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【#Real Voice 2022】 「4年間を通じて」 4年・吉岡直輝

24人/25人中

同期で選手として関東リーグに登録された人数。

残りの「1」は、自分だ。

25人中25番目の選手。


12位/12チーム中

現在置かれている順位。

先日、関東リーグ2部降格を決めてしまった。

これが1人の選手として、4年生としての残すことになる「結果」。

98年受け継ぐア式蹴球部に紡ぐ歴史になる。


この4年間、生活の多くをア式蹴球部に捧げてきたと思う。

本当に色んなことがあった。

体が限界を迎えても、なんとか踏ん張った。

それでも、4年目の今年、「成果」として残すことができなかった。

1年目
仮入部期間最終日、滑り込みで入部。
その1週間後、初の公式戦で「前歯」と「記憶」を失う。
Aチームの菅平合宿に参加するも、再び「前歯」を失う。
Iリーグ(インディペンデンスリーグ)に所属し、ベンチでボトルに水を入れ続ける。

2年目
シーズン初めからFC(社会人リーグ)の公式戦に出場するが、プレーがひどくて、監物(4年・監物拓歩)に怒られる。
そのままFCに所属するも、足首の怪我と復帰を繰り返し、いつのまにかシーズンが終了。

3年目
3月、フィジカルテストで肉離れ。4ヶ月離脱。
残りの期間は、FCで全試合に出場。

4年目
シーズン初めから、FCのベンチ外。
またも練習中に肉離れ。2ヶ月離脱。
復帰後、Iリーグに移籍し、少し試合に出場。

4年間を振り返るとこんな感じ。
Aチームには上がることはほぼなく、多くの時間をBチーム(I・FC)で過ごした。
何も果たせなかった悔しさもあるが、多くの方々のサポートのおかげで、毎日充実した時間を過ごせた。

まず、社会人スタッフの方々。
特に、上赤坂コーチ(元ア式蹴球部コーチ・上赤坂佳孝さん)、隆二さん(現鹿島アントラーズコーチ・鈴木隆二さん)には感謝してもしきれない。
サッカーの楽しさ、勝負の厳しさ、人との信頼関係の築き方など、多くの事を学んだ。
社会人の方々と、毎日これほどの時間を共有することができる大学生は、早々いない。

次に、部員達。
1人1人の個性や熱量、行動力に圧倒され、刺激を受け続け、「自分も頑張ろう」と日々の活力をもらった。
先輩、後輩、同期達が、どんな事でも頑張れる理由になっていた。

最後に、家族、友人。
陰ながらも常に応援し、鼓舞し続けてくれた。
自分の思い描いていた4年間でなかったが、この人達の期待に応えたい、と踏ん張れた。

自分に関わってくださった人達全員に、心の底から「ありがとう」と伝えたい。

16年間のサッカー人生で与えてもらった恩恵は、今後の社会人生活で必ず返し、恩を回していきたい。


そして、こんな4年間を通じて、「成果」の大切さに改めて気付かされた。

「結果」と「成果」どう違うのか。

「結果」
結末が、良いものも悪いものも含まれる。

「成果」
必ず良い結末を指し、悪い結末には含まれない。

つまり、「成果」を残せず、悪い「結果」だけが残ってしまった。


ア式蹴球部の数々の取り組みが評価されるのは、

「関東1部リーグ在籍」

「関東大学サッカーリーグ最多優勝校」

「全日本大学サッカー選手権最多優勝校」

という「成果」があるから。

「成果」を出し続けないと、より多くの人に「活力を届ける」舞台も失われ、「日本をリードする存在」からも離れてしまう。

これは4年間の生活を経て、強く感じたこと。

内部にいると、この贅沢すぎる環境に慣れ、忘れてしまいそうになるが、絶対に忘れていけないことだと思う。

そして、その「成果」を残せるのは、ピッチに立つ選手11人だ。

部員全員が「当事者」であるし、勝つために全力でサポートし、環境を整えることはできる。

しかし、得点を決め最終的に勝利に導くのは、「選手」であり、「監督」でも「スタッフ」でもない。

その「選手」としてピッチに立てなかった自分、その環境を後輩達に残せなかった自分は、本当に情けないと思っている。

すまない。


それでも、あと1試合残されてる。

泣いても笑っても、最後の試合だ。

「選手」としてピッチに立てないかもしれないが、できることは全て、全力でやる。

1つでも高い順位で終わり、勝って笑おう。

「成果」を出そう。

◇吉岡直輝◇
学年:4年
学部:商学部
前所属チーム:早稲田実業学校高等部


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