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METAVERSEのフェーズとテクノロジー

メタバースの定義は人それぞれ違うというのが現在の状況です。
その理由のひとつがゲーム・テクノロジー、ブロックチェーン・テクノロジー、VR・AR・MRテクノロジー、AIテクノロジーなどがそれぞれ独自の3D空間を使っていることで、それぞれメタバースと呼ぶ定義が微妙に変わっていることが原因です。

最も近いと思われるゲーム・VR・AR・MRですら空間を共有していません。
細かく言えば、VRですらゲーム・ビジネス・SNSの各領域で空間を共有していないのです。
空間を共有していないというのは、サービスが分断しているということでもあります。

これがメタバースの正体を掴みづらい原因です。

メタバースがたどる3つのフェーズ

Forbesにメタバースがたどるフェーズについて、比較的わかりやすくまとまった記事が出ていました。ただしForbesに書かれているのはWeb3(ブロックチェーン・テクノロジー)をベースにしたメタバース視点での記事です。

しかし他の領域とも同じようなフェーズを辿るであろうことを想像するのは難しくありません。
ではその3つのフェーズを見てみましょう。

フェーズ1:インフラストラクチャのレイアウト
フェーズ2:デジタル経済の導入
フェーズ3:物理世界とデジタル世界の接続

フェーズ1:インフラストラクチャのレイアウト

記事中では仮想的な土地の取引や区切られた空間のことを書いていますが、現在日本で起きていることに置き換えると、Cluster・Vket・VirtualCAST・DOORなどのサービス開発に加えて、バーチャルシティコンソーシアムVRMコンソーシアム、などが行っているメタバースの共通規格整備などの動きが当てはまります。

また次フェーズに向けての動きとして、TOPPANのAVATECTなどが2022年後半に動きが表面化してきました。

フェーズ2:デジタル経済の導入

Forbesの記事内では、分散型アプリケーション( dApps )の導入やWeb3テクノロジーを使ったオンラインゲーミングについて書かれています。

日本ではこの部分、ブロックチェーン・テクノロジーの技術開発として進んでおり、上述AVATECのような動きに加え、NINJA DAOのようなクリプト系サービスの開発が進んでいます。
またDMMのプレスリリースに「DMMがWeb3事業の開始に向け本格始動」とあるように、オンラインゲームへの導入も進みつつある現場です。

2023年にはVketのサービス、VketCloudにてオンライン決済機能の導入やNFTサービスとの連携もアナウンスされています。

こうした動きから見ると現在日本ではフェーズ2への移行期であり、2023年中にサービスの基本的な形が生まれると考えても良さそうな感じです。

フェーズ3:物理世界とデジタル世界の接続

このフェーズに到達するのはまだ先です。Forbesの記事でも同じことが書かれています。

The metaverse is not a game. It’s a gamified, cross-dimensional experience we all co-create and own equally. To make progress, we must understand how the metaverse adds value in each phase, so we can plan how much time and resources we allocate to each.
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メタバースはゲームではありません。 皆で共同作成でき、そして誰でも所有できるゲーム機能を与えられた次元を超えた経験です。この考え方に追随していくには、メタバースが各フェーズでどのような機能、役割を与えられるのかを理解する必要があります。そのためには考える時間と身につける時間を割かなければなりません。(意訳)

Forbes. The 3 Phases Of The Metaverse.Oct 5, 2022,07:30am EDTより

具体的にはハードウェアの技術的な臨界点突破と発展に伴って進化していくフェーズです。
このフェーズの初期段階を最初に体験できるのは、おそらく2024年末〜2025年初頭にかけてだと考えられます。
どのサービスも、ハードウェアメーカも、大阪万博を一つのマイルストーンにおいていることは想像するのに難しくありません。

またこのフェーズに突入すると同時に、新しい産業形態のひとつが生まれると確信しています。
つづく…


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