10周年記念インタビュー連載 vol.10〜活動中期、座談会(エイジ、キリ、ヒロヤ)〜
11月1日(金)に新宿紅布で開催される、Mr.ワリコメッツの10周年記念ワンマンライヴ『拾』。そして、Mr.ワリコメッツ10年の歩みを探るべく始まった、このインタビュー連載企画。続いては、ワリコメッツ10年の活動の中では中期に当たる、2013年〜2015年の間の出来事について、座談会形式でメンバーに語り合ってもらった。座談会参加メンバーは、エイジ、キリ、ヒロヤ。
(●インタビュアー エ:エイジ キ:キリ ヒ:ヒロヤ)
●ヒロヤ加入後、最初のライブで考えていたことは覚えてますか?
(必死に思い出そうとして、しばらく考え込む一同。)
キ:まぁでも、単純に、ヒロヤさんが加入して、リズムの面は相当変わったわけですよ、実際。
できることも変わったし。
で、新曲って作りましたっけ?
ヒ:まず、最初のライヴは2013年3月なんだよね。
武蔵境スタットで。
ちなみに、初めて一緒にスタジオに入ったのが1月で。
キ:じゃあ、まだ、、、
エ:新曲やってないんじゃない?
だってヒロヤさんが、、、いや、やってる可能性あんな。
『丘』(=『丘に暮らせば』、M r.ワリコメッツのファースト・フルアルバム)からだもんね、ヒロヤさん、、、
ヒ:いや、新曲はやってないと思うよ。
最初のライヴで俺が今ぱっと思い浮かぶのは、「カラガラヨー」、「やっぱビール」、「バキューンとガム」、、、
キ:あー、あと「ジェニファー」?
ヒ:いや、「ジェニファー」はやってない。
キ:「都ロック」はやりましたか?
ヒ:「都ロック」はやってるかな。
エ:たぶんねー、あれだと思う。
わりとエイトビートな感じは避けてたと思う。
キ:あー、確かに。
ワリコメッツの強みって、やっぱシャッフルビートだと思うんです。
ワリコメッツの曲に結構シャッフルビート多いんですけど、ヒロヤさんが加入したことでたぶんそれが強化されて、それ系をやっぱやりたいなって。
エ:だからそのー、「ジェニファー」とかはあえてやってないんじゃないかな。
ヒ:「ジェニファー」はたぶん、5月くらいの「グリーンアップル」の時にやった気がする。
キ:あー!えーっと、『ハビングアパーティー』?(=当時、ヒロヤが在籍していた「ダンスグッズ」主催による、ライヴ&DJイベント)。
ヒ:そう。ライヴ直前に急いで覚えた記憶があるね、「ジェニファー」。
キ:そんなこともあったかもしんないですねぇ。
ヒ:あ!初ライヴではあれもやってるかもね、「フロッグ」(=「A life of frog」)。
キ:あー、、、?
エ:え、マジで?
キ:やっ、、、た?やりましたっけ?
ヒ:やってないかなぁ?今思えばすごい不思議な感じがするけど、ライヴは「ブロッグ」から始まってる気がする。
キ:あー、やったかもしんない。
エ:「フロッグ」は結構ライブでやってるからね、実は。
ヒロヤさん入る前。
ヒ:「フロッグ」はリズム的に馴染みやすい曲だったんだよね、俺。
俺がやりやすそうな曲とか、そういうところで合わせてくれてるような感じはあったかな、当時。
エ:わりとパンク色が強いような曲とかは、たぶん避けてたかな。
「カラガラヨー」はちょっとね、しょうがねーけど。
キ:たぶん本格的に、それまでのパンキッシュな感じとかから少し抜け出そうとしてた。
たぶん俺たちもナオさん抜けて、少し終わりかけていたところでヒロヤさん入ってくれたから、今までとは全く違う感じで、再起する感じで、もう一回盛り上げようといったところで、違う感じで攻めていきたいっていうのがあったんだと思います。
たぶんそういう曲作りもしてたでしょうしね、エイジさん。
エ:いや、曲作る時は、みんながこういうことできるかなぁ?とかは、まぁ思うんだけど、そこまで気を使ってはないし、もともとやりたかったのがそっち系だから。
シャッフルとか。
だから、その辺はあんまり。
●他に、最初のライブでなにか覚えてる事はありますか?ライヴの内容とか?
キ:うーん、特にすごい印象深いことって、、、あったかな?
ヒ:俺はひとつだけ強く覚えてることがあって、「バキューンとガム」でブレイク入るじゃん?
「ダダダダダダダーン」って。
キ:はいはい。
ヒ:で、「ヘイヘイヘイ」ってエイジ君が歌うところが、違う感じでアドリブ入ったんだよね。
で、俺はそれに合わせらんなくて、変なタイミングで「ジャーン」て入っちゃったんだよね。
やっぱり失敗って覚えてるもんで。
エ:今日やろっかな、それ。(この座談会は、9/21 新宿レッドクロスでのライヴ当日に行われました)
キ、ヒ:ははははは(笑)。
キ:「ジャジャジャジャジャジャジャーン、ドコドン」がね、たぶんヒロヤさん、タイミングが早かったんですよ。
ヒ:タイミング早くて合わせづらかったから、アドリブ入れて対応したんだろうね、エイジ君。
キ:あとはなんだろうな。
ナオさんから変わって最初のライヴだったわけですから、きっとなんか劇的に違うっていうのはあったと思うんですけど、、、
ヒ:結構忘れてるよね、きっと。
俺はまだ入ったばかりのころだから覚えてる方だとは思うけど。
キ:あ、ボリュームは確実に小さくなりましたよね。
その辺考えるようになった。
●2013年の活動で、他に印象に残っていることはありますか?
エ:2013年って言ったら、たぶん『フロッグ』が出た年?
キ:いやいや、その次の年です(笑)。
エ:そっか。じゃあたぶん、1年間は曲作りしてたのかなぁ。
キ:たぶんねー、この年の夏か秋くらいにアルバム作ろうって話が出たんですよ。
確かそれは六本木か南青山かどこか忘れましたけど、ライヴ観に行ったんですよ、俺とエイジさんと葛西さん(Mr.ワリコメッツの初代ギタリスト)3人で。
その時ライヴ前に居酒屋かなんかに行って、エイジさんが「アルバム録ろうか?せっかくヒロヤさん入って動けるようにもなったし、新しいことも絶対できるだろうし」って言って。
●それは「レコーディングをしよう」というだけの話ではなく、もう初めからアルバムを作ろうっていう話だったのですか?
キ:そうですね。
エ:あれ?2013年にはもうレコーディング始めてる?
キ:いや、年明けかな。
ヒ:そう、2014年の1月。
キ:それで曲作りを結構やった。
一月に一曲、3人で持ち寄って。
ヒ:噂の曲作りミーティングだね!
その頃はまだ、俺はそのミーティングには参加してなかったけど。
エ:やったやった。
ヒ:それでできた曲は、「ハウリングドッグ」と、、、
キ:「ボロ雑巾」(=「ボロ雑巾の詩」)。
エ:あと、「スージー」(=「リトルスージーベイブ」)と、「ルーザー」。
あと、“わー”が引き語りっぽいようなやつ。
あのー、キリの家で、新曲の発表会みたいなのをやって。
“わー”と葛西とキリで。
で、“わー”が覚えてんのは、“わー”が「ハウリングドッグ」持ってきたときなんだけど。
ジャンケンで発表する順番を決めて。
で、キリがジャンケンに負けたから最初に曲を発表して。
たぶん「ルーザー」かなにか、やったのかな。
で、自分の曲終わりました。
「あー、いいじゃん」みたいな感じで終わりました。
そんで、キリの家でやってんじゃん。
じゃあ次、「ハウリングドッグ」、「“わー”のやつ聴いて!」って言ったときに、キリは“わーのやつ聴かないで、ベランダに一服しに行ったんだよ!
ヒ:えー!?(笑)
エ:しかもそれ、「ハウリングドッグ」流れてるときにだよ!
イントロ終わって、「イヤ〜、ベイビ」って歌入った時に、「ガラガラガラ〜」って。
ヒ:それは!(笑)
キ:いやー、その、自分の曲発表して恥ずかしいじゃないですか。
緊張も味わった後だったんで、ちょっとタバコ吸いたくなったんですよ。
エ:(緊張で)吐きそうになったりするかんね!
キ:そうそう。
ヒ:開放されたんだね。
●その頃のことで他に印象に残っていることはありますか?
ヒ:「丘に暮らせば」を作る過程は結構覚えてて。
あのー、「たま」を聴いたりして。
キ:「電車かもしれない」ですね。
ヒ:その過程がすごい、楽しかった覚えがあるんだよね。
キ:確かに、なんか今までにないジャンルのものを突き始めたっていうか。
エ:たぶん“わー”がその時ヒロヤさんに言ったのは、「普通にドラム叩かないでほしい」みたいな要望だったと思う。
ヒ:俺はどうしていいのかわかんない状態になったんだけど、その感じがむしろ面白かったんだよねー。
エ:まー、苦労したよね、あの曲は。
キ:「丘に暮らせば」が一番苦戦したかもしんない。
あと、元々あった曲もありましたね、「マーケット」とか。
ヒ:そうなんだ!?
「孤独なジェリー」は?
エ:「ジェリー」は元々、ナオさんいる時にやってて、キリに歌わしたんだよ。
ヒ:へー。
エ:あの曲は、そのー、ジェリー・リー・ルイスのことを書いた曲で。
で、キリに歌わしたら面白いかなー、と思って。
キリが歌ってたんだよ。
キ:でも、結局ハマんなくて。
エ:今だったらああいう感じの曲ってたぶんできるんだよ。
でも当時、曲として、なんつーか、遊びが多すぎたんだよね。
だから、めっちゃ長かったしね、曲が。
テンポも遅かったし。
キ:すげー遅くやってて、ちょっとブルージーな雰囲気もあって。
エ:そんでサビで、今のテンポのような感じに転調するみたいな。
ヒ:そうなんだ!?
エ:無理矢理やって、良かったんだけど、あの時のワリコメッツは技術的についていけなかったんだよね。
待てないっていうかさ。
これで成立してんの?みたいなのもあって。
キ:たぶん判断する基準もね、俺たち無かったと思うんですよ。
知らん顔して「これが当たり前だ」っていう感覚でやらなきゃいけないんですけど、それをやるだけの演技力じゃないですけど、自分の中で消化することができてなかったと思うんですよね。
果たしてこれが正解なのか、と思いながらやってたと思うんですよねー。
ヒ:あと、アレは覚えてるよ!
デモ音源っていうのかな?
本番のレコーディング前に一回自分たちで録ってみようって言って、先にできてた曲を、6曲か7曲録って。
キ:MTR(マルチトラック・レコーダー。多重録音機。音の重ね録りができるので、バンドマンがデモ音源を録る時に重宝する)でですか?
ヒ:MTRで。
新宿のペンタで。
キ:あー、ちょーバカでかいやつ持ってきて。
ヒ:一回あれで録って、詰めようみたいな。
エ:そうだね。
あれで「スージー」も録ってるもんね。
キ:「スージー」は実際俺が最初に持ってきたやつから、ボーカルラインも多少変わってるんですよね。
エイジさんから、「こうした方がいいんじゃない?」とかあったりして。
コードもたぶん、いくつか追加されてるんですよね。
エ:話変わるけど、ちなみにキリが一番最初に持ってきたのは、「ルーザー」でも「スージー」でもなく、、、
キ:はははははは!
ヒ:あー、その話なんか聞いたことある!
キ:もう完全に、あれは俺が墓場まで持っていくやつ(笑)。
エ:「きみすごい〜じゃん!」でしょ?
キ:違いますよ!
ヒ:それはどこまで本当なの?(笑)
キ:「すごい」っていうフレーズはありましたね。
エ:あの曲が最初だよね。
そのあと「スージー」だっけ?
キ:そのあと、「ルーザー」っす。
最初はなんにもできなくて。
なんにも浮かばなくて。
俺曲作りしたことなかったから、何から手をつけていいか分からないし。
ギターもろくに弾けないし。
エ:そのあとの「ルーザー」だからね。
だいぶ飛躍しているよね。
座談会:2019.9.21(土) 新宿にて
(記憶に基づいて喋ってもらっているので、記憶違いによる誤りやメンバー間で情報が食い違う場合がございますが、座談会のライヴ感を残すため、それらの訂正は行なっておりません。ご了承ください。)
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