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横向き虎(茨城県・ひたちなか市)_20190205

首振り構造はムズたのしい

首を振る郷土玩具と言えば、福島県会津若松の「赤べこ」が有名ですが、「三春駒」をつくったので初の首振りモノは、今回の「横向き虎」ではじめてつくりました。

頭部、胴体、尻尾とパーツが多いのと、なんといっても糸で頭部を吊って首を振らせる構造が難しくて、つくっていてとても面白かったです。

これは頭部が重いのと、胴体の穴部分が少し小さくなってしまい、きれいな首振りはできませんでしたが、こういった郷土玩具をあと数点つくれば満足いくものがつくれる気がします。

漁師町で生まれた張子人形

今回の横向き虎がつくられる茨城県ひたちなか市の那珂湊(なかみなと)では、明治初年から張子人形がつくられているそうです。

那珂湊は、水戸から東の太平洋に面し、那珂川が海へと流れる河口付近の漁師町です。

大漁と安全を願う縁起物として、張子がつくられていたそうで、彫りの深い「那珂湊だるま」が知られています。
飯田永寿家で制作され、年末の歳の市や正月の初市などで売られており、現在も飯田隆司さんがつくられています。
その飯田家が手がけたのが「横向き虎」です。

横向き虎に込められた願い

干支の動物は郷土玩具ではポピュラーで、虎(寅)の張子人形も全国各地にありますが、横向きの虎は珍しいです。

虎は十二支の中で最も強い部類の動物で、勇敢さや強さの象徴とされます。中国では悪霊を払う力を持っているとされ、魔除けのお守りとして虎の置物を家に置くそうです。

また「大切なもの」という意味の「虎の子」とは、虎が我が子をとてもかわいがって育てると言われていることから来ており、たくましい人間に育って欲しいという願いが虎の郷土玩具には込められています。

この「横向き虎」は残念ながら現在制作されていないようですが、水戸市の工芸デパートではもしかしたらまだ買えるかもしれません。

番外

コインパーキングのTimesとカラーリングが一緒だったので。


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