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自分の今までのノートのとり方をまとめてみた

あなたは普段、どのようにノートを書いているだろうか。

このように尋ねた場合、一様に同じ答えはあまり期待できないだろう。

アナログorデジタルの二択であれば、ある程度同じような答えが出るかもしれないが、これでは答えとして情報量が足りない。
アナログでも紙ノートだけでなく、例えば情報カードを用いたり、ホワイトボードを用いたりする場合もあるし、デジタルでもどの媒体を使っていて、どんなアプリでノートを取っているのか、というのはさまざまな選択肢がある。また、アナログとデジタル両方を時と場合に応じて使い分けている人もいるだろう。

以上を踏まえた場合、全く同じようなやり方でノートをとっている人はなかなかいないのではないか。

つまり何がいいたいかというと、ノートのとり方は人によって千差万別であるということである。


ここで自分を振り返ってみる。
今年の4月で大学4年生になる自分だが、未だにノートのとり方に関しては「これできまり!」というものが見つかっていない。2018年内だけで何回かノートのとり方は変えていて、「どういうノートのとり方が一番しっくりくるだろう」というのを常に模索していた。

本記事では2018年における自分のノートのとり方を振り返って、それぞれのノートの何が良くて何がダメだったかをまとめたい。最後に、2019年からのノートのとり方構想についても述べたいと思う。
自分同様にノートのとり方に関して「なんかしっくりこない」と感じている人たちへの参考や、他の人がどういう風なノートをとっているのか気になっている人たちの興味を引く内容となれば幸いである。


2017年末~2018年3月頃 「紙ノート」


大学2年次の後期の時期は、ずっと紙ノートに授業メモや読書メモを書いていた。

ツイッターで高評価だったMARGINのノート(リンクは上記)を買ってみて、「これは良い!」とすっかりハマり、それからこのノートになんでも書いていた。

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↑実際のノート。イノベーションに関するメモ。

このMARGINノートのえらい点は、ページの左真ん中あたりに、強調された縦線が引かれていることである。この線を区切りに、見出しや、ノートの日付や、授業・書籍名など、「ノート本文」以外の情報をわかりやすく提示できるのである。

ただ、このMARGINノートは一冊使い切ったところで使うのを止め、新しく購入はしなかった。
理由としては、大きく2つあった。一つ目は、1冊のノートにすべてを集約してしまった結果、情報の検索が難しくなってしまったこと。二つ目は、すべてを手書きで文字起こしするのが面倒になってしまったことである。特に、専門用語の定義をいちいち手で書かなければならなかったことがストレスであった。デジタルなノートだったらコピペですぐ終わるところで、余計な時間を食うのが惜しかった。


2018年4月 ~ 7月頃 「iPad×GoodNotes」 


以前、「手書きノートとしてのiPad」が肌に合わなかった話をnoteに投稿したが、2018年の4月から7月頃にかけてはバリバリ手書きノートとしてiPadを活用していた。特に「GoodNotes」に関しては、これを使いたいがためにiPadを買ったと言っても言い過ぎではないぐらいに目をかけていたノートアプリであったため、このアプリでノートがとれる楽しさを噛み締めながら使っていた。

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↑実際のノート。「気象情報論」という授業のメモ。

このノートのスクリーンショットから分かると思うが、このアプリは特に授業メモで光輝く。
流れとして、まず授業のレジュメをカメラで撮影して、その画像をGoodNotesのノートに貼る。作業としては簡潔だが、これでレジュメを電子化しつつ、その電子化されたレジュメに直接ノートをとるという恐ろしいことができてしまう。効率化の極みである。

また、PDFファイルをそのままGoodNotesで開くことができるので、Google Scholar等で入手した論文のPDFファイルに直接マーカーや書き込みを入れることもできる。論文をひたすら読む大学生にとって、これがどれだけ心強い機能なことか。

ちなみに、先程の紙ノートを諦めた理由の一つに「手書きが面倒」と書いておきながら、このiPad上で行うノートのとり方も手書きである。支離滅裂な思考をしているように見えるが、GoodNotesはテキストボックスが挿入可能な上、iPadのWeb上でコピーしたテキストはそのままGoodNotesにペースト可能なため、必ずしも手書きに依存することはない。

また、画像によって手書きを補うことも可能である。例えばこんな感じ。

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これはkindleでオゾンに関する解説がされているページをスクリーンショットで保存し、ほしい部分だけを切り抜いて、GoodNotesにペーストした例である。このように、手書きもできる上に、画像等を駆使して情報量の多いノートを作れるのが、GoodNotesの強みである。


ここまで良い点を挙げまくったが、結局このiPadノートも、夏の終わりとともにノートのとり方の主役から外した。一応今もつかってはいるが、メインではない。

理由は以下の通り。

1. 紙に対する手書きのときにはあるはずの摩擦が感じられないことによる違和感
2. ノートが完全な階層構造で、整理がしやすい分、なかなか復習しづらい、というか、復習する気が起きなくなる

1.に関しては以前noteで述べた。(→「手書きノートとしてのiPad」リンク前述)
2.に関して、例えば、さっき例に挙げた「気象情報論」という授業のノートの場合。このノートのスクリーンショットは、マスターカテゴリ「3年第1ターム」の中の、カテゴリ「気象情報論」の中にある「第6回」というタイトルのノートのp. 4を参照している。

ところで、こんなにカテゴリを奥深くまで進めないとたどりつけないノートを、授業以外で見る機会が果たして何回あるだろうか…?
そんなに多くはないことは想像できるだろう。

カテゴリの階層化は、ノートの所在をわかりやすくするために欠かせないが、それはかえってノートにアクセスする機会を減らしてしまう可能性がある。カテゴリ以外でノートを整理できないGoodNotesのようなアプリなら尚更である。


2018年10月~11月頃 「Dynalist」

夏休みが終わって、iPadでノートとるのも飽きてきて、「なにかいいノートをとるためのツールはないものか」とネットや電子書籍を漁っていたところでこれを見つけた。いわゆるアウトライナーである。ちなみにアウトライナーとは、「アウトラインを利用して文章を書いたり、考えたりするためのソフト」である。

アウトライナーの活用法はこちらの書籍を参考にさせていただいた。


ネットで読める一般的なアウトライナー活用法に関しては、既に多くの方がブログ等で載せているため、気になるかたは一読をオススメする。


そして自分が一時期使っていた「Dynalist」は、Windowsに対応しているアウトライナーの一つである。無料で無制限がウリである。

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↑実際の使用例。ゼミ発表時に使用。

主な用途は授業メモ、読書メモ、ゼミ発表、日記であった。

包括的な感想として、アウトライナーでノートを作成すると、もちろんアウトラインに沿ってノートが書かれるので、自然と見やすくなるし、なにより全体を捉えやすいため、授業内、あるいは読書中「今、授業(本)全体の内、どこの部分を学んでいるのか?」がはっきりしやすい。この視点ができると、授業を受けながら、あるいは本を読みながら、マクロな視点で全体を見通すことができる。
ことばで書くとどうも胡散臭いので、これは実際にアウトライナーでノートをとって体感してみてほしい。

また、上述したTak.氏の著作の中で、アウトライナーを使う基本としては、とりあえずメモでもなんでも未整理なものを未整理のまま段落毎に書いてしまって、あとからアウトラインとして整理していく、というようなやり方を推奨していた。これが自分の中でハマった。

従来アウトラインというのは、形だけみればトップダウン式に見られがちだが、Tak.氏のやり方を真似ると、アウトラインがボトムアップ式からもできることが体感できる。この未整理なものから、なにかで括ってアウトラインを作っていく構造に慣れることで、物事を抽象化する力が身につく、と思う。
抽象化が大事っていうのはどっかの社長さんも言ってた(らしい)ので、単純なメモソフトとしてだけでなく、抽象化のトレーニングとしてもアウトライナーはおすすめできるだろう。


「Dynalist」の感想というよりはほぼアウトライナーというツールの感想になった。しかもアウトライナーの感想に関してはかなりフワフワしたものになってしまったと思うが、これは、アウトライナーの真髄は、結果として出来上がった文章ではなく、文章が出来上がるまでの過程に顕れるものであり、その過程の楽しさや面白さが、割と抽象的であることを反映した結果だと思う。


良いところはフワフワしているが、悪いところははっきりしている。
まず、他のソフトへの文章のコピペが絶望的である。特にword。
Dynalistで作成したアウトライン構造の文章をwordにエクスポートする場合、たいてい二択を迫られる。それは、文章をきれいにペーストする代わりに階層構造を捨てるか、階層構造を維持する代わりに文章の見やすさを捨てるかである。これが一番ダメ。
あと次点で画像が挿入しにくい。

以上の理由から、2ヶ月弱で自分のDynalistブームは過ぎた。


2019年11月~「Scrapbox」

大学の授業内で使う機会があり、その後継続的に利用しているのがこのScrapboxである。
https://scrapbox.io/?lang=ja

Scrapboxには多様な使い方があるが、自分は専門用語を始めとした「分からない単語」を分野問わずこの箱に入れる、という方針で運用している。授業中や読書中に専門用語が出てきたら、とりあえずこの中に入れておく。

なぜこのような活用法をとっているのか。

「分からない単語」を調べた際、その意味の中にまた「分からない単語」が出てくることは多いと思う。

例えば「教育勅語」を調べてみて、「天皇制国家の思想、教育の基本理念を示した勅語」と出てきて「教育勅語」の意味はつかめた。でも「天皇制」ってそもそもなんだろう、象徴天皇とそれ以外でどう違うんだろう…
こうした問いの連鎖に、Scrapboxは非常に良く対応してくれるのである。

Scrapboxは、Wikipediaのように、言葉単位でリンクを貼ることができるため、こうした「つながり」を他のノート以上に作れるかつ可視化できる。
これがScrapboxの最大の長所だと思う。これを活かすために、上述した活用法をとっている。


Scrapboxの利用に関してはまだ試行段階であるため、まだはっきりと評価はできないが、自分の学部で求められる、「分野の越境」は非常に期待できる。

しかし、Scrapboxは現状、iPhoneやiPadだと非常に編集しづらいため、ノートとして活用するにはアクセスが悪い。あくまで、用語の意味のストックに用途は限っている。


2019年~「Evernote×Scrapbox×紙ノート」

ここまでノートのとり方が変遷した上で、今年から自分が新たにやろうと思っているのは、まさかの王道ノートアプリ、Evernoteである。

Evernoteの評価したい点は、webページをなんでもキャプチャーできる「Evernote Web クリッパー」と、手書きや表作成、書類スキャンなどなどなんでもOKという、汎用性が高すぎるノート機能である。

ただ、Evernoteだけを使うのではない。EvernoteとScrapboxと紙ノート、3つを組み合わせてノートをとろうと考案中である。

今までの自分がノートのとり方で失敗してきたのは、おそらく1個使うノートを決めたら、全てそれでなんとかしようとしてきたからだと思う。

過去にそれでEvernoteは失敗した。授業ノート、読書メモ、日記、todoリスト、目標設定などの役割を期待してevernoteを活用していた時期があったが、最終的にノイズが大きくなりすぎて整理がつかなくなり、挫折した。

昨年を振り返ってみても、その傾向は見て取れる。
情報収集・蓄積のツールの一元化によって、そのツール自体へのアクセスはしやすくなるが、それが情報自体へのアクセスをしやすくするとは限らない。そして重要なのは、大抵の場合、情報自体であってツールではない。

そこで、とりたいノートの種類によってノートそのものも分けることにした。
Webからの情報・記事や授業・読書メモはEvernoteに、
日常のひらめきは紙ノートに、
用語の意味のストックはScrapboxに、
これから分けていこうと構想中である。

そして、そこから得られたものを、例えばnoteに投稿するなどして、アウトプットしていければ尚良いなと思う。



長くなったが、本記事がノートのとり方の参考になれば嬉しい限りである。



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