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【コロナ解体新書16】 実は感染者は日本で300万人超え? 抗体検査から見るコロナ感染者の実態

※こちらは、Youtubeチャンネル「和佐大輔/疾走する車椅子社長」の【コロナ解体新書】実は感染者は日本で300万人超え?抗体検査から見るコロナ感染者の実態を書き起こして編集したものです。

和佐:どうも和佐です。今回もコロナ解体新書を木坂さんと一緒に撮っていきたいと思います。

よろしくお願いします。

木坂:はい、お願いします。

和佐:今回はですね、アメリカの方とかでも抗体検査っていうのを実施したという話があって、その辺のデータとか、話を聞きかせてもらいたいんですけど。


--抗体検査って、そもそもどういう意味?--

和佐:これ、抗体検査って、そもそもどういう意味なんですか?

木坂:抗体検査っていうのはね、単純にウイルスとか細菌が体内に入ってきて感染が確立すると「こいつをやっつけねばならない」という風に体は反応するわけじゃん。

で、そいつに対するある種の兵隊みたいな、そいつ専属の兵隊みたいなのを作るわけね。それを抗体と言う風に呼ぶ。

その抗体ができると(一部の人はちょっと勘違いしてるけど)抗体自体がそのウイルスをめちゃくちゃにぶっ壊していくと言うよりは、正確には「ウイルスを中和する」っていう言い方をする。

抗体が十分にあると、ウイルスの毒性が中和されるのね。

中和されてるあいだに、その抗体が、マクロファージなどのウイルスを食べる免疫細胞の応援を緊急要請するのね。

そうすると、中和してる間にそいつらが「わーっ」と駆けつけてきて、パクッと食べて、いなくなっていくっていう仕組みなのよ。

和佐:漫画で"はたらく細胞"っていうのがあったと思うんですけど、あーいうイメージって事ですね。

木坂:免疫細胞っていう風に我々が言ってんのは、普通はそのマクロファージとかT細胞とかリンパ球って呼ばれるものを指すんだよね。

で、抗体っていうのはどちらかと言うと、指示役って言ったらあれだけど、免疫細胞がやって来るまでの時間稼ぎみたいな役割だね。

毒を中和して、ウイルスを自由に動けなくして時間を稼いでいる間に、免疫細胞たちが大量にたどり着いて全部食ってくれるっていう。そいうような役割なのね。

和佐:じゃあ抗体があると、感染したとしても症状が出なかったりとか、重症化しなかったりとかっていう事ですよね。

木坂:そうそう。でもインフルエンザのワクチンを打つと、どのくらい感染を防げるかは年によってちょっと違うから、何とも言えなくて......。実を言うとね、防ぐ効果が0%だった年もあるのでね。

だけど、防げようが防げまいが、いずれにしても重症化を防ぐと言われていて、その理屈は”抗体を作る”っていう事だね。

和佐:じゃあ、かからなくなるっていうわけではないって事ですね?

木坂:うん、残念ながらそれは約束はされてない。

和佐:なるほど。で、今実施されている抗体検査っていうのは、何の意味があるんですか?

--抗体検査を実施する二つの意味--

木坂:要するに抗体を検査する事によって感染した人の数が分かるのよ。

和佐:あーなるほど。じゃあ感染しないと「抗体ができない」って事なんですね。

木坂:一回体内に、しっかり感染が成立して初めて抗体っていうものが作られる。

例えば、この新型コロナの抗体検査をして「この人抗体持ってますね」という事がわかったとするじゃん。そしたらその人は、過去どこかのタイミングで感染したって事です。

和佐:もう治ってると?

木坂:治ってない人も、もちろん反応はする。だからこの抗体検査ってのは、扱いがちょっと難しくて、抗体があるからと言って、かからないわけではない。

プラス、抗体があるからといって体内にウイルスがいないってわけでもない。さっきも言ったように、今、中和中かもしれない。まだまだウイルスがいる、つまり、感染させる状態の人も抗体がある可能性はある。

和佐:じゃあそれを検査する事によって、何の役に立つんですか?自分が安心できるって事なんですか?

木坂:いや、自分が安心できるって言うよりは、この調査自体は個人の希望でやってると言うよりは、トップダウンでやってる。

何でかって言うと、”横断的な調査”って言い方をするけど、あるエリアもしくは国において抗体を持ってる人が何%程度存在するかっていうのを調査する意味は、結局何%の人が感染したかを調べてるって事。

集団免疫と呼ばれる状態がだいたい60%〜70%って言われてるから、そこまであとどれぐらいかが分かるよね。

そういう意味でまず検査してるってのが一つ。

もう一つ、これはたぶん、公ではなかなか議論されない部分ではあるんだけど、ドイツなんかは言ってるかな。”抗体を持ってる人から社会に復帰させる”っていう計画がある。

つまり、抗体を持ってる人は、感染したところで、おそらく重篤化しないわけじゃん。

だから「この人たちは、もう普通に社会で経済回してもらえばいいでしょ」っていう発想。どんどん抗体検査して、持ってる人にはある種”抗体証明書”みたいなのを出してどんどん社会に復帰させる。

もっと言えば、医療だよね。検査部隊とか看護部隊とか......。そういう、今の感染者・患者の人たちのケアをする様なスタッフとして動員しやすくなるんじゃないかっていう考え方は一つある。


--抗体保持率の傾向が少しずつ分かってきた--

和佐:それって、アメリカとかで実施された結果はどうだったんですか?

木坂:これが、もういくつかの結果は出てる。ドイツでもやったしアメリカでもやったし、オランダでもやったしデンマークでもやったしって言う風に、いくつかは出てんのね。

これからもっともっと出てくると思うんだけど、まずそのアメリカはカリフォルニアで実施してるんだけど、だいたいね、ちょっと差はあるんだけど3%前後ぐらいは抗体を持ってただろうっていう風な結果になってる。

最大で4.1%ぐらいじゃないかっていう様なペーパーだったんだけど。

これがどういう数字かって言うと、PCR検査で陽性が確定してる人の最大で85倍感染者がいるって言う結果だね。そのペーパーに書いてあんのは。

和佐:と言う事は、どうなるんですか?それはその地域でって事ですよね?

木坂:その通りです、もちろん。これを一般化する事は非常に難しい。

和佐:単純に一般化した場合はどうなるんですか?アメリカ国民の3%〜4%ぐらいは抗体を持ってるかもしれないって事なんですか?

木坂:かもしれないとは言えるけど、一般化は難しいよね。

ニューヨークが感染爆発している一方で、日本で言うと岩手県みたいにビビるぐらい感染者がいない様なエリアもなくはないわけね。

そこではたぶん抗体保持者の割合はだいぶ違うよね。だって感染リスクの高さが違うから。だから一般化は本当に難しい。

あくまでも「このカリフォルニアのサンタクララっていう場所限定で検査したら、このぐらいでした」っていう風に言われてる。

あと、これは我々にはそこまで気にしなくてもいい話ではあるんだけど、このペーパーは査読前の論文なのね。

査読前って事は正式な論文としてまだ受理されてないのよ。

だから、もしかしたらこれが受理されない可能性はある。そうするとそれはなぜ受理されないかって言うと「論文として適切な形式に従ってないと、ちゃんとした調査とは呼べません」という意味だから。

そうなってくるとこの数字自体がどこまで参考にできるかもわかんなくなってるけど、今のところは参考にして良さそうだという感じ。

和佐:それは、サンタクララっていう所はコロナの感染者が特別に多かったってわけでもないって事ですか?

木坂:カリフォルニア自体は結構多いよね。多分ニューヨーク、ニュージャージーの
次ぐらいに多いんじゃない。ちょっと詳しく数字追っかけてないけど、たぶん、3番目ぐらいだったと思う。

木坂:サンタクララ自体はたぶん感染者2000人ぐらいだったと思う。それを多いと見るか少ないと見るかは、人によると思う。

和佐:じゃあ、ちょっと前の東京ぐらい。数字としてはそのぐらいだったって事ですよね?

木坂:ただ、人口が東京の5~6分の1ぐらいなのよ。だからまぁ、多いと見るか少ないと見るかはもちろん人によるという感じ。

和佐:仮に、じゃあ、一般化した時に、ニューヨークだともっと抗体持ってる人が多いかもしれないって事ですもんね。

木坂:そうだね。多いかもしれない。

別の、ニューヨークで妊婦を対象に行なった検査があるのね。

これは抗体検査じゃなくてスクリーニングの検査で、PCR検査なんだけど、200人ちょっとぐらいの妊婦に対して、もちろん許可とって、検査させてもらったの。

そのうちの4人は既に発熱とかの症状があったの。でも残りの210人ぐらいは何も症状がないっていう状態でコロナの検査したのね。そしたらその発熱があった4人は全員、コロナ陽性だったのよ。

残りの全く何の症状もない妊婦のうち、13%は陽性だったわけ。という事は、全体の15%以上はコロナ陽性だったんですよ。

これ、非常に興味深い結果だなと僕は思ってる。この段階で、要は98%の妊婦は無症状だったわけよ。症状があったの4人だけだから。

でも、そのうちの13%は陽性だったわけよ。

ニューヨークみたいに感染が爆発してるエリアっていうのは、全体として15%ぐらいが感染者である可能性はあると思う。

もちろんこれは、かなり限定されてるエリアの話だから、一般化はもっとできないんだけど。

これについてはドイツの抗体検査でも15%ぐらいが想定されていた。

これももちろん、ドイツ一般じゃないですよ。ドイツの集団感染が起こった地域に限定して抗体検査して、そこの抗体保持率っていうのが15%だったわけ。

だから「感染が爆発したエリアだと、15%ぐらいになりそうだ」って事は、一つ言えるかもしれないね。

和佐:じゃあ、もうすでに今、感染者って言われる数がアメリカだけで何十万人ですよね。でもそれの何倍も感染者がいるんじゃないかって事ですよね?

木坂:いるでしょう。単純にカリフォルニアのサンタクララの結果だけで言っても最大85倍の感染者がいるって言う風に、そのペーパーには書いてある。

要するにそれだけ”無症状”もしくは、”病院になんか行く必要がない軽い風邪”で終わってる感染者がいるだろうっていうことを示唆してるわけよ。低く見積もって50倍いるだろうっていう感じなのね。

和佐:アメリカの全国民からしてみれば感染者の割合ってめちゃくちゃ少ないですもんね。
だって1%でも330万人て事なんで、1%以下の数字しかたぶん出てないと思うんですけど。

それが仮に4%とか5%とかって数字だとすればもう1500万人とか。

木坂:そういう事ですよね。だから日本だと、感染者の数は今9000人ちょっとぐらいかな?ちょっと正確な数字わかんないけど、そんぐらいだと思うんだけど、50倍にしたら45万人じゃん。85倍にしたらもう76万人以上になるじゃん。そのぐらいはいるんじゃないかって言う感じだよね。もしこのサンタクララの結果を日本にそのまま当てはめたらね。

和佐:無症状もしくは、まぁまぁコロナじゃないかなってぐらいのちょっとした微熱みたいなぐらいが、そのぐらいいるんじゃないかって事ですね。

木坂:「家で、なんかゆっくりしてたら、気付いたら治っちゃいました」みたいな。

だからそのぐらいの数の感染者っていうのは、おそらく世界中どこでも普通に感染が確認されているエリアであればいるって想定してもいいかもしれないね。

和佐:これって、集団免疫の状態が60%とかっていう風に想定されるわけじゃないですか。逆にそっちから見ると、まだまだって感じですよね?

木坂:もちろん、まだまだだね。

和佐:10%、15%って事なんで、まだまだ、もっと感染が広がらないと結局、集団免疫は獲得できないと。

木坂:そうそう、て言うか、10%、15%はもう感染が爆発したエリアの話だから、そうじゃないエリアがもしこの結果通り3%とか4%ぐらいだとするとあと56%ぐらいは伸ばしていかないといけないから。

和佐:それって単純にじゃあどうなるんですか?例えば日本で仮に5%ぐらいの人が感染してましたってなった時にあと10倍は感染させなきゃいけないって事になるじゃないですか。て事は10倍死者が出るか?

木坂:10倍死者が出る可能性はあります。だからそれは誰が感染していくかの問題になるけど。でも単純にね、このまま普通に感染していけば10倍になるんで、今150人ぐらいだとすると1500人ぐらいは死にます。

和佐:でも逆に言えば、そのぐらいっていう事ですよね。

木坂:これは、だから数字をどう解釈するかの問題になるから。ネットとかを見るとさぁ「じゃあ3%の抗体保持率だとしたら、うわー、これをあと20倍ですか」「この悲劇が20回も繰り返されないと集団免疫にならないんですか」って、悲観バイアスかかってる人は言うわけね。そういう見方も一つあると思うよ。

それは算数としてはその通りだから。だけど例えば日本の様な状況の国でこれを当てはめたら「あー。まぁ20倍になったら確かに被害は増えるけど1500人か」と。

1500人っていうとだいたい、1年間で老人が喘息で死ぬぐらいの数だから「なんかそんなもんですか」みたいな。インフルエンザで死ぬ人の1/7ぐらいですよ。年間死ぬ数で言えばね。それを脅威とみるかどうかっていうとこになってくるよね。

これはもう、何が正しいって言うよりは、価値観の問題になっちゃうから、この辺はちょっと水掛け論になると思う。

和佐:重要なのは、今、陽性と出ている数字に対して感染者は何十倍もいるっていうことが分かったってことですよね。

木坂:いる可能性が高いということが分かった。

和佐:まぁでもほぼ抗体検査してその数字なんだったら(感染者が)過去いたってことですもんね。

木坂:そうだね、だからこれはさっき、「結構デンマークとかオランダとかね、アメリカとかドイツとか色んなとこでやってますよ」って言ったけど感染爆発をしたエリアはだいたい15%ぐらいだし普通に感染が拡大しているエリアだと3%から5%ぐらいの間なのね。

だからおそらくこれは、どこでやってもそんなに遠くないんだと思う。

--数字で見る日本人の致命率--

木坂:日本をどう見るかだけど、低めの3%で見たとして日本人の3%が今感染者だとすると1億2千万×3%が感染した人って事になります。それを分母に致命率出したら、たぶんインフルエンザより低いんだよね。

和佐:だって、3%でも360万人ですか?

木坂:360万分の150になるから。今んところ致命率はとんでもないぐらい低い。

和佐:何かそう考えると「やっぱ、日本凄いな」って思いますね。

木坂:そんなに「日本すごいすごい」と言うと右翼なのかって思われるけど。

和佐:いや、だって結局それって、医療崩壊もまだしてないし、適切にある程度リソースがちゃんと使われてるって言う事ですよね。

木坂:そういう意味してる。意味してるしそれ以上に重症化してないよね、とにかく。

和佐:そうなんですね。そもそも重症化率が低いんですね。

木坂:低い。だって重症患者数なんて今もう毎日更新されて出ているから、気になるんだったらチェックしたらいいけど、世界と比べてビビるぐらい低い。

1億何千万人分母がいる国とは思えないくらい低いんだから。

和佐:それはだから、結局あれなんですかね。BCGが効果があるとか、そういう話も出たじゃないですか?そういうものの複合的な要因で、他の国の人たちよりもコロナに強い民族だったと......。

木坂:可能性があると思う。こればっかりはさぁ、日本っていうのは世界から見ると結局エニグマ(謎)なわけじゃん。

でね、この間、何ていう記事だったか忘れちゃったんだけど、ネットの記事読んでて面白なと思った。

日本があまりにも上手くいってるじゃん。数字だけ見たら、世界的にエニグマって言われるぐらい上手くいってるわけよ。

でも、G7で調査すると、日本人が一番このコロナに対する政府の方針とかを批判してんのね。国民が、最も不満なの。

G7の中であれだけ感染爆発で死亡者が多い国々よりも、圧倒的に誰も支持していなくて、日本が一番ダメだみたいな事思ってんの。

この謎がどうやって解消されるかを書いた記事があった。

それはとあるアメリカ人の人がコメントを出しててね。その人は日本ウォッチャーとして長いアメリカ人だったんだけど、この日本の状態っていうのは例えるならば、家でお菓子ばっかり食ってケーキばっかり食ってジャンクフードばっかり食ってゴロゴロしてテレビずっとやってるなのにスリムな体型を維持してる女の子みたいなものなんだ。

「半分の人間はそいつを無視するし、半分の人間はそいつを批判する」ってそういう状態に今日本はなってると。

本来だったら運動不足でジャンクフード漬けで、デブデブで病気になってるはずなのにスリムでモデルみたいなままだと。

「何なんだあいつは」ってやっかみで批判されたりとか「あいつはちょっと特殊体質だから」とか言って無視されたりとか「そういう状態になってるだけなんだ」みたいな事言っててた。

--不思議なほどうまくいっている日本の事情--

木坂:いや、全くそうだなと思ったの。不思議過ぎるんだよ。世界の様子から比べると。単純に。

だから、不思議すぎるからこの謎を解きたくて、やれ「BCGなんじゃないか」とかやれ「アジアの風土病なんじゃないか」とか、やれ「その弱いコロナのタイプが最初に広がって免疫ができたんじゃないか」とか。色んな仮説が出たわけ。

もちろん、これは今世界中で検証されてるから、そのうち結果分かると思うけど。そういう何か特殊な事情を想定しないと、今のこの日本の状況ってのは説明ができないんだよね。

だって、日本より厳しい外出禁止をやってる国よりも日本は全然被害が増えない。そもそもそういう国よりも1ヶ月も先に、日本は始まってたわけじゃん。

和佐:そうですよね。

木坂:最初のうちなんて、それこそ何もしてなかったじゃん。「何か武漢でそんなやべー事になってんだ、へーえ?」「ダイヤモンドプリンセス号みたいなのもやべー事になってんだ、へー。」みたいな感じで、対岸の火事で日本国内は普通にしてたじゃん。

和佐:そうですね、それに武漢から日本人、みんな帰ってきましたもんね。

木坂:帰ってきたし、その間も実は中国からの旅行者普通にいたからね。なのに増えないわけよ。

だから、これはもう、自粛とかマスクとか、うがい手洗いとか、そういう事だけで説明できる不思議を越えてんのよ。客観的に言えば。

だから世界がBCGに注目してるしウイルスのタイプを遺伝子検査して今3つぐらいかな?に分けたりしてやってたりとかしてるわけよ。

すごく日本はね、不思議なほどに平気なんですよ。今んところ。

和佐:それってアメリカではこのタイプ、日本ではこのタイプ、ヨーロッパではこのタイプ、みたいなタイプ分けがあるじゃないですか。それじゃあ逆にアメリカから日本に持ってくるみたいな事はないんですか?

木坂:仮にじゃあアメリカがやべえウイルスだったとして、それが日本に来るって事?可能性はもちろんあるよね。

和佐:それは別に、何か明確な違いっていうのはまだ見つかってないって事なんですか?

木坂:見つかってない。というのは、全員のウイルスの遺伝子検査をしてないからね。誰がどのタイプのウイルスにかかってるか、なんていう検査はしてないから、はっきりとはわからない。だけど、アメリカから帰国した人間が3月もいっぱいいたわけじゃん。その人々がアメリカのやべーウイルスを持ってきた可能性はあるよね。

だけどその結果として「じゃあ日本でニューヨークみたいな事が起こりましたか」って言ったら、起こっていないよね。

「アメリカから帰ってきた人ばっかりが極端に死にましたか?」つったら死んでないよね。

あーそう、「アメリカから帰ってきた」で思い出した。ニューヨークってさぁ、驚くほど人が死んだじゃん。実は日本人もね、大きくはないけどニューヨークの人口の2〜3%は占めてるんですよ。でも、ひとりも死んでいないの。

だから”日本で死んでない”んじゃないんだよね。”日本人が死なない”んだよ。

和佐:それちょっと世界中のデータ見ても面白いかもしれないですね。「日本人だけ死んでない」なみたいな。

木坂:そう。もちろん日本人でも今、日本で百何十人は死んでるわけだし、当然ゼロじゃないんだよ。だけど、明らかに割合がおかしいの。

ニューヨークであれだけ人が死んで、パーセントで言ったら日本人もそのぐらいのパーセントはいるのに”重症患者”とか”死者”に、日本人は入らない。これもやっぱり、世界では注目されている。

和佐:まぁ、じゃあ早く日本でもね、抗体検査しなきゃいけないって事ですよね。

木坂:そうそう、ようやくやるって言い始めたけどね。厚労省も。抗体検査して、後はもうそのBCGの研究をやった方がいいよね。

和佐:世界に先んじて。

木坂:...て言うか、先んじるのは無理だね。世界はもうやってるから。遅ればせながらやった方がいいね。


--日本が使っているBCGに一番抑止効果がある?--

木坂:あと、これは前のBCGの音声でも言ったけど、BCGっていうのは種類がいくつもあって、「日本が使ってるやつが一番効果がある」って言われてんの。

それはね、もうね、最初言われた時は俺は「何それ?」と思ったわけ。「ノーベル賞とチョコレートの関係と一緒でしょ」と思ったの

それは要するに「チョコレートを食ってる国の方が、ノーベル賞の輩出率が多い」みたいな話があって「相関関係ってのはそれと同じでしょ」と。

まぁ、都合よく見たらそう見えるでしょと思ったのよ。世界のみんなが思ったはずなの。だけどもうね、あまりにも無視できない。相関し過ぎてて。だからもうこれは1回調べましょうって事になったわけね。世界は。

特に、日本が使ってるやつの効果効能がすごいのね。で、実はこれは基礎研究って言うか
「なぜ日本で使ってるBCGワクチンが効果があり得るか」っていう理論的な部分の論文も実はもう出てるの。

それは日本人の研究者の先生が出してるんだけど、非常にね、理論としてもあり得るのね。

これはちょっと、ここの音声の中で全部話し切るのは難しいんだけど、結論から言うと、このコロナ重症化して死んでいく人って他臓器不全で死ぬって言ったじゃん。

多臓器不全っていうのは”サイトカインストーム”っていう状態が起こってる人が多いのよ。

サイトカインストームってのは免疫の暴走だと思ってもらえればいいんですよ。

だから、ウイルスが内臓を攻撃して内臓が壊れてると言うよりは、ウイルスを攻撃しようとした免疫細胞が暴走しすぎて自分で自分の内臓をぶっ壊してってる状態になってんの。

”アレルギーの超ひどい版”みたいな。リウマチとかさ、そういう自己免疫疾患みたいな状態になってんのよ。で、日本が使ってるそのBCGっていうのは、サイトカインストームを抑制するように働いているって言う事は理論上はもう論文になってんのね。

だからその多臓器不全が防げれば(これは前ECMOの話でもやったけども)肺がダメなだけだったらECMOで生還できる可能性があるのよ。

肺をゆっくり休ませてる間にウイルスが死ねばいいわけだから。でも多臓器不全起こしちゃうと、人はだいたいもう帰らない。 

実は、このサイトカインストームをどうやって抑制するかっていうのはSARSの時も研究されてんのね。同じ様な事が起こってるから。積み重ねがちゃんとある。だから結構な割合と言うか部分がもうわかっていて、そのうちの一つとして、ある種のサイトカインの大暴走をBCGが抑える事が分かってる。

だから、これは理論上はそうなんだけど、本当にそうかっていうところを今度は、調べなきゃいけないでしょ。それを世界中が今検査してるわけ。日本もそれをやればいいわけよ。

和佐:別に狙ったわけじゃないけど、日本はある種コロナに関してはトップランナーと言うか......。

木坂:そうだね、本当に、奇跡と言うか偶然と言うかが重なってはいるんだけど、いずれにしても何らかのそういう事情が重なって日本は不思議なほどに上手くいっている。

和佐:なるほど。

じゃあ、話がちょっとサイトカインストームの方に流れていってしまったのでもう1回最初の方に戻します。

和佐:抗体検査を日本でもやるっていう事だったと思うんで、もしかしたら日本でやったらアメリカよりもさらに、まぁ良い数字なのか悪い数字なのかちょっとわかんないですけど、高い数字が出るかもしれないって事はありますよね。

木坂:そうだね。一説で言うところの「日本はアジアの風土病としてのこの抗体を既に持ってたんじゃないか」説とかもあるから。......だとしたら、もうとんでもない数の人が抗体を持ってるだろう。

また別の考え方としては、さっきも言った様に日本の中では、欧米よりは1ヶ月以上早くにこの問題が明らかになってる。イギリスですら昨年末ぐらいからは既に入ってきてるだろうとは言われてんのね。……て事は日本はたぶんもっと前から入って来てると思うのよ。

だって、これだけ中国の人が来てたんだから。

東京に住んでる人とか京都に住んでる人は分かると思うけど、ほとんど日本人を見ないエリアがあったからね。

東京で言ったら銀座とかさぁ、日本語がもう聞こえてこないんだよ。ほとんど中国人。銀座の飲食店なんかもほとんど中国人。そういう様な時期があったわけじゃん。

だとすると、もし、その時から、世間で言われてる様に「何にもしない状態で再生産数2.5」なんていう数で増えてたら、たぶんもう集団免疫なってると思うんだよね。

もしそれが本当ならね。

あっという間に8000万人ぐらいが感染してると思いますよ。

和佐:確かにね、掛け算ですもんね。単純にね。

木坂:だから「そういう風な可能性っていうのも一つあるから、まず調べてみてもいいんじゃないの」と。

で、もしこれで仮にサンタクララみたいに3%ぐらいしか抗体持ってなかったら、どう考えるかだよね。

和佐:確かに、そこから何か道のり長そうですね。

木坂:いや。そうなるとそうなったで、俺はむしろこれはすごく良い事だと思うんだけど、まぁそれはじゃあ、次の音声でしゃべろうか。

和佐:そうですね。長くなりそうだから。

わかりました。じゃあ日本もね、その抗体検査をたぶんするって事ですよね。

木坂:そうしたらまた色んな事が分かるから。

和佐:そこの続報も待って、この続きは次のコロナ解体新書につなげたいと思います。

じゃあ今回はこれで終わりにします。ありがとうございました。

木坂:はい、ありがとうございます。


編集者:松本 尚美
引用元:【コロナ解体新書】実は感染者は日本で300万人超え?抗体検査から見るコロナ感染者の実態


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