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夜のこうえん、夜のブランコ

我が家には小学校3年生の男女の双子がいる。
春休み1日目。

「ねぇねぇ、公園にサクラを見に行こう」

ふたごからそんな誘いを受けたけど、今日は打ち合わせ続きで、明るい時間帯に公園に行くのは難しそうだった。

もうすぐ小学校4年生。

公園だって一人で遊びに行くようになっているのだから「二人で行ってきたら?」そう言うと、首を横に振るふたごたち。

「しごと、何時に終わる?」
「何時なら行ける?」

どうしてもサクラを見に行きたいらしく、親子の折衷案は18時半に決まった。

約束の時間。家からほど近い公園に3人で向かう。
公園につくとそこには八分咲きのサクラ。

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「サクラが見たいなら、明るい時間に行けばいいのに」

そう言うと「押し花を作りたいから、サクラを拾いたかったんだ〜」「でも明るい時間だと、人がいっぱいで拾いにくいでしょ」

そう言って、双子たちは散り散りに、サクラの花を探しにいった。
暗がりの中、鳥が落としてくれたサクラを探す。

そっか、押し花が作りたかったんだ。

「あったー!」「こっちにもあったー」そう言って嬉しそうに戻ってきたふたごは満足げだった。

目的も果たしたし、帰ろうとしていると「ちょっとだけ遊ばせて」と言い出したので、19時までの約束でフリータイムにした。

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しばらく二人でおいかけっこをして、キャッキャと笑い合って、思いっきり走っている。

こんなふうに二人が遊ぶ姿を見るのはいつぶりだろう。
いや、一緒に公園に来たのはいつぶりだろう…。

すると二人はブランコに向かって走り出した。

「ぼく、ブランコ乗ってくる」「わたしもー」むすめもついていく。

むすめ曰く、ブランコは人気があるから、日中公園に来ても、なかなか乗れないらしい。

それにもうすぐ4年生だからね。
小さい子たちが遊んでたら危ないし…

遊べないでしょ。

そう教えてくれた。

そっか、いつの間にかそんなに大きくなったんだね。

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ふたごが小さい頃は、私一人で公園に連れて行っても、二人をブランコに乗せることができなかった。

ようやく自分たちで乗れるようになった頃は、二人からのブランコ押してコールがしんどい時代もあった。

でもいつの間には二人は、上手にブランコを漕げるようになり、立ち漕ぎもできるようになった。

そして今は、小さい子にブランコを譲っているんだね。

「あーサクラも拾えたし、おもいっきりブランコも遊べたし、良い一日だったね!」そう話している二人を見ていると、

もうすぐ4年生。小学校も後半戦。もう来年は一緒にサクラを見に行こうなんて言わなくなるお年頃かもしれない。

ふたりが、サクラを見に行こうって誘ってくれてよかった。








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