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「幹、2浪してよかったやん」 2年・浦田幹

1年生の部員ブログを見ていると、浪人時代のことを書いている選手が多くいました。
僕から言わせれば、1浪は浪人とは言いません!!!(生方くんへ)
2浪することで悟りの境地に達することができます。
「高校時代、数学のテストで0点を取った人間が2浪し早稲田模試数学1位に輝いた勉強法を知りたい人は連絡お待ちしております。」

出版社の皆様、ご連絡お待ちしております。

前置きはこの程度にし、

今の自分を形成しているのはこの2年の経験が本当に大きいと思います。

早稲田大学に入学し、1番に思ったことは
「2年遅れている」
という後ろめたい思い。
いくら早稲田大学に入学できたとしても
2浪のレッテルが消えることはありません。

ただ、今の自分を形成しているのはまさにこの2年だと思う。
1浪を終えた段階で合格した大学は“0”校
そんな自分に両親は1度も否定的な事も言わず支えてくれた。
2浪の春
「早稲田を受けたい」
と伝えた。

今まで結果を出すことができていないバカ息子によく期待してくれたものだ。
自分が逆の立場ならこんな風には接することはできないなと思う。
そんな貴重な体験をさせてくれた親には感謝しかない。
勿論、妹にも感謝している。

図1

“ありがとう”

だからこそ思う

“無意味な時間を過ごすわけにはいかない”

そんな思いが8月の決断につながった。

自分が日々成長できているのか、分からなかった。
テストを受け点数で見えるものでもなければ、誰かが
「成長してるね」
などと教えてくれるものでもない。

そんな日々を過ごす中で時間を無駄に過ごしていないかと思う日々が増えた。

勿論、できるようになったことはたくさんあった。
それ以上にできないことが気になった。

周りは優秀な人間ばかり。
劣等感を抱くことが多かった。

今年になって選手からの要求も多くなった。
ただ、できないことばかりだった。

「いる意味なくね」
なんて言われる事もあった。

自分にできる事は何か

そんなとき、同学年の加藤のランテストに関わるようになった。
いつの間にかそれが唯一自分にできる事だと思うようになった。

図2

そんなことを言うと
「アップやテーピング、幹には他にもできることがあるよ」
なんて言われたこともあった。

ただ、内心こう思うようになった。
テーピングは社会人のトレーナーの方が上手く巻けるし
アップなんて選手でも指揮できるのではと。

実際にそういったことも言われた。
自分の存在意義がわからなくなった。

だから、加藤のランテストを自分が中心になって関わろうと思った。

かけてきた時間が長かった分、合格した瞬間
自分の中でどこか緊張感が切れてしまったような気がした。
そして、彼が早慶戦で劇的ゴールを決めた瞬間
何とも形容しがたい気持ちになった。

そして2日後

集合時間を勘違いし遅刻。

完全に気が抜けていた。

自分としては役目を終えた気持ちになった。
これでア式から離れることができる
なんて思っている自分がいた。


最初に戻ろう。

成長を感じることができていない
まさに時間を無駄にしている

そう思った原因は
“人のため”という間違った思考にある。

自分は勘違いしていた。

みんなのためにいろいろなことをしている。
例えば合宿の準備や試合前の準備その他にも、、、
夜遅くまで仕事をすることもある。

全て人のためだと勘違いしていた。

そんな考えが誤りだと気づけたのは1ヶ月間部を離れ自分と向き合うことができたから。

そのせいで特に江田さん(後輩の学生トレーナー)には迷惑をかけた。
ごめんなさい、絶対ご飯に連れて行きます。

どこか心の中でア式にいることが自分にとって不正解ではないかと思った。

そんなとき、ある言葉に出会った。
「人生の正解はそこらにあって探せば見つかるというものではありません。
自分で選んだ、または選ばざるをえなかったものを自分とその仲間たちで正解にするのです。それが“正解”です」
誠に本質をついた言葉だと思う。

自分が取ってきた行動が自分の選択を正解にしようというアクションをしたか

答えはNO。

自分の決断を英断にするも愚断にするも自分次第
自分にできることはまだある

そう再確認させてくれた。

上に述べたが1ヶ月、部を離れた。
おかげで2つ大事なことに気づくことができた。

1つ目は縁あって、自分が憧れるヴィッセル神戸のトレーナーの方にお会いすることができた。話を聞く中でいかに自分が恵まれているか、自分が自分に甘いのか再確認できた。

そして、トレーナーという仕事が
どれだけ大変かリアルを知ることができた。

そして、私はある答えにたどり着いた。
「トレーナーはなりたいと思ってなれる仕事ではない」

トレーナーをやられている方に悪い人は1人もいない、本当にそう思う。

どれだけ辛くても顔に出さず、選手を1番に考えることができる。
荷物やら他の仕事をやったくらいで
どやっ!みたいな考えを抱いてしまう自分になれるはずがない。

だからこそ
そこに向かって日々過ごしたい

そう考えたときア式に戻ろうと思えた。

理由は簡単だ。

それを実践している方がア式にいるから。

選手を1番に考え、なおかつ傲(おご)るような態度を全く見せない。
顔を見てこんなこと言えないのでここに書いておきます。

尊敬しています。勝手に師匠だと思っています。

2つ目に何よりも私はア式が好きみたいだ。

神戸にいる期間、TRMの動画は欠かさず見ていた。
「秀悟1本目で出てるんや、序列上げてるやん」
「琢出てるやん、頑張れ!」
「拓己、動けてないな」
「今井がAチーム!?!?!?」

逐一チェックしていた。
そんな姿を見て親には
「はやく戻ったら」
とも言われた。

これも離れたからこそ気づけたのだと思う。

また、この1ヶ月で自分が成長できていることも実感することができた。

私は思う

遠回りも悪くないと。

だいたい2年の差をどうやって埋めることができたと考えることができるのか

そんな尺度を私は持っていない。

そんなことで悩むことはやめることにした。
それよりも2年頑張ったことで得ることができたものに目を向けたい。
親にも苦労をかけようやく掴み取ったチャンスだ。
今、私ができることは楽しんでいる姿をみせることだ。

全力で4年間過ごしたい

そもそも自分が好きなものに出会えた時点で最高ではないか
そして、自分の力を必要だと言ってくれる人たちに出会えることもできたんだ。

そんな方のおかげで今は元気に東伏見で練習ができている。
感謝しかない。
“本当にありがとうございます”

多くの人に心配や迷惑もかけた。
“ご迷惑をおかけしました”

だから、今はその人たちのためにやりたい。
少しでも彼らが安心してプレーできるような“幹(みき)”になりたい。

ただ、今の私にはこのようにも捉えることができる

“自分のためにやりたい”と
自分の成長を最優先に考える。
恐らくそれが人のためにつながると思う。

間違っていたら師匠が正してくれるだろう。

だから、思い切ってやろうと思う。

チームは残留争いの真っ只中。

ベンチに入って力になりたいが
今年はスタンドから声を張り上げようと思う。

おかげでスタンドで応援してくれているULTRAS WASEDAを見ると、支えてくれる人の素晴らしさを再確認ができた。
これも良い経験だ。

週末に行われる「アルFriday」にも力を入れている。

これは広報で頑張ってくれている須藤の力になりたいと思って始めた。
俺たちメンバーで頑張っています。

意外な発見で自分は何かを作ることが好きなのだと気づくことができた。
これも遠回りをしたおかげだと思う。

まさに人のためにやったことが自分のためにできている実例だ。

自分の選択を成功にできるようなアクションを自分のために行う。

これからも折れそうになることもあるだろう。
でも、私には仲間がいる。
彼らと正解にたどり着いてみせる。

最後に、1年半前の自分へ
「幹、2浪してよかったやん」

明日は18番小林将也の部員ブログです。
ミドルシュートが持ち味の将也
部員ブログでもゴラッソ期待しています。

図3



浦田 幹(うらた もとき)
学年:2年
学部:スポーツ科学部
経歴:神戸市立大原中学校→兵庫県立夢野台高校

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