100年前のレシピ本を訳してみます22・B. スープ ②牛のスープ
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100年前のレシピ本を訳してみます22・B. スープ ②牛のスープ

スープレシピ、最初は牛のスープです。2~15までになります。

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2.手早くできるブイヨン スープカップに新鮮な卵黄一個、塩、メースをほんの少し、味の良い新鮮なバターをヘーゼルナッツ半分ほど、ただしこれは無くてもよいです、そしてリービッヒの肉エキスを小さじ半分をよく混ぜ、熱湯を1/4l少しずつ注ぎます。バターの代わりにヘーゼルナッツ程の量の牛の骨髄をよりお勧めします。細かく刻んでブイヨンにする熱湯で10分ゆで、濾しながら肉エキスに注ぎます。
  あるいはカップに熱湯を注いで牛の骨髄、肉エキスと塩を入れて混ぜただけでも十分です。さらに手早く簡単なのは、オキソ・ブイヨンとお湯を混ぜるだけで作る肉のブイヨンです。
  リービッヒの肉エキスあるいはマギー固形ブイヨンを、カラスムギの粥または大麦粥に加え、とろみをつけずまたは水分も多すぎないようにし、熱湯でかき混ぜるのではなく、味のよくしっかりした飲み物を加えると栄養も取れ、病人にも向いています。

3.肉エキスを使った簡単なスープ8人分 ここでは一人あたり1/4lとし、煮詰まるため水を少々加えます。つまり3リットル弱くらいのお湯を沸かし、脂身のない良質の牛の赤身肉1/2キロを洗って加えます。アクを丁寧にすくい取ります。そして玉ねぎのみじん切り、大きな根セロリを4分の1(小さいものは半分)、大さじ山盛り4杯の白い上質のグラウペン(精麦)を加え、2時間半、しっかり蓋をして弱すぎずかつ強すぎないよう煮込みます。
  盛り付ける際は新鮮な卵黄1個を溶いたものと、好みによってナツメグ少々、塩、リービッヒの肉エキス小さじ摺り切り1杯をスープ鉢に入れ、卵が固まらないよう、スープを強くかき混ぜながら少しずつ注ぎ入れます。

4.透き通った牛肉のスープ 少人数分なら一人につき375g、大勢の場合は一人につき250gの肉をスープ用に用意します(老齢の鶏を一緒に煮込むとより美味しくなります、その分牛肉の量は減らします)。スープの肉を食卓に出さないのではあれば、細かく刻んで、肉250gあたり0.5リットルの水と一緒に火にかけます。肉を半時間ほど静かに煮たら、アクを丁寧にすくい取ります。そこへ皮を剥いて小さく切った根セロリ、ポロネギの白い部分、きれいに洗って縦半分に切った黄色の根菜(ニンジン)、必要量の塩を入れ、肉にきちんと火を通します。そして、底に沈殿物が溜まってブイヨンが透明になったら、目の細かい濾し器に通し、きれいなスープ鍋に移します。再度火にかけ団子やアスパラガスの穂先、小分けにしたカリフラワーを加えます。エビをスープ鉢に並べてもいいです。ただしエビは肉質が固くなるので煮込んではいけません。米を入れる時は一人当たり大さじ半分をブイヨンに加え茹でてもよいです。その際肉の量を少し多めに計算し、米粒が残る程度にしっかり火を通します。好みでパルメザンチーズをおろしたものをかけてスープに添えます。
  透明なスープに好ましい具はトマト(愛のリンゴ)です。切ったトマトをブイヨンで柔らかく火を通し、濾し器で濾してマギーエキスを数滴加え、器によそります。
  若い牛のスープは2~3時間、老齢の牛、特に胸肉は4時間じっくりと煮込みます。
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トマトはドイツ語でTomateですが、Liebesapfel(愛のリンゴ)とも呼ばれていました。古めかしい名前で今ではほとんど使いません。
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5.手早く作る牛のスープ 6~8人分には肉750gを小さいサイコロ型が薄いスライスに切ります。小麦粉大さじ数杯を、卵半分ほどの量の良質のバターできつね色に炒め、切った肉、小さく切った玉ねぎと黄色い根菜(ニンジン)、8等分に切った小ぶりの根セロリ1個を入れてしばらく炒めます。そこへ食べる量より若干多めの塩を入れたお湯を注ぎ、蓋をして1時間煮込みます。その後濾し器に通します。米をスープの具にする場合は、単独で炊いて、盛り付ける前にセロリと共にスープに加え、好みでパセリのみじん切りを散らします。

6.透き通った茶色の牛のスープ この茶色のブイヨンの作り方はAの33番に記してあります。12人ほどの大人数の場合は牛肉を2.5~3㎏、生ハムを250g用意します。キノコや粗挽き麦または白パンの団子を入れて火を通します。好みでサゴパールを入れてもよいです。

7.グラウペン(精麦)または米を入れた牛肉のスープ ブイヨンの作り方は1.の通りにし、30分たったら濾します。小さい鉄鍋にバターを熱し、4人分なら小麦粉大さじ山盛り1杯を入れて黄色く照りが出るまで炒め、どろどろになった小麦粉を沈殿物を丁寧に除いたスープと肉と合わせて再度火にかけます。グラウペンをスープで煮る時は、好みの根菜と一緒にそのままスープに入れます。ただし米は1.で説明した通り、1時間だけ加熱します。食卓に出す1時間前にアスパラガスやコールラビを新鮮なうちにスープに入れて煮込みます。カリフラワーでもよいですが、煮崩れない程度に下茹でをしておきます。アスパラガスは湯がく必要はありません。食卓に出す直前に若いセロリの葉をみじん切りにしたもの、またはメースを細かく砕いて(挽いて)スープ鉢に入れ、好みで団子をスープの中で煮込みます。

  注:肉団子は、薄目のスープには何よりもお勧めです。しかしスープは薄すぎてもいけません。あまり強く燻製されていないシュラックヴルストを1スライス一緒に入れると味がよりよくなります。それでもやはりリービッヒの肉エキスかオキソ・ブイヨンを加えるのは望ましいです。バターで炒めた小麦粉もあるとなおよいですが、これは食卓に出す1時間前になってから加えます。セロリの味が好きならきれいに洗って皮を剥いた根セロリを1,2個スープに入れて柔らかく煮込み、それから薄くスライスします。冷ましてからオイル、酢、コショウ、塩で和え、スープ用の肉や肉料理に添えます。
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シュラックヴルスト(Schlackwurst)とは、ソーセージの1種で、牛と豚の挽肉が材料です。カルダモン、ショウガ、マスタードを味付けに使い、ハチミツなどの甘みを加えるものもあるそうです。腸詰にした後、24時間低温燻製にします。
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8.フランス風スープ 季節に応じて様々な野菜を使います。夏ならエンドウ豆、アスパラガス、カリフラワー、コールラビ、ニンジン、秋にはカブ、セロリ、サボイキャベツ、コールラビ、を小さく切り、新鮮なバターでしんなり炒めます。ここに濃い肉のスープを注ぎ、野菜に火が通るまで煮込みます。ナツメグとみじん切りのパセリで味付けし、キノコや卵の団子、または白パンのスライスをトーストしたものと添えます。
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どの辺がフランス風なのかがちょっとわかりません。野菜を多種使うところでしょうか。団子はドイツ、オーストリアのものだと思います。
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9.牛タンのスープ 牛タンはしかるべき下ごしらえをすれば、そのスープが他の肉のスープより食欲をそそらないということはありません。舌は大きいほど有利です。舌をきれいにするには、まず骨についている黄色っぽいスポンジのような肉を切り落として温かいお湯にタンを浸し、塩で力強く擦ってねばねばしたものをしっかり洗い流します。そして舌を、かぶるくらいの水に入れ、適量の塩を入れて火にかけ、3~3.5時間火を止めずにゆっくり煮込みます。このスープを使って40番または44番のようにジャガイモのスープが作れます。リービッヒの肉エキスまたはマギーの固形ブイヨンを使えば薄い牛タンのブイヨンからも他のどんなスープも作れますし、牛肉のブイヨンにやや近いものができます。
  少人数なら牛タンは異なる料理に使えます。スープで煮た後の温かい牛タンは、サボイキャベツや白キャベツのよい付け合せになります。残った部分は切って、塩、卵、潰したラスクの衣をつけてきつね色に揚げたり、芽キャベツ、アスパラガス、ほうれん草、カリフラワーその他の野菜を合わせていただきます。またはフリカッセにも使えますが、牛タンスープをとった後、フリカッセに使う分は涼しいところに置いておかなくてはなりません。しかし2日目にフリカッセを作ることもよくあり、その際はレモンスライスをいくつかスープの中に入れておくようにします。-対してパセリソースまたはローマ風ソースをカットした牛タンに合わせると、主菜の前のちょうどよい一皿になります。
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40番、44番のレシピはお待ちください。
ローマ風ソースも後で出て来ます。
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10.オックステールスープ 牛テールを2本、2本指の幅に切り、きれいに洗って冷水に入れ火にかけます。沸騰寸前になったら再度冷水で洗います。きれいに洗ったスープ鍋に玉ねぎ数個、小さく切ったニンジン、パセリの根、ポロネギ、セロリと、月桂樹の葉を一枚、コショウを6~8粒入れ、バターひとかけらと塩少々も加えて10分しんなりさせたら、肉のスープと白ワインを各1.5リットルずつ注ぎ、テールとベーコン数枚、生ハムのくずを入れゆっくりと柔らかく煮込みます。肉をスープから取り出し、スープを濾して余分な脂を取り除き、マデイラ酒をグラス1杯と出来上がりの分量に合う肉のスープを入れ(2.5~3リットル)、テールを戻し入れて柔らかく煮込みます。若い野菜を数種、エンドウ豆やアスパラガス、ニンジンなどを別の鍋でブイヨンで煮てスープ鉢に入れ、カイエンペッパーとマギー調味料で味付けしたスープを熱いうちに注ぎ入れます。簡単な食事の場合は、野菜の代わりにテール肉を細かく切ったものと多めのニンジンを具にしてもよいでしょう。スープの具としてぜひお薦めしたいのは、別途煮ておいた豚の腎臓を薄く切ったものと、小さく丸めた肉団子です。
  英国風は、厚く切った牛テールをハム数枚とともにまず炒め、その後薄く切った牛テールと牛肉少々を、豚の腎臓でとった熱いスープに入れます。このスープには香味野菜は入れず、代わりに月桂樹の葉を一枚、メースとショウガ一つだけで味付けします。小麦粉をバターで茶色く炒めたルーでとろみをつけ、マデイラ酒とマッシュルーム醤油小さじ1杯を加えるか、その2つの代わりに市販されているウースターシャーソース少々とマギー調味料小さじ半分を使うことも多々あります。
  牛テールの代わりに子牛のテールを使い、香辛料の量を抑えてベーコン、ハムを使わずに作るとやわらかな味になります。

11.肉の焼き汁ソースのスープ みじん切りにした玉ねぎをたっぷりのバターでしんなりするまで炒め、小麦粉大さじ1~2杯を加えて黄色く炒めます。できあがりのスープの量より若干多めの熱湯を注ぎ入れます。米と切った根セロリを入れて柔らかく煮たら、肉汁のブイヨンを注ぎ入れます。米の代わりにバターでローストした粗挽き麦、または市販のすぐれたクノールのスープの具(浮き身)をどれか使ってもよいでしょう。肉汁で取ったスープを使う際気を付けるべきは、どれも単独で十分美味ですが、酸っぱくなりかけていないかどうかです。その場合はマギーの固形ブイヨンで代用しましょう。

12.子牛肉のスープ 子牛肉は4番の通りに作りますが、成牛よりあっさりしているので、人数分より多めに使います。よく洗い、塩少々を入れた水に入れて煮立たせ、きちんとアクを取ったら、30分後にブイヨンを濾します。7番の通りに小麦粉をバターで炒め、子牛肉のブイヨンを注ぎ入れ、パセリの根、もしあればゴボウを数本入れ、食卓に出す1時間前に茹でた米を入れます。もしくはアスパラガスや茹でたカリフラワーなど季節のものや、盛り付ける10分前に肉その他で作った団子をスープで煮るのもよいでしょう。子牛肉にスベリヒユの葉かスイバを入れるのが好きな人もいます。米の代わりに粗挽き粉をスープに入れて煮れば小麦粉(ルー)は必要ありませんし、ブイヨンを濾した後(1.スープの調理参照)新鮮なバターをひとかけら加えます。盛り付ける際、ナツメグやパセリのみじん切りを加え、卵黄も一個入れると美味ですが、固まりすぎないようにします。スープの後、スープを取った肉も食べるなら、1番にあるとおり、ホースラディッシュソースを添えるか、塩コショウを加えた卵を攪拌し、肉にからめてバターで焼きます。
   スープの調理時間は1時間半から2時間です。
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スベリヒユは古代バビロニアから知られている野菜だそうです。ドイツでも中世では薬効のある草とされ、サラダに使うことが多いです。
スイバは日本にもありますね。噛むと酸っぱいことから「酸い葉」の名がついたそうです。
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13.子牛頭のスープ 十分に肥育された子牛の頭を水洗いし、鍋に浸るくらいの水と一緒に入れ、塩少々を加えて柔らかく茹でます。茹で汁は濾します。10人分なら小麦粉100gをバターで黄色く炒め、子牛頭のブイヨンを5.5ℓを少しずつ注ぎ入れます。あとで煮詰まりすぎてしまったら水を足します。煮立ったらマギー調味料10滴、酢を大さじ3杯、酸味を和らげる程度の砂糖で味付けします。盛り付ける際、卵黄5個をスープに入れて混ぜ、バターでローストした白パン200gほどを入れるか、スープに添えます。
  その間に子牛の頭を割り、脳をスープ鉢に入れ、肉を骨から外して切り、バターで炒めたら、茹でたジャガイモ、漬けたキュウリを添えて、スープの後の一皿にします。
  煮た脳はスライスし、塩コショウを振って卵をからませ、ラスクの粉をまぶしてバターで焼いてもよいです。

14.子牛の胸腺のスープ 胸腺はAの42番の通りに下ごしらえし、小さいサイコロに切ってバターと小麦粉で黄色く炒めたら子牛肉のブイヨンでしばらく煮込み、塩少々を振ってパセリのみじん切りかメースを加え、卵黄を混ぜ込みます。これは病人にもおすすめのスープですが、スパイスは入れずに小麦粉をバター少々で白っぽく炒めたらスープ1/2ℓに対しリービッヒの肉エキス5gを入れます。

15. 王女のスープ 子牛の胸腺を3つ、Aの42番にしたがって下ごしらえし、薄めの肉のスープで15分煮ます。胸腺2つを細かく切り、溶かしバターで数分間弱火で炒めたら、固ゆで卵の黄身5個と一緒におろして一つのまとまりにします。肉のブイヨンにトーストした白パンを100g入れて煮溶かし、胸腺と卵の生地も入れて30分静かに煮込みます。固ゆで卵3個と、残りの胸腺一つをサイコロに切り、スープ鉢に入れて小さなグラスに1杯のマデイラ酒をふりかけます。スープをカイエンペッパーで味付けし、粒状の肉ブイヨン小さじ1杯を加え、切った卵と胸腺に注ぎかけます。
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なぜ「王女の」なのかはちょっとわかりません。卵がたくさん使われているので、ちょっと贅沢な、ということでしょうか。
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レシピを見ていると、そんなに塩は入れていませんね。ドイツでスープを食べると塩味が強いと感じることがよくあるので、ちょっと意外です。

スープはまだまだ続きます(笑)




 

  

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