100年前のレシピ本を訳してみます23・B. スープ ③その他の肉のスープ
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100年前のレシピ本を訳してみます23・B. スープ ③その他の肉のスープ

こんにちは!また随分時間が経ってしまいました。前回まで牛肉のスープがかなり出ましたが、ここからは他の肉のスープです。

16. 子牛のテールスープ 子牛のテールを2~3本、2ℓのお湯に塩をいれて柔らかく茹でます。茶色のルーを濾したブイヨンで溶いて軽くとろみのあるスープにし、冷ました子牛のテールと別途茹でたカリフラワーの小房を入れ、小さじ1杯のマギー調味料でスープを味付けします。
小さな肉団子や、別途完全に茹でた小さい角切りにした豚の腎臓とその茹で汁をスープに加えてもいいです。甘いデザートをつければお腹を満たせる完全な食事になります。

17.雄羊肉のスープ 肉は洗い、適度に塩を加えた熱湯に入れ火にかけます。スープのアクを取り、小さい根セロリ、若いコールラビ一つ、細かく切った玉ねぎ、A章の4番の通りバターで炒めた小麦粉、グラウペン、または湯がいた米を加え、しっかり蓋をしてゆっくり煮込みます。脂が浮いてきたらすくい取ります。脂を入れたまま長時間煮ると、スープに不快な味が付いてしまいます。
ジャガイモの団子をブイヨンで茹でたり、卵黄をナツメグかパセリのみじん切りと一緒にスープに入れかき混ぜてもよいです。
調理時間はおよそ3時間です。

18. 良質の鶏スープ 5人分を作るには、大きく脂ののった鶏を、前日にD章の248番の通りに、きちんと丁寧に羽根をむしって内臓を取り出し、冷水でしっかり洗い、内部も丁寧に洗います。スープに強い雑味をつける鶏もあるので、冷水に15分ほど浸けておくことをおすすめします。足は切ってお湯でゆがき、皮を剥き、つま先を切除し、何か所か折ったら、心臓、胃と一緒に鶏と合わせておきます。レバーはとっておき、スープの煮込み終了3分前に入れて煮ます。家庭のご主人が喜ぶスープの具になります。
  鶏を3ℓの冷水、老齢の鶏なら軟水に入れ、塩少々を入れて火にかけます。アクをすくい取り、スープの濾し方、小麦粉のルーの作り方については7番の通りにします。クルミ大の新鮮なバターをスープに加えたら、蓋をして火を止めずにゆっくり3時間ほど煮込みます。好みで米、グラウペン、またはパスタを入れて茹でます。根菜でこのスープに合うのはパセリの根、ゴボウ、カリフラワー、アスパラガスで、スープを濾した後に入れて30分茹でます。セロリ、ポロネギ、玉ねぎは鶏の繊細な風味を損ねます。ザリガニの団子(クレーセ、Q章2番)やザリガニバター(A章14番にレシピがあります)は美味な鶏のスープにとてもお勧めですし、白パンやセモリナ粉の団子、卵の浮き身などもいいでしょう。スープの味付けは、鶏のスープにとりわけよく合うメースを使い、パセリのみじん切りと新鮮な卵黄1~2個を攪拌してスープに溶き入れます。
  このレシピ通りに麺や米などを入れず、脂を取り除きルーでとろみをつけ、あるいはグラス1杯の白ワインで溶いた卵黄を溶き入れた透明な鶏のスープを作り、焼いた鶏の肉を裏濾ししたものをスープの中で加熱すると、素晴らしい「女王のスープ」ができます。-カールスバート(カルロヴィ・ヴァリ)風はこのスープに卵黄を溶き入れるのではなく、固ゆでの卵黄をいくつかすりおろして、裏ごしした鶏のミンチと混ぜ、スープの中で茹でます。洗練された料理にするには、皿によそう前にスパークリングワインをグラス1杯加えます。
  鶏はR章46番の鶏のソースを添えてもいいですし、あるいは、もし胸肉をスープに使ったなら、鶏肉のロールに使えます。
美食家でさえ本物と区別がつかないほど美味しい「女王のスープもどき」は、子牛肉のスープに、ナイフの先ほどの砂糖と刻んだスイートアーモンドを5粒加え、本物のスープ同様に仕上げます。肉がとても筋っぽい場合は使わずに、いく分多めのルーを入れて、団子とアスパラガスを切ったもの、子牛の胸腺を加えます。

19. ウィンザースープ(洗練された会食用のスープ、10人分)バター200gを溶かし、牛肉500g、子牛肉375g、生ハム100gを玉ねぎ1個、ニンジン1本、根セロリ半分をきつね色に炒め、薄めの肉のブイヨン3~4ℓを注ぎ、胸肉を取り除いた使用後の鶏を入れ、全体をじっくり3時間煮込みます。その間に細かく刻んだ胸肉と卵2個、おろしたパン、塩、パセリのみじん切り少々で小さな団子を作り、盛り付けの直前に塩を入れたお湯で茹でます。同様に小さく割ったマカロニも塩を入れたお湯で茹で、バター20gとシェリー酒大さじ2杯で炒め、濾してルーでとろみをつけたスープに鶏団子と一緒に入れます。好みでスープにシェリー酒をグラス数杯入れてもいいですし、マカロニの代わりに、炊いた米を器に入れて山型に型抜きしたものをスープに添えてもいいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ウィンザーというからにはイギリスのスープですよね。私は初耳だったので、イギリスにもあるのか検索してみました。
 日本語の情報もいくつかある中、知人のイギリス料理や菓子に詳しい羽根則子さんのブログに書いてあるのを発見しました。
こちらをどうぞ
 別名「ブラウン・ウィンザースープ」とも呼ばれるそうで、画像検索をすると確かにスープというよりはシチューのような茶色い色の料理です。
 英語のウィキペディアを見てみると、ヴィクトリア朝、エドワード朝時代に人気のあったスープだそうで、ジョージ4世のお抱えシェフで、あの有名なったA1ソースを発明したヘンダーソン・ウィリアム・ブランドという人が1834年に作ったウィンザー風ヴァーミセリ・スープのが始まりと言われているそうです。
 その11年後、ヴィクトリア女王のお抱えシェフ、フランカテッリが出版したThe Modern Cookという料理本に似たようなウィンザー風子牛足のスープというレシピが登場します。このレシピは他のシェフにもいろいろとアレンジされ作られていきます。かの有名なオーギュスト・エスコフィエもサヴォイ・ホテルで作ったそうです。
 1920年代に入ると、ウィンザースープも飽きられたのか、人気が落ちていきます。「ブラウン」が付くのはこの頃からだそうです。現在にいたるまでこのスープについてはいろいろな逸話もあるようです。
 この料理本が出版されたのは1915年なので、まだウィンザースープの評判がよかった時代だったということですね。だから載せているわけなのでしょうが。ちょっと食べてみたいです。
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20. ホロホロ鳥のスープ 老齢のホロホロ鳥1羽と牛肉1㎏、子牛肉500gと3リトルの水に入れて茹で、アクをよくすくい取り、塩で味付けします。スープはゆっくり3時間煮込みますが、その間にホロホロ鳥に火が通ったら取り出します。
出来上がったスープは濾して、バター70gと小麦粉50gで薄い色のルーを作りスープにとろみをつけます。折れたアスパラガス1㎏分を裏ごしし、卵黄6個とクリーム大さじ1杯と合わせてかき混ぜ、盛り付ける前にスープに入れて混ぜます。カイエンペッパー少々で味付けし、細切りにしたホロホロ鳥の肉を入れます。このスープは特に洗練された会食用のスープです。
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ホロホロ鳥は日本では珍しいと思いますが、ドイツでは今でもレシピがありますし、国内で飼育もされています。アフリカ原産です。
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今回は少なめですが、ここまで!次回はさらに他の肉を使ったスープが出て来ます。

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