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アーク・リアクターのようなもの

5歳の息子がいる。
ちょっと前まで赤ちゃんだと思っていたけど、今ではいっぱしの大人のような生意気な言葉使いをしている。

最近彼は夜寝る時、隣にいる私に色々な質問を投げかけてくるようになった。
「僕が大人になったらパパみたいにおヒゲ生えてくるの?」「僕も結婚するの?結婚したら赤ちゃん生まれるの?」
答えたってすぐ忘れてしまうかもしれないけど、彼の未来に関する質問には出来るだけ丁寧に答えたい。頭の中で大人になった彼を想像しながら。

彼がどんな人生を歩むのかはわからない。

生きているのが嫌なほど辛い事もあるかもしれない。苦しい時期がやっぱりくるかもしれない。でもどんなことがあっても、また春になれば小さいながらも芽吹くような、そんな生命力が彼にあれば嬉しい。

それは何だろう。
アイアンマンのアーク・リアクターのような、
胸で光るエネルギーのかたまりのようなもの。

私は子供が生まれるまで、東日本大震災の被災地、福島県いわき市と南相馬市にボランティアとして、お手伝いに行った。

それは私自身が信じたかったからかもしれない。辛い時、苦しい時、大変な時、誰かが必ずそれを見ていてわずかながらでも手を差し伸べてくれると。悲しい思いをしながらもやはり人は大丈夫なのだ、という事を。

子供は小さいうちから保育園やら幼稚園に行き、全くの他人から世話をされ、親以外の他人にも愛されている事を知る。3歳神話なんて、高度成長期が産んだ都合の良い作り話だ。

親から愛され、他人にも愛されていると知って、世界から自分の存在が無条件で受け入れられている事を知る。

子供でも大人でも辛い時、苦しい時、それでも自分は世界から愛され存在が許されている事を肌で感じている経験が、彼や彼らの希望、アークリアクターであって欲しいと思う。

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