勝利と敗北の科学 〜サッカークラブ編 〜
ゲームが始まって10分後には、勝利を確信できることがある。
ゲームの流れ、攻守におけるプレーの再現性、相手チームのメンバーや戦術など、様々な情報から90分後の勝敗を予知する。
そして、多少の紆余曲折がありながらも、年間を通じて予想通りの結果・勝率へ導く。
サッカーなどのトップスポーツにおいて、再現性高く勝利へ導く術があるとしたら、それは物理や科学の領域が重なっている証明でもある。
再現性こそ科学の醍醐味であり、トップアスリートの世界においても、最後の最後に勝負を分ける要素となる。
本稿では「勝利と敗北の科学」として、これらの現象について深堀をしていく。
プロサッカーは科学と芸術が融合した作品
トップアスリート達の世界においても、少なからず「再現性」を理解していたり、統計的に体現している事例がある。
感覚的に体現している者もいれば、データ分析をもとに結果へ導く者もいる。
そして、時には、科学的には説明できない想像を超えたパフォーマンスを発揮する選手も現れる。
まさに、「芸術(感性)と科学(データ分析)の融合」である。
プロサッカーのようなトップスポーツの勝敗は、ある種、一つの芸術作品を生み出している意味合いが強い。
この感覚は年代を問わず、どんな世代のサッカーにも当てはまると確信している部分がある。
様々な年代から紐解く成長と勝利の科学
筆者はこれまでに、全国クラスの高校年代、全国クラスの大学生年代、Jリーグクラブなど、選手としての立場だけでなく、指導者やチーム強化スタッフとして多くのクラブの勝利や敗北を経験してきた。
史上初の全国高校サッカー選手権出場、史上初の全国社会人選手権出場、リーグ最低予算で史上初のJ2リーグ昇格などの輝きもあれば、史上初の東京都リーグ降格など絶望的な経験もしてきた。
そしてある時に、「再現性のある勝利」と「再現性のない勝利」の存在に気付く瞬間に向き合った。逆説的には「再現性のある敗北」の存在もあると。
突き詰めていけば、サッカーも科学的な要素が沢山見つかるのかもしれない。
サッカーにおける芸術性と科学性の調和こそ「美しく勝つ」の再現性につながるのかもしれない。
こうして、「勝利と敗北の科学」へのデータベースが積み重なっていくこととなる。
これからどんな現象に出会えるのか、どんな再現性(科学)に出会えるのか、どんな芸術的な選手に出会えるのか。
サッカーからこういった魅力を感じている人間もいる。
勝利と敗北の科学は、これからも進歩し続ける。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?