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コロナ禍に光り輝くAsian Solidarity

こんにちは。博報堂グループでスタートアップスタジオを運営しているquantumの渡辺です。コロナショックが変えてゆく社会のNew Normalのトレンドについて日々思いついたことをつらつらと書いていこうと思います。

コロナウイルスによる自粛が始まって、早数か月。人々の生活も次第に新しい生活様式へと移行し始めています。

現時点でまだ自粛期間は終わっていませんが、感染者の減少傾向を見るに、もう少しで自粛ムードも落ち着き、徐々にそれまでの生活を取り戻していくことでしょう。他方で、今回を契機に、自粛期間前には戻らないもの、新しく生まれ変わるものが出てきています。

現状3密指定されている居酒屋やレストランなどの外食産業は、なかなか自粛期間前には戻らないでしょうし、満員電車に乗られて大勢で集まるようなオフィスワークもまたなかなか自粛期間前には戻るのは難しいでしょう。

今回の自粛期間は感染者が出なくても、今年の冬や来年にまた感染が流行し、自社のオフィスで感染者が出ようものなら、オフィス全体を閉鎖しなければならなくなるため、これまでオンプレ環境でオフィスに出社しないとデータにアクセスできなかったような企業も、リモート化に向けて一層クラウド化を推し進めるように思います。


一層進むニアショア・オフショア

リモートワークが進むと、東京に住んでいる理由も減っていくので、東京一極集中が緩和されていくだろうというような意見が多くみられます。

ビジネスミーティングも3密になりやすいので、オフィスに取引先が訪問することも減っていくでしょうし、そうなれば東京の一等地にオフィスを構える必要もありません。

人に直接会うことが難しくなるのであれば、街の価値の大部分が機能不全を起こすので、わざわざ都心の住宅街にすむ必要も減っていくでしょう。

満員電車に乗る必要もなく、都心の狭い住宅空間から解放され、郊外で自然とともに悠々自適に暮らす。そんな豊かな生活への移行が期待される一方で、リモートワークの定常化とともに起こりうる変化としてニアショア・オフショアの増加が予想されます。

企業の販管費である会社員の給与は、能力や成果によって決まる部分もありますが、その仕事が行われている地域の相場によって決まる部分が多くを占めています。同じような仕事にたずさわっていても大阪、福岡に比べ東京のほうが高い給与が支払われます。

近くにいることで提供できた付加価値がリモートワークの普及により提供できなくなり、物理的な接点・距離に依存しない成果で評価されるようになると、これまでコミュニケーションや情報共有のしやすさや即時性の観点で劣後していたニアショアやオフショアの重要性はますます挙がっていくでしょう。


気づき始めた隣国のmaturity

オリンピックに向けてまさに国民一丸となって国内マーケットに目を向けてきたここ数年間の間に、僕たちの隣国であるアジア諸国は急速な進展を遂げてきました。一昔前の東南アジアのイメージは一変し、経済も文化も急速に成長・発展しています。

このコロナ禍においてもポジティブなニュースは欧米ではなくアジア諸国から生まれています。

礼拝儀式において感染が広がったキリスト教圏やイスラム圏の国は別として、タイやベトナム、韓国、台湾、香港など一時は広まりつつあったコロナの抑え込みに成功し、徐々に日常を取り戻しつつあります。

もともとの生活様式や、集団主義的な価値観が影響してかどうかはわかりませんが、他の国々と比較してもコロナ対策において大きくリードしている様子がうかがえます。

特に韓国においては、今回のコロナ禍において最も高く評価を受けているように思います。コロナ対策のお手本として、ドライブスルー検査による大規模な検疫や、ロックダウンによらない抑え込みの成功など、他の国々の手本として様々な国でその取り組みが評価されています。

先日のコロナ制限緩和後に発生したクラスター感染も早期に特定し、迅速な対応は今後も他国から参考にされると思います。

また、今回別の意味でも韓国に対する名を上げているのが韓国ドラマです。

NETFLIXで放送された梨泰院クラスと愛の不時着は日本でのランキング1、2位を独占しています。

私もGW中は愛の不時着と梨泰院クラスをまさに一気見してしまいました(笑)。韓国のエンターテイメントはK-popだけでなく、K-beauty、K-fashionへと広がり、かつて日本でも接見した韓国ドラマ人気は、今やK-dramaとして日本だけでなく世界で広がっています。

早期にコロナ禍から回復しつつある東南アジア諸国は、強権的な封じ込めでコロナを乗り越えた中国に加え、韓国のように独自の文化的な強みも内包しながらこれまで以上に優位にビジネスを進められるでしょうし、逆にこれまで覇権を握ってきた欧米諸国は大きな痛手に苦しむでしょう。

現時点で日本がどちら側に立てるかはまだわかりませんが、現時点で感染爆発がみられていないことを考えるとアジア諸国とともにコロナウイルスのほとんど存在しないグリーンゾーン経済圏を築ける可能性は大きいと思います。


そして連帯するアジアの時代へ

グリーンゾーン経済圏の中心となったアジアにおいて覇権を握るのは中国か、韓国か、日本か。。。これまでと同じように、各国が争う経済戦争の中心になってしまうのでしょうか。

僕は、かつてのように大国が全てを牛耳るような未来にはならないと思っています。もちろんアジアには色々な歴史的な傷、宗教観の違い、隣国との軋轢等複雑なパワーバランスが存在しています。ASEANもひとまとまりではありません。

また、日本がかつて経験したような高度経済成長、中国の爆買いのように市民の強烈な消費意欲が無計画に続くようにも思いません。アジアの若者はYoutubeやNetflixで人類が抱えている多くの問題をすでに知っています。現にアジアの各国で、サステナビリティを目指している多くのスタートアップが生まれています。

一方、今回のコロナで部分的にでもロックダウンや自粛を数ヶ月行い、同じ苦しみ、同じ辛さを経験した共通体験はこれまで以上に世界の人々の精神的距離を縮めることになると思います。StayHomeで増えたYoutube、Netflixの視聴時間は、課題意識だけでなく他国の文化や習慣をより一層身近にし、こちらもまた、これまで疎遠だった世界の理解を深めるでしょう。

今後も、懸念されるコロナを防ぐために検疫などで物理的な距離はオフラインのインタラクションを遠ざけるけれど、逆に縮まった精神的な距離がオンラインのインタラクションをこれまで以上に増やすことになるでしょう。

特に同じ問題意識を感じている人々は、国の垣根を超えてより一層つながり強く連帯し、トヨタの決算発表で豊田社長が語ったような「志を同じくする仲間」として世の中の役に立つための事業や取組を一層加速させて行くことになると思っています。

その意味ではアジアのグリーンゾーン経済圏の中で、リモートによって繋がったクロスボーダースタートアップがたくさん生まれて行くことになると思います。ヘッドクォーターのある国がメインの社員だったこれまでのスタートアップとは違い、オンラインで繋がるバーチャルなスタートアップ。

ヘッドクォーターの会社登記は香港に、社員の多くはベトナム・インドネシア・韓国に、マーケットは日本とオーストラリアに。そんなスタートアップが普通になって行くようになると思います。

またそのようなスタートアップを支える多くの企業もクロスボーダーになるでしょう。我々のようなスタートアップスタジオも例外ではありませんし、そのようなクロスボーダーの組織に必要なツールもますます増えて行くでしょう。

我々もおつきあいのあるグッドパッチさんはいち早くそのような世界を体現していて、フルリモートで駆動するデザインチームや、それを実現するツールを提供しています。

このように仕事を遂行するための組織・ツールは様々な業態で生まれて行くのはもちろんのこと、そのような組織を組織として成り立たせるSaaS、既存の企業をクロスボーダー型組織へと変革するサービスなども生まれて行くでしょう。我々も、このような変化の潮流に合わせながら新たなビジネスを生み出していきます。

長くなりましたが、NEW NORMAL TRENDとして我々が属するアジアマーケットにに起こる潮流を考えてみました。quantumは世の中を明るく、人々の生活を豊かにする製品・サービス・事業を次々と生み出している会社です。

このように次のミライを見据えながらこれからも様々な事業・取り組みを世の中に発信していきますので、もしよければ一緒にチャレンジしましょう!



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