きちゃん

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大学4年生と、水色革命の5月

電気は消したままの、窓のブラインドも落とした実験室は、それでも外から入る光で薄明かるかった。 2017年5月中旬、22歳の大学4年生だった私は、外の世界の明るさを思い出しながら、その部屋でサンプルの一酸化二窒素の濃度をぼんやりと測っていた。それは、土壌中の窒素栄養に関する研究の一貫で、私は9月の学会までに結果をまとめる必要があった。 実験室には私以外誰もいなかったが、隣の学生部屋では先輩がパソコンで研究ポスターを作ったり、論文を読んだり、研究には全く関係ないウィキペディア

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