見出し画像

ラブレター

私の人生において、
恋愛というテーマは、絶対に外せない。

今日は私が体験した、小中学生の恋のお話。


小学生時代、好きなクラスメイトがいた。


しかし、
自分の感情、恋心をどう表現していいかわからなかった。

気持ちを伝えた後、その子との関係性がどうなるのか。
「お付き合いをする」
その意味が良くわからなかったのである。

(よくある、好きな女の子に意地悪をするというのは、
その気持ちを言語化できない”誤魔化し”や”照れ”があるんだろうな。)

こうして、
言葉にできないモヤモヤ、
答えの見当たらない気持ちが迷宮入りのまま、小学校を卒業した。


中学校、両親のサポートのかいもあって、
家から一時間半ほどかけて、私立の学校へ進学した。


当時通っていた学校は、男女共学になって間もないこともあり、

女の子:全体の30%
男の子:全体の70%

私の学年は、そんなクラス構成であった。

環境を変えたこともあって
男子だけでなく
女の子とは仲良くおしゃべりしたり、遊んだりすることができた。


迎えた中学二年生。

当時の涼平少年は、
好みの女の子が、他のクラスにいることを発見した。

その子は、
控えめな所作で、顔立ちが良かった。
何よりその笑顔に、惚れて込んだ。


あの子と付き合いたいー。
でも喋ったことはおろか、挨拶したことすらない。

気持ちが募った私は、飛び道具を使うことをひらめいた。

そうだ、ラブレターを書こう!!


学校終わり、早速街へ繰り出し
その恋心を表現できそうな便箋と、封筒を買った。

家で彼女へ想いを書いている時、
それはもう気分が最高だった。


この手紙を見たら、あの子はどう思うのだろうか。
そもそも、自分のことを知っているのだろうか。
返事を返してくれるんだろうか。


いろんな想像を巡らせるだけで、ときめく心が全開だった。

小学生時代の、あの「モヤモヤ」が、一気に解き放たれた瞬間でもあった。


書いた内容までは、こまかく覚えていない。
(もしかしたら思い出すのが、恥ずかしいのかもしれない。)

「一目惚れしました。」

その言葉くらいしか、今は思い出せない。


私は、何回も書き直ししてやっと完成させたその手紙を、
意中の女の子の靴箱へ、そっと置いた。


二、三日後。

なんと彼女は、
返事の書いた手紙を、私の靴箱へ返してくれていたのだ!


その返事は、

「涼平くんの気持ちはうれしいし応えたいけど、
恋愛経験がないから、どうしたらいいかわからない。」

そんな内容だったと思う。


返事をもらったという事実だけで、

とび跳ねるほど嬉しかった。



それから、彼女とは何通かの手紙を交換をした。
密かなる恋心は、放課後の靴箱を行きかった。


中学三年生のクラス替えで、
同じ教室になった時は、奇跡を感じたものだ。


それでも、彼女は他に意中の男の子がいた。

涼平少年の文通による恋は、実らなかったのである。

しかし、彼女との手紙の交換は、
学校へ行く楽しみ、そして恋することの喜びを
10倍も20倍も、味わわせてくれた。


沢山想いを伝えたラブレター。

それは、
「積極性はあるけど、自分に自信がなかった」
当時の私の、最強のコミュニケーションツールだったのである。


通信手段がほとんどなかった当時の状況、
「クラスを超越した恋のアタック」ということを考えると、
その術は、我ながらにして秀逸だった(笑)


思えば、発信する勇気の発動は、
実はこのエピソードから始まっていたのかもしれない(笑)


もし今、ラブレターを書くとしたらどんな内容になるんだろうか。

真剣に考えて書いたとしたら、
こうして書いてるエッセイよりも、
何十倍も脳みそにストレスがかかりそうである。


でも、
それとなくさりげない気持ちを、
手紙という想いのツールで、いつかまた表現できたらいいなと
振り返りながら思った。


ご一読ありがとうございました。
今日も書けるという喜びに、感謝。

いいなと思ったら応援しよう!