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愛された、うどんの味

涼平はとにかく麺類に目がない。

代表格であるラーメンはもちろん、
うどん、そば、パスタ。
ゆうに週5ぐらいの勢いで消費している。

大阪に「人類みな麺類」という、美味しいラーメン屋さんがある。
名は体をあらわすというが、
私のような「麺バカ」の為にあるような、そんなお店のネーミングである。

人類みな麺類 | Human beings everybody noodles (jinrui-minamenrui.com)


さて、今回はうどんの話。

先日の山口出張の折。
帰りの新幹線は、小倉から乗車することが決まっていた。

午前中に打ち合わせを終え、
小倉駅から一軒のうどん屋へ足を運んだ。
そのお店の名は、

「資さんうどん」(すけさんうどん) 魚町店である。

かしわごぼ天うどん、丸天、ぼた餅

小倉駅南口から徒歩約10分。
商店街の立ち並ぶ一角にお店がある。

お昼時とはいえ、広い店内は既に満席。
待つこと10分。
念願の入店を果たし、早速タッチパネルで注文。

●かしわごぼ天うどん(730円)

少し平たい麺は独特のコシがあって、モチモチとして食感がたまらない。
鯖や昆布・椎茸などから丁寧にとったという出汁は、
どこか関西風を思わせるような、やさしい味わい。
サクサクのごぼ天、お出汁、うどんのハーモニーに舌が悶える。

●丸天(90円)

魚の練り物をフライした「丸い形の天ぷら」。
揚げたて、あっつあつの天ぷらを提供してくれる。
魚の風味と、ほんのりサクサクしたジューシーな生地。
その食感はまだ、私の口内にはっきり残像が残っている。

このお値段で食べられる代物ではない。
ちなみに、テイクアウト単品でも同じ価格で販売している。
まさに驚きの一言。

●ぼた餅(160円)

「おはぎ」は私にとって身近にある食べ物だが、
この甘美な響きに、ついついオーダーをしてしまった。
毎日1個1個、店舗で丁寧に手作りされているという。

小さめのもち米に、ボリューミーに餡子が纏っている。
私は餡子好きでもあるが、ただ甘ったるいのではなく、
塩も効いていて、その甘みはまさに「丁度良い塩梅」なのである。

大満足の一言。


これだけ口に頬張って、お会計980円である。
「うどん」という我々庶民のお昼からすると、少し高いかもしれない。

しかしその一つ一つのキャラクター、作られた背景を考えると、
1,000円以下の食事で、ここまで書く意欲を沸かせるお昼ごはんは、
なかなかお目にかかれないと思うのである。


ちなみに、
入店して一番端のカウンター席に着席した刹那、
お姉さんが椅子を一脚、わざわざ私の横に置いてくださった。

「よかったらお荷物、こちらへ置いてくださいね」

会社のPC、note執筆用に連れ出した個人用PCが入った
リュックを負ぶり、凝り固まっていた背中は、一瞬でほぐれた。

そのホスピタリティは、
運ばれてきた一杯のうどんと共に、私の心を優しく温めてくれた。

「目配り 気配り 心配り」
資さんうどんでは、お客さまに対する「目配り・気配り・心配り」を大切にして心がけています。すべての従業員が、お店全体に目を行き届かせ、思いやりを持って気づかい、相手の立場になって行動することで、すべてのお店が、お客さまがいつでもホッと安らげるお店となることを目指しています。

資さんうどんHPより


この「資さんうどん」は10月に大手外食グループが株式買収する。

設立1980年、44年の長きにわたり北九州を支え、愛されたたうどん。
その創業家の味を食べられるのは、今回で最後となった。

まだ熱気を帯びているが、ようやく秋らしさを運ぶ風は、
そのニュースと共に、少し寂しい気持ちにさせた。


今日も書けるという喜びに、感謝。



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