを打つか」はコントロールできる。ゴーリーがそのシュートにどう反応するかは、コントロールできない。

・明日雨が降るかどうかは、コントロールできない。今、明日雨が降った時の対策を考えるかどうかは、コントロールできる。

・今、筋トレをするかしないかは、コントロールできる。

・明日の自分がシュー練をするかどうかは、現時点ではコントロールできない。

・昨日まで、まじめに練習をしなかったことはコントロールできない(過去は変わらない)。明日から、気合い入れて練習をするかどうかも、現時点ではコントロールできない(未来の自分は制御できない)。今、本気で練習するかどうかは、コントロールできる。


つまり、自分の意志で100%決められるものは、
「今この時点の、自分自身の意志と行動」のみ、なのです。
過去も未来も、他者も、自分の意志ではコントロールできません。

ちなみに「結果」も未来であり、他者です。
どういうシュートを打つかはコントロールできますが、それが入るかどうかはコントロールできません。
どんなプレイをするかはコントロールできますが、試合に勝つかどうかはコントロールできません。

「試合に勝つ」という結果を得るためにあなたができることは、ひたすら「今」を積み重ねることだけです。

このことは、スポーツをする上で、非常に重要な「事実」です。

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過去も未来も自分の意志ではコントロールできない、ということをもう少し掘り下げていきます。

例えば、過去の失敗に捉われるということがあります。
・去年の大事な試合でチェックアップミスをして1点取られた。そのせいでその試合に負けた。
 →今回も失敗するんじゃないかと心配でパフォーマンスが下がる。
・試合でシュートを立て続けにセーブされて、ブレイクを食らった。
 →次も入らない気がして、シュートの精度とスピードが下がる。

また、未来の成功や失敗のイメージに捉われる、ということもあります。
・シュートを決めた後の事が頭をちらついて、キャッチミスする。
・外したらどうしようという不安がよぎり、ゴーリー1on1のシュートが枠外に行く。


さて、「過去の失敗と今のパフォーマンス」には、本当に因果関係ってあるんでしょうか?
答えは「NO」です。
「過去に失敗した」ことが原因になって「今回も失敗する」なんてことは、ありえません。
今回失敗するのは、ただ単に下手だからです。良いパフォーマンスを出せなかったからです。

では、「未来のイメージと今のパフォーマンス」には、因果関係はあるんでしょうか?
具体的に言うと、結果をイメージしながらプレイすると、パフォーマンスに影響するんでしょうか?
この問いに答えるのは若干難しいですが、高レベルのアスリートにとってみると、Noでしょう。

成功のイメージを持ってプレイすること自体は、パフォーマンスを向上させません。
成功は結果です。つまり、"未来の出来事"もしくは"他者"なので、コントロールできません。

パフォーマンスを向上させるのは、
「今、自分の体の動きをどれだけ正しく、早く動かすか。」ということだけです。

(※「相手の動きを読み、想像する」というような行為はパフォーマンス向上に役立ちます。それはコントロールできます。相手がその通りに動くかどうかはコントロールできませんが。)

これについては、ちょっと説明も理解するのも難しいので、例を出してみます。
ちょっと前のラグビーWCでの五郎丸選手の「ルーティン」がまさにコレです。
https://www.youtube.com/watch?v=OjlMSDcDYaQ

これは、"成功のイメージ"や"過去の失敗のイメージ"から自分の意識を切り離して、
ただひたすら「どれだけ自分のけり足を、イメージ通りに正確に動かすか」ということに集中させるための儀式です。

実際、彼はインパクトの瞬間にゴールを見ていないし(こっちは純粋にそっちのほうがパフォーマンスあがるから、という可能性もあります)、蹴ったボールがゴールに入ったかどうかも確認しません。
そのくらい「今この瞬間のパフォーマンスに集中すること」を大事にしています。


さっき、「高レベルのアスリートにとっては、NO」という表現をしました。
低レベルのアスリート=準備不足のアスリートは、どういうシチュエーションで自分の体をどう動かすべきか、ということを詳細には知りません。だから低レベルなわけです。
そういう人にとっては、毎回成功のイメージから逆算して「こんな感じだ!」っていう体の動かし方をした方が、結果として成功確率が上がる場合があります。

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これを応用すると、どうなるか。

「プレッシャーに負けた」とか「プレッシャーに打ち勝った」みたいな表現がありますが、
スポーツの世界で、「プレッシャーを乗り越える」のはあまり得策ではありません。

オリンピック、ゴルフ、決勝、最後の1打。
これを決めるか決めないかで、金メダルかどうかが決まる。取れなかったら、国に帰ったときにひどい目にあわされるかも。。。

そんな途方もないプレッシャーをわざわざ「乗り越える」必要は、実はないのです。
(中には、真っ向から受け止めて乗り越える素晴らしい精神力を持っている選手もいます。)

どんなプレッシャーがあろうが、どんな結果が待っていようが、
「それとは関係なく」自分の意識を切り離して、自分の体を思い通りに動かすことだけに集中する。
それ以外の要素を、自分の意識から全てシャットアウトする。

これが、プレッシャーとのうまい付き合い方であり、パフォーマンスを高める方法です。

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ここまでは、「過去」と「今」と「未来」の話を掘り下げてきました。
次は、「自分」と「他者」の話を掘り下げます。

他者とは、ここでは「自分以外」という意味で使っています。
例えば、他人(仲間、相手どちらも)、環境、スポーツ用具のことです。

他者は、あなたの意識ではコントロールできません。
コントロールできないものにとらわれて、今の自分のパフォーマンスが下がるのは、非常に意味のない事です。

でも、我々は、他者の影響を受けてしまうんですよね。
我々の「こころ」が、他者と自分を勝手につなげてしまうんです。

例えば、雨の日の練習。
「寒いし、体も荷物も濡れるし、クロスは痛むし。本当に嫌やーテンション上がらんわ。うわ、また雨強くなってきた(鬱」
ってなってパフォーマンスが上がらない経験あるでしょ。これってスーパーもったいない事なのです。

まず、その日雨が降っているのは、変えようのない事実で、どうにもコントロールできません。
もちろん、強く念じたら雨が上がってくれる、なんてことはありません。
雨の日に試合をすることもあるんだから、むしろその練習になってよいよね。
しかも、その日は、大体関東全域が雨なはずなので、どのチームも同じ条件なはず。他がさぼってる間に、いい練習しよう。

つまり、「雨が降っているかどうかとは全く関係なく」最高の練習にするためにパフォーマンスを上げる、
って言うのが、どう考えても一番正しくて、価値のあることなのです。

でも、僕らは、雨の日にテンションが下げてしまう。


もう一つの例。練習にて。
練習の雰囲気がなんとなく良くなくて、いまいち自分も乗り切れないっていうこと、ありますよね。
でも、よく考えてみてください。
あなたは、今の練習の雰囲気がどうだろうと、そのことには一切強制されずに、自分の意志で、テンションを上げてパフォーマンスを高めることができるはずですよね?だって、それはあなたの問題だから。

でも、僕らは、周囲の雰囲気の影響を受けてしまうんです。


最後の例。試合の審判。
この審判、ミスジャッジ多いなぁ。今のスラッシングだろ!!
ってか、今日の試合審判マジくそだわー、これじゃまともな試合にならん。
って言って、パフォーマンスが下がる。よくある話です。

そろそろ分かってきましたね。これも同じです。
審判は他者です。コントロールできません。しかも、その判断は絶対です。覆りません。文句を言ってアンスポ取られたり、パフォーマンスを下げたりするのは、愚の骨頂です。

でも、以下略。

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なんでこんなことになるんでしょうか。
原因は、我々の「こころ」にあります。

人間は、基本的に弱くて、責任取りたくなくて、特にうまくいかなさそうなときは、誰かのせいにしたい、そんな生き物です。
自分の行動の責任を他者のせいにしたいのです。

スポーツで結果を出すには、その特性に「抗う」必要があります。

スポーツで成長するには、「今」を積み重ねるしかありません。
過去にも、未来にも、他者にも影響を受けずに、すべての責任を自分で負って、「今」を積み重ねるしかありません。

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そろそろいったんまとめます。

①コントロールできることとできないことを、しっかり分けて把握すること

②コントロールできないものを切り離して、コントロールできるものに集中すること

③コントロールできるものについては、確実にコントロールすること

④コントロールできるものを、他者にゆだねないこと

これがスポーツ選手として成長するために必要な、「今に集中する」ということです。
(というか、人間の成長全部がコレですよね。例えば、コーチも一緒です。)


この4つのことは、言い換えると「思考のクセを矯正する」ということです。
日常生活のいろんなところで、こういうことを意識してください。自分の思考のクセが分かって来るはずです。
また、お互いに思考のクセを指摘し合える関係に、早くなって下さい。、
簡単です、明日からいえばいいんです。お前のこういう考え方イケてないよ、って。

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さて、ここから先は「他者との付き合い方」の話をちょっとだけ。

他者はコントロールできません。他者に対して今できることは、

1) 他者に対して準備をすること
2) 他者を味方につけること

この2つです。

1つ目。他者に対して準備をすること。
他者がどうするかはコントロールできません。でも、他者がどう来ても対応できるように、今準備しておくことはできます。

例えば、試合のスカウティング。雨が降った時を想定しての準備。主力がけがで抜けたときのプラン。シチュエーション別のゲームプラン。それを実行できるだけのクロスワークをつける。1on1練習する。クロスやラクロス用具の手入れを万全にする。サブクロスを完璧に持っておく。

この「準備を徹底すること」が、ラクロスで試合に勝つためにする努力の全て、です。
(試合では、準備したことしか発揮できません。この話はまた別の機会にします。)


2つ目。他者を味方につけること。
他者はコントロールできませんが、自分の味方になってもらったり、自分にとって有利な存在になってもらうことはできます。
一番味方になってくれると頼もしい他者は、チームメイトです。審判を味方につけることも可能です。また、環境を味方につけることもできることがあります。さっき言ったみたいに、「雨が降った時の練習をめっちゃする」とか。
この辺りも、また次の機会に。

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