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#6【体験談】残念な企業研修講師デビュー戦_当日編

みなさん、こんにちは。
中小企業診断士の岩瀬敦智(いわせあつとも)です。

このコラムのテーマは「経験がない診断士が、企業研修講師としてキャリアアップして、安定して稼ぐためのヒント集」です。

本記事では、何かヒントにしていただけるのではないかと思い、私の企業研修講師デビュー戦の様子を書いてみることにしました。ご興味があれば、ご一読いただけますと幸いです。

ちなみに、本記事の前段である「当日までの準備編」を併せて、お読みいただくと記事内の状況がイメージしやすくなると思います!

いざ、研修会場へ!

人生初の企業研修講師のデビュー戦当日を迎えました。

10時から研修スタートのため、9時に都内の研修会場近くのカフェで教授と待ち合わせし、軽く打ち合わせ。その後、9時30分にクライアントであるファッション系小売業の研修会場に入り、人事担当者の方と挨拶をしました。

9時45分頃に、受講者であるスーパーバイザー陣が続々と会場入りしてきました。そして10時になり研修がスタート。私の出番は15時~16時までの1時間。それまでは教授の登壇の様子をオブザーブしていました。

もちろん、教授は大学院の講義と変わらぬ素晴らしいファシリテーションで研修が進行していきました。一方で、教授のファシリテーションが熱気を帯びていけばいくほど、自分自身の緊張も高まっていくのを感じました

受講者と会話が弾まないランチタイム

ランチは受講者と一緒に、近隣の中華レストランでとることになりました。レストラン会場は5~6名掛けの円卓が複数あるスタイルで、教授と私は別々のテーブルに着座しました。人事の担当者の「より多くの受講者に講師と話してもらいたい」という配慮があったようです。

しかし、受講者5名に囲まれた私は、途方に暮れていました。隣の円卓では教授が和やかに受講生たちと談笑している中、私の方はというと、自分の講義のことで頭がいっぱいであること、何よりも極度の緊張状態にあったことで周りの受講者とろくに会話できませんでした。隣の人と直前までおこなわれていた北京オリンピックで女子ソフトボールチームが金メダルに輝いたことなどについて、ポツリポツリと雑談するのがやっとで、食事の大部分の時間、気まずい沈黙だけが過ぎていきました

長い長い1時間と研修終了後の衝撃的な一言

そして、いよいよ私の出番になりました。先方の人事担当者に「では、ここからは、売場づくりの専門家である岩瀬先生にVMDの基本について教えていただきます。岩瀬先生よろしくお願いします」と紹介していただいてから1時間。

本当に本当に長く感じられた1時間でした。

受講しているスーパーバイザーが百戦錬磨に見え、自分に登壇経験が無いことが見抜かれているのではないか、という悪いイメージがみるみる膨らんでいき、心拍数が上がるのが分かりました。そして自分が緊張していることを認識した途端、頭が真っ白になりました。あれだけ、暗記するほど繰り返したはずの言葉が出てこない話が繋がらない

その後、なんとか与えられた1時間を必死に、投影しているスライドをめくり続け、たどたどしく説明をしながら終えました。

あたかも強い流れの川の中で、流れとは逆方向に向かって泳いでいるような感覚でした。何を話したかはうろ覚えですが、ふいに見た時に後ろに座ってオブザーブしていた教授の表情が若干強張っていたこと、人事担当者が途中から下を向いて聞いていたことだけが妙に印象に残っています。

みるみる緊張が高まっていったスパイラル

研修終了後。。。人事担当者と教授が会場の隅っこで、険しい表情で小声で話している会話が断片的に聞こえてきました。ほとんどの会話は聞き取れなかったのですが、「どうして、先生が一人でやってくださらなかったのですか」という人事担当者の衝撃的な一言だけは、おそらく語気が荒かったせいだと思いますが、はっきりと耳に入ってきました。本当にいたたまれない気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。

自分は企業研修講師には向いていないという実感

その帰り道、東京メトロの中で、教授から、人事担当者との話をおくびにも出さずに優しく「がんばったね。デビュー戦にしては上出来だよ」と言葉をかけていただきました。強張った笑顔で「ありがとうございます」と返しましたが、その時に内心感じた「気を遣わせてしまって申し訳ないな…」という気持ちは今でもリアルに思い起こされます。

こうして当時の私にとって、突如として訪れた企業研修講師のデビュー戦は「残念」とか「ほろ苦い」という言葉では生ぬるい、惨劇と呼べる記憶として深く刻まれることになったのです。同時に、「自分は企業研修講師には向いてなんだな。とてもじゃないけど、教授のようなレベルには到達しそうもない。。。」と実感したのでした。

一生懸命やったのにたった1時間も話せなかった。。。企業研修講師には向いていないという思い

さて、ここまで私の研修講師デビュー戦の当日の様子を書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。ダメな点が多すぎてまったく参考にならないよ!というお声も聞こえてきそうですが、折角ですので、時間がある時に以下の問いをちょっとだけ考えていただくと、この記事もお役にたつかもしれません。

参考になれば幸いです

その後のこと

その後、実は現在の私にとって、この時に作成したコンテンツをベースとしたVMD研修がキラーコンテンツの一つになっています。また、この教授からはその後も企業研修のオファーをはじめ、現在に至るまで様々な機会をいただくこととなり、本当に感謝してもしきれません。

ちなみに、私が担当する2023年の1/28、2/11、3/12の理論政策更新研修(中小企業診断士対象:経営教育総合研究所主催)のテーマは、「中小小売業のVMD戦略」です。いずれも時間は13:30-18:00です。ご興味がある先生は、ぜひ参加を検討いただけますと幸いです!

それはさておき、この時、「自分は企業研修講師には向いていない。やっていけない」と嫌というほど実感した私でしたが、その後、あることがきっかけで、企業研修講師としてのキャリアを積んでいくことになります。そのきっかけとなったエピソードは、後日、綴る予定です。

引き続き、お付き合いいただければ嬉しく思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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