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誠実を基本にする~マルクス・アウレリウス~

『「率直に話すつもりだ」と言う人は、なんと腐った嘘つきだろう。
友よ、どういうつもりなのか?
わざわざ口に出さずとも、見ればわかる。
君の額に書かれ、声色に表れ、眼の光に移っているのだ。
愛しあう二人が相手のまなざしひとつですべてわかってしまうように。
本当にそっちゅおくな人というのは、
においの強い山羊のようであり、一緒の部屋にいればすぐにわかる者だ。』
~マルクス・アウレリウス『自省録』~

アヴァロンは74インチの高みから深い声で言った。
「以前から思っていることなのだが、
前置きを付ければいいと思っている輩が多い。
『お疲れ様です』『大変心苦しいのですが』『申し上げにくいのですが』
付ける必要がある場合は付ければいいのだが、
思考停止して付けとけばいいと考えている者がなんと多いことが。
私は別に効率至上主義というわけではない。
ただ、思考停止することは悪徳だよ。
ハンナ・アレントの『エルサレムのアイヒマン』でも書かれているのだ。」

ドレイクは煙草の煙を透かしてアヴァロンに重ねた。
「『誠実な人』と『頼みやすい人』は違うのだよ。
誠実な人というのは、相手のことを考えて、そのうえで自分の時間や
工数を見て、代替案や要否のアドバイスができる人さ。
頼みやすい人と言うのは、自分の外聞のみを考えた結果、
断ると言う自分の権利を放棄した人のことを言うのさ。」

トランブルは言った。
「この言葉の裏を読むとね、
オオカミ少年は大きなインパクトを起こすことができないと言うことさ。
ギャップだよ、大きなインパクトを与えるにはね。
ポーカーではぐっとこらえておいて、
勝負するときに大きく出るのが秘訣さ。」

「生き方の問題さ。
自分の利得、つまり目先の快楽をベースにするか、
誠実に生きると言う、高級な快楽をベースにするか。」
ルーピンは締めくくった。

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