見出し画像

堤人形/赤芥子(あかけし/宮城県・仙台市)_20190129

仙台の堤人形、岩手の花巻人形、山形の相良人形は東北の三大土人形と呼ばれ、特に堤人形は花巻人形や相良人形、また福島の三春張子人形それぞれに大きな影響を与えていると言われ、東北地方の郷土玩具の源流のような位置にあります。

土人形の作業工程はこちら。美しい。。

堤人形がつくられた堤町(現・仙台市青葉区堤町)は、藩政時代、仙台から盛岡方面へ通じる陸羽街道の要衝で、北の守りとして足軽屋敷があったそうです。

これらの下級武士たちは生活補助のため、付近でとれる良質な陶土を利用し、冬期でも家内作業のできる陶業に従事したそうです。さらにその副業として人形づくりを始めたのが由来だそうです。

江戸の今戸焼きの技法を通じて、京都の伏見人形の影響を受けたり、浮世絵のモチーフを用いて立体化したりなど、様々な種類があります。

堤人形と呼ばれだしたの昭和期からで、古くは松山焼き、または仙台焼きと呼ばれていたそうです。

今回つくった堤人形の張子は、「赤芥子」と呼ばれる幼い子供の男女一対のものです。これは古くから"便所の神様"と言われています。

便所の隅に棚を作り二体を祀り、便所の守神とす、或は縁談、出産を祈願し、念願叶ふ時は新しき一体を添えて返納する。又友引の葬式には棺中に此れを入れ友引をさくるに用ふ
『玩具と縁起』(佐藤潔/1935年刊)

地方によってご利益の内容が微妙に違うのですが、良縁や子授けの祈願、子どもの葬式に棺に入れて新たな死者を招かないように祈ったりと様々なご利益を求めたようです。

かつては町ぐるみで生産されていた堤人形ですが、現在、伝統の型を受け継ぐのは市内では、上のリンクで紹介されている芳賀堤人形製作所と、つつみのおひなやっこやの2軒のみだそうです。

土人形の西の横綱、京都の伏見人形と並び、土人形の東の横綱である仙台の堤人形。いつか仙台に行って入手したい逸品です。

張子制作に使う粘土や和紙や糊やジェッソや絵の具や筆や竹串やなんやかんやを買いたいのでサポートしてください!!