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【コロナ解体新書12】 奇跡の新薬?日本が大量に保有するアビガンって実際に効果があるの?

※こちらはYoutubeチャンネル「和佐大輔/疾走する車椅子社長」の 【コロナ解体新書】奇跡の新薬?日本が大量に保有するアビガンって実際に効果があるの? を書き起こして編集したものです


和佐:どうも、和佐です。

今回も「コロナ解体新書」として、新しい動画を撮っていきたいと思います。よろしくお願いします。

木坂:はい、お願いします。

和佐:今回は、アビガンっていう薬についてお話を聞かせていただきたいと思います。

政府が20ヶ国へ無償提供するという話があったので。実際にコロナに効くのかっていうところを……元々アビガンってコロナの薬ではないですよね?

木坂:そうだね。

和佐:だからその辺の話だったりとか、データの根拠みたいな事を聞いてみたいんですけど。


--アビガンって何の薬?コロナウイルスにも効くの?--

木坂:元々3月のわりと早い段階で、中国の、いわゆる新型のコロナの患者を対象にした論文が出てて。

「アビガンを投与した群とそうじゃない群とで比較して、どうでした」みたいな論文がね。

「CTで見た時に肺にすりガラス状の影があると、典型的な間質における肺炎が起こってますね」って前の動画で話したと思うけど。

肺の細胞のぶどうの皮にあたる部分の肺炎が起こっている患者に対して、アビガンを投与したら、90%の人が良くなった。

一方で、アビガンを投与しなかった群は6割が良くなった。

裏を返せば、アビガンを投与して良くならなかったのは10%、アビガンなしで良くならなかったのは40%あるわけじゃん。致命に至るのを1/4にできた、ってことだよね。

これは効果があるぞ、ということで論文が出たのよ。これは凄そうだ、って世界が注目したのね。

実は、この論文はつい先日撤回されてんの。

理由はまだ公表されていないんだけど、掲載されていた論文のサイトから「撤回しました」っていう旨のページになっちゃってる。

正確に言うと、撤回っていうか“取り下げ”っていう形。だから、もしかしたら改訂版みたいなものが後々出るかもしれないけど、今んとこ取り下げられてる。

和佐:でも効果はあったっていうことなんですよね?

木坂:そこがちょっと微妙。

臨床的に言えば確かに効果はあったんだけど、「論文に求められる科学的な厳密性に欠けていた」っていう指摘が多くて。

例えば、こういう科学的な論文の時は“盲検法”っていうのを採用しなきゃいけない。要は、“医者も患者も何の薬を今使ってるかわかんない状態”じゃなきゃいけない。

和佐:あーなるほど。そこにバイアスが入ると結果が変わる、と。

木坂:変わっちゃう。

盲検法を採用しないとプラシーボ効果みたいなのが出てきちゃうから、そういうのを全部排除する為に盲検っていう形でやんなきゃいけない、だけどそれが今回の論文の調査では徹底されてなかった、とか。

あと、グルーピングが不適切だった可能性。「アビガン使ったほうの平均年齢が若かったんじゃないか」とか。

だから「調査結果が本当にアビガンの効果かがよく分からない」っていう指摘があった。たぶんそれで取り下げられてる。

和佐:その実験って、それぞれの群何人ぐらいずつでやるもんなんですか?

木坂:この実験では、確か両方とも40人前後だったと思う。

和佐:じゃあ、もし正しい実験ができてるんであれば、数字としては……

木坂:そうだね。十分ではないけど悪くはない。2とか3とかじゃないから。

和佐:そうですよね。5人ずつとかだったら、たまたまの可能性もあり得るかな、と思ったんですけど。

木坂:この数字なら全く無意味な報告、ではない。

和佐:それを、何で日本がいっぱい持ってるんですか? アビガンってそもそも何の薬?

木坂:まずアビガンっていうのは、日本人が作ったインフルエンザの薬なんだけど。白木さんっていう人が開発した。メイドインジャパンなのね。

でも、我々インフルエンザになった時にアビガンって聞かないじゃん。

和佐:そうですね、聞いたことないですね。

木坂:タミフルだとかリレンザだとかイナビルだとか。その3つが出されると思うんだけど、アビガンっていうのは出されないのね。

アビガンって完全に政府が管理してるから。備蓄用なの。

和佐:なるほど。

木坂:何の為に備蓄してるか。

インフルエンザだけじゃないけど、薬使うと細菌とかウイルスって変異していくでしょ。

だから、タミフル使ってると、タミフルが効かないインフルエンザウイルスとか将来的に生まれちゃうかもしれない。

「もうタミフルとかリレンザとイナビルとか、だいたい効かなくなってきたね」みたいな事態が生じた時に「アビガンいくか」っていう。

リーサルウェポンみたいな感じで備蓄されてる。だから完全に政府の管理下なの。

和佐:でも、「タミフルとか効かなくなってアビガン使ってみました」ってなった時に、効くかどうかわかんないですよね?

木坂:理論上は効く。アビガンっていうのは、作用機序がタミフルとかとは全然違うの。

アビガンって構造的にものすごい薬で。

ウイルスって2種類ある。DNAウイルスとRNAウイルスっていうのがいるのね。

DNAっていうのは皆さんよくご存じの、二重螺旋になってるやつ。

RNAっていうのは、あれが1本なのよ。一重螺旋構造。こっちのRNAウイルスであればアビガンは全部効く、って開発者は言ってる。

確かに、作用機序を考えるとそうなんだ。

RNAウイルスが増殖するっていうのは、つまりRNAをコピーして増やしていくってことなんだけど。アビガンはこのコピー自体を止めちゃうのね。

タミフルとかは、別にコピーは止めないのよ。

ウイルスって細胞の中で増殖していって、一定以上増殖するとその細胞からポインって飛び出して、隣の細胞に移って、隣の細胞でまた増殖して一定以上増殖するとまたポインって飛び出して行くんだけど。

タミフルとかは、この飛び出すのを邪魔すんのね。「細胞の中で増殖するぶんには構いませんよ。だけど、外に出ないでくださいね」って閉じ込める薬なんだよ。

でもアビガンは違う。ウイルスの増殖自体を止める。だから薬としてはものすごい強い。

だから、副作用の問題がすごい指摘されて備蓄用に回ったの。「第一選択薬ではありませんね」って。

和佐:実際副作用はあるんですか?

木坂:あると言われてる。

和佐:どんな副作用が?

木坂:動物のレベルで言うと、一定の割合で奇形が生まれる。奇形のリスクが上がるから、妊婦には絶対使えない。

新型コロナで実際アビガンを使ったっていう病院の人に聞いたんだけど、やっぱり「ちょっと副作用強い」って言うね。やっぱり薬自体が強いんだと思う。

和佐:目に見えた副作用があるってことですか?

木坂:そうだね。倦怠感とか……特に、コロナと戦って体が弱ってる時だから、そういう人ほど副作用って強く出る。

そもそも、アビガンに限らず薬の副作用って無限にあって。

お腹壊れるとか、吐くとか、発疹が出るとか、そんなのから始まって、痙攣するとか、場合によっては神経が異常になるとか。

これはアビガンの副作用じゃないけど、意外かもしれないけど、「風邪ですね」って言われた時によく出されるとある抗生物質の副作用で“アキレス腱断裂”ってのがあるよ。

和佐:それ副作用なんですね(苦笑)

木坂:そうそう、飲んだら何故かアキレス腱切れんのよ。怖くない?

和佐:切れやすくなるんじゃなくて、切れるんですか? そんな事あるんですね。

木坂:「どういう理由だよ!? 」と思うんだけど。

和佐:ピタゴラスイッチ的な感じですか(苦笑)

木坂:そうだよね。「風が吹いたら桶屋儲かりました」みたいな(苦笑)

和佐:へー。面白いなぁ。

木坂:人間の体ってすごい複雑だから、バタフライエフェクトみたいな事が本当に起こるわけ。「この細菌殺そうとしたらアキレス腱切れちゃった」みたいな事があんのよ。

で、特によく効く薬ほど当然副作用は強い。

アビガンが第一選択薬になんなかった背景にはそれもあるだろうと言われてる。

要は、副作用が強すぎて承認が遅れたんだよね。だからタミフルとかに先を越された、っていう事情がある。

いずれにしても、アビガンっていうのはRNAの複製そのものを抑えていく。

この新型コロナウイルスもRNAウイルスだから、絶対に効くって開発者は言ってるの。実際に世界の臨床では効いてんの。

だから日本は「うちアビガンいっぱい持ってますから。どうぞ協力しますよ」っていう形で恩を売ってんだと思う。


--アビガンの投与の難しさ--

和佐:なるほどね。それはもう日本でも使われてるんですか?

木坂:一部使われてる。

和佐:まだ一部?

木坂:簡単に手に入んないから。

和佐:なのに他の国へ分け与えちゃうわけですよね?

木坂:全部じゃないと思うけどね。

もちろん国内用をちゃんと確保した上で……200万錠かな? 200万人分か200万錠か忘れたけど、そのぐらいは備蓄があったはずだから、それをうまいこと配分するんだと思う。

日本でも、患者のインフォームドコンセントが取れれば、すでに使ってる例はありますよ。

和佐:じゃあ今後当たり前に使われるかもしれないってことですか?

木坂:かもしれない。

タミフルとかのインフルエンザの薬って、早めに使わないと意味がないって言われるでしょ。

和佐:インフルエンザはねそうですよね。早めじゃないと意味ないって言いますよね。

木坂:アビガンも同じで、投与が早くないと効果がない、っていう論文もあるの。

今回の新型コロナで、発症してから13日とか14日、要は2週間ぐらい経っちゃったあとにアビガン使っても帰らぬ人となりました、みたいなデータもある。

でも発症から6日目とかに使うと結構治るのよ。データ上はね。もちろん他の条件もあると思うんだけど。

そういう意味で、割と早くにアビガン使えれば重症化せず治る人が増えるんじゃないか、っていう期待はすごいされてる。

和佐:なるほどね。でも今回のコロナに関しては、早期発見ってなかなかできないですよね。

木坂:できないのよ。そこがすっごいジレンマ。

和佐:そうですよね。それ言っちゃったらまた病院に軽症の人とか、感染の可能性の低い人が殺到するじゃないですか。

木坂:そうなんですよ。でもアビガンは備蓄用で、全部の病院にはないから。

例えば町のクリニックとかで「インフルエンザですね。タミフル出しときますね」はあるよ。タミフルは普通の病院に在庫いくらでもあるんだよ。

だけど、「あーインフルエンザですね。アビガン出しときますね」はないから。

そもそも、コロナ陽性であるって判断されないと、コロナ用の指定病院に行けないじゃん。アビガンは基本的にそこにしかないから。

でもそこに行った時にはもう発症から1週間以上経ってるってことになる。だからギリギリなんだよね。

和佐:陽性になるまでに結構時間かかりますもんね。

木坂:そうだね。今の検査だと翌日には出ないと思う。自前でコロナの検査の施設持ってる病院でも、2日ぐらいはかかるはずだから。

和佐:「検査自体をそんなにしてくれない」って話も出てますよね。だから「様子見てくださいね、様子見てくださいね」って言われて結局1週間くらい経つっていう。

木坂:経つ経つ。アビガンは、本当はそのぐらいにはもう使いたいのよ。

だから、これは無理だと思うけど一番いいのはこういうこと。

世の中にCT持ってるクリニックっていっぱいあるわけ。レントゲンだときついんだけど、CTで見れば、コロナ患者特有のすりガラス影が出てるかどうかがすぐわかるのね。

だから、「CTで見てすりガラス影出てたらアビガン」っていうくらいを許可してもいいんじゃないか、と思うんだよね。

検査で陽性にならないと新型コロナの治療ができない、ってことになっちゃってるから、今はやたら時間かかってるわけ。

でも、街の医者でCT持ってる病院なんてあるから、そこには全部アビガン送っといて、「CT見てすりガラス影が見えたらアビガン出していい」って厚労省が言えばいいと思うんだよね。

それで救われる命結構あると思う。

和佐:もうちょっと基準を下げて、「検査はできないけどCTなら出来ますよ」とすれば……。

でもCTが混みそうですね。あれ時間かかりますもんね。

木坂:あと新型コロナの患者が分散する。街のクリニックに、コロナ感染者の可能性のある患者がいっぱい行っちゃうから。

和佐:その辺のコントロールが難しいんですね。

木坂:そうそう。たぶんそういう事情があって、そういう事言わないんだと思う。


--インフルエンザの薬がコロナにも効く?--

木坂:でもね、結構面白い行政指導みたいのがあって。先月(3月)だと思うけど、「インフルエンザの検査をしなくてもインフルエンザの薬出していい」ってことになったの。

今までだったら鼻に棒を突っ込んで「あーA型ですね、B型ですね」がわかってはじめて「タミフル出しますね、リレンザ出しますね」とかだったじゃん。

これ、鼻に棒突っ込まなくてよくなったの。

高熱が急に出た、全身が痛い、喉が痛い、みたいな明らかなインフルエンザの症状が出てるんだったら、すぐタミフル出していい、という形にはなったんだよね。

この、インフルエンザっぽい症状のある患者の中の一部は、たぶん新型コロナだと思うんだよ。

だから、一応建前上「医者が新型コロナのウイルスに暴露する(晒される)のを防ぐ為に検査を省略した」っていうふうに厚労省言うんだけど、

たぶんこれは新型コロナの患者に早期にインフルエンザの薬を投与したいんだ、と俺思うんだよね。それで、自宅で様子見させたいんだと思う。

和佐:それで効果はあるかもしれないんですか?

木坂:あるかもしれない。今のところ、どのインフルエンザの薬でもポジティブな結果が出てる、という論文は出てる。

もちろんネガティブな結果が出てる論文もあるよ。だけどポジティブもあるから、やってみなきゃわかんないって感じなんだよね。

和佐:臨床してみないとわからない、と。

木坂:だから、今話したケースだと、高熱が出ているとはいえまだ自力で医者の門を叩けるぐらい元気なわけじゃん。「インフルエンザっぽいっす。寒いっす。痛いっす」って来てるわけだから。

そのぐらい軽症の段階でインフルエンザの薬ドンって出したら、もしかした効くかもしれないよね。

和佐:なるほどね。タミフルなんて通販で普通に買えますよね。

木坂:うん。まぁ政府はよしと言わないと思うけど。

和佐:ジェネリックみたいなやつで売ってませんでしたっけ? タミフルって名前じゃないのかな。

木坂:だいたいの薬は買えるから。

和佐:ちょっと名前の違うやつ売ってますよね。

木坂:個人輸入っていう形になるからね。

和佐:そういうのを家で持ってればもしかしたら、ってことですかね。

木坂:可能性はあるけど。たださっきも言ったけど、やっぱり薬には絶対副作用があるから……

和佐:あんまり簡単に飲まないほうがいい?

木坂:むやみに使うべきものではない。

ただこの新型コロナに関しては、病院のキャパの関係で検査渋ってるっていうことで、どうしても「家で様子見てろ」ってずっと言われる。

けど、そう言われ続けて不安で死にそうな奴もいるわけよ。

そういう奴には、極端な話“オンライン診療でインフルエンザの薬出せる”っていうのに限りなく近いところまで来てるわけだから、だったら個人輸入もたぶん政府は目つぶると思うんだよね。

和佐:個人輸入ってダメなんですね?

木坂:いや、輸入自体はダメじゃない。好きに使っていいんだよ。だけど「やめてください」とは言うよね。

和佐:そうなんですね。個人輸入サイトは、潰れたり出来たり潰れたり……みたいなのがありますよね。

タミフルも、別にインフルエンザウイルスにだけ効くわけじゃなくて、今言ってたようなウイルス全般の増殖する力を止めるような感じの効果なんですか?

木坂:タミフルっていうのは厳密にいうと、さっきも言ったように細胞から飛び出すのを邪魔するんだけど。

ウイルスは、飛び出す時にノイラミニダーゼっていう酵素を使うのね。これを使ってピョインって飛び出していくの。この酵素の働きを阻害するのがタミフル。

今回のコロナがこの酵素を持ってるかはわからない。だから、持ってなかったとしたら何にも効かない。

和佐:なるほどね。じゃあ、新型コロナがその酵素を持っているかどうかが分かってきた時、もしその酵素を持っているなら、タミフルにも多少期待できるかも、っていうことですね。

木坂:仮にインフルエンザと一緒でコロナウイルスが、ノイラミニダーゼ使ってピョインって飛び出してるウイルスだとしたら、タミフルみたいに発症48時間以内に使えば、かなり効果が期待できると思う。

和佐:なるほどね。でも発症48時間以内って結構厳しいですよね。

木坂:結構厳しいよ。

和佐:インフルエンザの薬って、どのタイミングで飲むんだろう、っていつも思うんですけどね。

木坂:そうなんだよね。なるはやで、っていう感じなんだよね。

検査で判定できないぐらい早くに、本当は使うべきなんだよ。判定できないほど早い段階だと本当にインフルエンザかがわからないから使えないだけで。

和佐:もう「用心のために飲む」みたいな、そのくらい早くないと。

木坂:本当はそれが一番いい。

和佐:「でも副作用恐いし」みたいな。なかなか難しい問題ですね。

木坂:だから、アビガンみたいな副作用が強めの薬は、どうしても第一選択薬になりづらい。

でもアビガンは、エボラとかにも効くことが分かってる。エボラもRNAウイルスなのよ。エボラに関しては致死率を半分以下にするってデータも一応出てて。

和佐:すごいですね。

木坂:アビガンは「RNAウイルスに対してわりと無敵だ」って開発者は言ってんだよ。

和佐:コロナに限らずウイルスって、そもそも体の中に色んな種類のがいっぱいいるもんなんですか?

木坂:それは何とも言えないけど、通常はいないね。

和佐:通常はいないんですね。じゃあ菌とはまた違うですね。

木坂:ちょっと違う。ウイルスっていうのは、厳密に言うと生き物じゃないから。

要は“DNAむき出し”“RNAむき出し”っていうもので、感染してないと増殖できないのよ。自分で細胞分裂できないから。だから厳密にいうと生物ではないんだよね。

和佐:じゃあ、常在菌みたいに良い作用があるようなウイルスってのはないんですね。

木坂:いんのかもしんないけど今んとこはわからない、って感じだね。

和佐:そっか。じゃあ色んなウイルスに効くものを飲んだってとりあえずは問題ない、ということですかね。

例えば、抗生剤とか飲んじゃうと大腸菌を一緒に殺しちゃったりとか、腸内細菌一緒に殺しちゃったりとか、狙った菌だけじゃなくて他の菌も殺しちゃうわけじゃないですか。

そういうの、ウイルスの場合もなんか問題あるのかな、と思っただけです。

木坂:そういうのが問題になってるのを俺は基本的に見たことがないから、抗生剤ほどは問題になんないんだと思う。


--アビガンの強い副作用--

木坂:ただ“耐性化”っていうのは同じように問題になるけど。要は、タミフルが効かないインフルエンザウイルスが生まれるとか。耐性ウイルスが出来ちゃうってこと。

でも、アビガンは耐性ウイルスも出来ないんだよね。

和佐:無敵ですね。

木坂:これがすごいとこなのよ。

今回のコロナって、ワクチンできるまで基本的にはこの状況ずっと続くわけじゃん。

で、RNAウイルスっていうのは、相対的に言うと変異しやすいのね。要は、遺伝子のコピーのエラーが治しにくいのよ。

DNAは二本あるから、一本でエラーが起こってももう一本で治せるんだけど、RNAは一本しかないから、一回エラー起こるともうそのままなのね。

エラーってのは変異ってことだから、RNAウイルスは相対的にすごい変異しやすいのよ。

じゃあ仮に、一時期話題になったエイズの薬がコロナに効くとしましょう。エイズの薬ずっと使ってると、新型コロナウイルスが変異して効かなくなることあるんだよね。

そうなったらまた人々は恐怖におののくわけじゃん。「ついにあの薬効かなくなったぞ」って、また同じ話になっちゃうわけ。

でもアビガンは、使ってもウイルスが耐性化しないから、ずっと効くんだよ。

和佐:ワクチンを待たずしてアビガンで何とか抑えるってことも、考えられるんですか?

木坂:効くならね。

和佐:本当に効くなら、ってことか。なるほどね。ワクチンはまた違うんですか?

木坂:ワクチンは全然違う。ワクチンは別にウイルスを殺すものじゃないから。人間側に免疫をつけるものだから。

和佐:取り囲んで動きを阻害して、みたいな。

木坂:そう。抗体を作る感じ。

和佐:ウイルスが悪さできないような体になる、ってことですね。

木坂:そうそう、そういうこと。

だからBCGも、結核に感染しないわけじゃないんだよ。感染しても平気になるだけなんだよ。

インフルエンザもそうじゃん。インフルエンザワクチン打つと感染しづらくなるし、したとしても重症化しにくくなるのよ。

ワクチンっていうのはそういうもんだから。

でもアビガンはウイルスを死なせていくから、ワクチンと全然違うんだよ。

和佐:それ副作用的なものも、やっぱりアビガンのほうが強いってことですか?

木坂:何より?

和佐:ワクチンより。そもそもワクチンって副作用は特にないんですか?

木坂:アビガンの副作用のほうが全然強いよ。

ワクチンも副作用あるけど、極力無毒化して使用するから。最初の反応が一瞬出る時に急に熱っぽくなったり腫れたりとかいう副作用がある程度。

何万件に1件とか、全身性のやばい副作用ももちろん出るんだけど、直接ウイルスを攻撃していくような薬のほうが全身の副作用が強く出る傾向にあるね。

和佐:なるほど。


--若者は「寝てろ」、その他今後の方針は?--

和佐:じゃあ今後、アビガンで時間稼ぎするというか、アビガンでやっていく場合を考えると、重症化しやすそうな高齢者や疾患持ちの人には積極的に早い段階から投与しつつ……

木坂:そうそう。

だから国が出してる基準も、普通は「熱が4日続いてる」とかだけど、「高齢者は2日」とか書いてあるんだよね。老人は早く来て早く対処しないと、一気に悪くなっちゃうから。

和佐:なるほど。じゃあそこにまた若者が殺到すると医療崩壊になっちゃうから、「若者は寝てろ」と。

木坂:そう、「寝てろ」。

だし、さっきも言ったようにこの新型コロナっていうウイルスをもうインフルエンザと同じような扱いにして、街のクリニックでも普通に診れるようにすればいい。

アビガンどんどん大量生産してクリニックに備蓄させればいいんだから。

それで、基本的には「インフルっぽい、コロナっぽい」という人には全部一回アビガン出す、っていうふうにすればいい。

和佐:それによって分散しちゃうっていう問題も出てくるよねって話、さっきあったじゃないですか。

木坂:もう分散させるつもりで。

和佐:「アビガン配るし。どんどん感染してください」みたいな。

木坂:そうそう。

“効果があるって分かったら”だよ。はっきり科学的に証明されたらそういうやり方もありじゃないか、と俺は思うけど。

和佐:それだったらシンプルでいいですよね。過度な自粛しなくてもよくなるし。経済的にもだいぶ負担が減るんじゃないすかね。

木坂:要は、インフルと同じに扱えるから。まず医療崩壊しないからね。

インフルエンザなんて年間1千万人がかかるけど、医療崩壊したなんて話聞いたことないでしょ。

和佐:聞いたことないですね。

木坂:だから、同じようにすれば絶対医療崩壊しないんだよ。

和佐:医療崩壊するかもしれない原因っていうのは、今ってコロナの指定病院が限られてるし、その限られたキャパん中でやるしかないから、ってことですよね?

木坂:それは大変重要なポイントで、「アビガンの話をしたいです」っていうこのコーナーでポロっと話していいのか悩むんだけど。

和佐:じゃあ次に回しますか。もう結構長い間話しましたもんね。

木坂:今後を考える上で、医療崩壊に関する事はすごく重要な視点なんだよ。

和佐:なるほど。じゃあ次回は医療崩壊起こさない為の話を。

今回はアビガンについて色々聞けたんで、みんなも色々新しい情報があって納得できたんじゃないかな、って気がします。

木坂:理論上は、アビガンは新型コロナウイルスに効きます、ってことです。

和佐:臨床上いろいろわかるのはこれからってことですね。

木坂:そう、確認されるのはこれからだけど、理論上はアビガンはすごく期待できる。

和佐:それが、世界中で臨床できるからデータも早く集まるし。

木坂:そういうこと。だからそういう意味もあってばら撒いてるはず。

和佐:なるほど、わかりました。ただ単にパフォーマンスとしてやってるわけじゃない、ということですね。

じゃあ今回はこれで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

木坂:ありがとうございます。


編集者:椋木愛美

引用元:【コロナ解体新書】奇跡の新薬?日本が大量に保有するアビガンって実際に効果があるの?


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