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10周年記念 インタビュー連載 vol.7〜活動初期、エイジ(後編)〜


11月1日(金)に新宿紅布で開催される、Mr.ワリコメッツの10周年記念ワンマンライヴ『拾』。そして、Mr.ワリコメッツ10年の歩みを探るべく始まった、このインタビュー連載企画。今回は、vol.5の続きで、活動初期についてのエイジの話。後編。
(●インタビュアー ○エイジ)

*ヘッダー画像は、ミニアルバム『A life of frog』のジャケットの一部で使われている写真より。


●では話を次に進めます。セカンド・ミニアルバム、『A life of frog』ができたのはいつですか?


○2012年の、たぶん春だと思う。

『バキューンとガム』(ファースト・ミニアルバム)出して、『フロッグ』(=『A life of frog』)すぐ出してんだよね。


●2012年の春にリリースしたということですかね?レコーディングはいつですか?


○レコーディングいつだろう?この時は時間かかったんだよね、レコーディング。


●レコーディング場所はどこで?


○スタジオ・サン(=STUDIO SUN 西船橋店)。

録り始めたのは、もしかしたら2011年の冬ぐらいからかな。

リリースしたのは、たぶん春というか、青森がちょうど桜祭りやってた時期だと思うんだよね。

青森に行ってんの、『フロッグ』出してすぐ。

仙台と青森に行ってんだよ。

その時確か、ゴールデンウィークとかの期間だったような感じするんだよなぁ。

青森の桜祭りってゴールデンウィークだから。

だから5月だと思う、リリースは。



●では、『A life of frog』のレコーディングで大変だったことは覚えてますか?

○うーん・・・

大変だったことはないのかもね。

なんかね、音いろいろ重ねたりして、レコーディングってすげー楽しいな、って思ったんだよね。

たとえば、「A Life Of Frog」(ミニアルバム『A life of frog』の1曲目)と「オーラリノ!」(同ミニアルバムの2曲目)のつなぎとかさ。

1曲目から2曲目にかけての、続いてる感じというか。


●結構いろいろ重ねてますよね?


○そう。

効果音とかね。

めっちゃ楽しかった。

「フロッグ」はさぁ(ここでは曲のこと)、レコーディングしてて、もう全然歌いらねーなって思ったの。

まぁ、インストだから元々入ってないんだけどさ。

すげーカッケーなって思った。

本当は1番最初、“わー”(エイジがよく使う一人称。津軽弁。)が作っていった時は、「グリーン・オニオン」(="Green Onions"。ブッカー・T& ザ・MG'sによる、1962年発表のシングル。ロック、ソウルの分野で、最も有名なインスト曲のうちの一つとされる。)みたいな感じのイメージでたぶん作っていったと思うんだけど。

「そんなことやっちゃダメだなぁ」と思って。

ちょっとハードロックっていうか、もっと違ったアプローチで!みたいな感じで。

で、わりとああいう、ワリコメッツはやらなそうな感じのができた。

それで最後、雷鳴るんだよね。

曲の最後。

雷鳴って、「ドロローン!コロコロコローン!」って鳴って、そしたらアコギが「ジャーン」って入って、ちょっと晴れ渡ったような感じで「オーラリノ」が始まるんだよ。

あそこ繋がってるんだよね。

めっちゃいいんだよ、あれ!

売れなかったけど(笑)。


●『A life of frog』は音がこう、『バキューンとガム』に比べて、まとまっているというか、キレイな印象があります。


○そう!

『バキューンとガム』のエンジニアさんは、わりとその、やり始めて間もない感じだった。

レコーディングエンジニアの仕事は。

『フロッグ』を録ってもらったスタジオ・サンは、(エンジニアが)やっぱマキノさん(=デュウ・マキノ=DEW MAKINO)だから。

マニアックでしょ?マキノさんって。

いろんな楽器持ってきてくれて。

うちらビートルズ好きだから、嬉しかったよ。

J-160、ヴァイオリンベースね、ヘフナーの。

94年くらいのヘフナーとか持ってきてくれて。

それレコーディングで使ったかどうかは忘れたけど。

アコギは使ったよ。


●マキノさんやスタジオSUNは、どういうきっかけで知ったんですか?


○マキノさんがレッドクロス(=新宿紅布。Mr.ワリコメッツ10周年記念ワンマン『拾』の会場)のPAやってて、それでレッドクロスの紹介で。


●他の曲、「ジェニファー」や「ジョン」の思い出はありますか?


○うーん・・・

あ、そう!

花粉の時期だった。

鼻詰まって歌って、歌えなかったんだよね。


●それはどの曲ですか?全般的にですか?


○ほぼほぼ全部だと思うんだけど(笑)。

特に「ジェニファー」は鼻詰まってやばくて。

しかも葛西(=Mr.ワリコメッツの初代ギタリスト)に風邪うつされたんだよ、レコーディングの時に。

その状態で一度ボーカル録ったんだけど、それはボツにした。

そんで、別の日にまた声録りにいって、今度はキレイな声しすぎて、マキノさんに、「あれ?そんな声だったっけ?」って言われるくらいキレイな声で歌っちゃったんだよね。

たぶんそれが、採用されたテイクだと思うんだけど、実際。

『フロッグ』って、なんか声違くない?


●今とは違う感じがしますね。レコ発ツアーは、青森、仙台と、それ以外にも行きましたか?


○行った!

京都、大阪も行った。

あと、岐阜、名古屋。

そっからいろんな間口が広がっていった。


●ちなみに、各所のライヴハウスは?


○京都がシルバーウイングス。

大阪がメレ。

岐阜がClub Roots。

名古屋がOYS。


●これらは、2012年の何月頃ですか?


○たぶん5月くらいからツアースタートしてって感じかな。

そっからマジでいろんなところに行き始めたんだよなぁ。


●では、最初のインタビューの時に初期の活動で印象に残っていることとして挙げてくれたイベント『ロックンロール世紀』について。

開催はいつですか?


○2012年の9月にやってる。

え?

飛ばしすぎじゃね?

めっちゃやってね?

だってさ、『バキューンとガム』2011年8月ぐらいに出して、2012年にはもう、すぐ2枚目出してんだよ、前半で。

その2012年の9月に、もう自主企画やってんのか。


●すごいですね、勢いが。


○ねー、わりと頑張ってたんだなぁ。


●『ロックンロール世紀』をやるきっかけは覚えてますか?


○たぶんまた、「なんかやんねーとな」って思ったのかな。

あ!あれだ!思い出した!

『フロッグ』出してすぐ、青森と仙台行ってるでしょ?

で、仙台でビフォアーズ(=The Befores)と出会ってんの。

で、打ち上げで話してて、ワリコメッツも夜スト(=夜のストレンジャーズ)好きで、ビフォアーズも夜スト好きで。

で、だからその、ワリコメッツとビフォアーズと夜ストで企画したい、っていう話になったんだよ。


●そういう経緯があったんですね!


○で、もう一つ、ヤンマーズも呼んで、4バンドのイベントになった感じかな。


●この時、PVを作ったんですよね?


○作った。

作ってもらった。


●誰に作ってもらったんですか?


○ナオさん(Mr.ワリコメッツの初代ドラマー)の知り合いかなぁ。

あれ、結構良かったよね。

絵コンテでもないけど、アイデア、“わー”が考えてさ。

こういう風に作ってくださいって。

それを伝えて。


●イベント開催に向けて、大変だったことは覚えてますか?


○えーっとね、宣伝。

宣伝の仕方がマジでわかんなくてさ。

PV作ったり、フライヤーも作ったよね。

そもそも、告知する期間もそんなになかったと思うんだよね。

だってさ、(仙台で)イベントの話が出たのが5月で、開催が9月だから。


●4ヶ月ですか。


○でしょ?

5月にやりましょうって言って、イベントはレッドクロスでやったんだけど、レッドクロスに(イベントの話を)すぐ言ってないと思うから。

宣伝の期間って2ヶ月もなかったんじゃないかな、もしかしたら。


●すごいですね!それでこの間に、PVも作っちゃったわけですしね。勢いがすごい!


○いろいろみんなすげー頑張ってさ。

ナオさんもすげー頑張って。

ま、いろいろあって、その年にナオさん、脱退するんだけどね。


●なるほど。ナオさんの脱退は2012年12月と聞いてますが、この『ロックンロール世紀』の頃には辞める感じだったんですか?


○いや、このイベントの後だね。


●話を「ロックンロール世紀」に戻しますが、みんなで宣伝頑張って、お客さんはたくさん入りましたか?


○120人くらい。


●おぉ!入りましたね!宣伝の効果はイベント前から手応えがあったんですか?それともやはり、ちゃんと入るか心配でしたか?


○心配心配。

客全然入んねーと思ったもん。


●頑張った甲斐があったわけですね。それなら、イベント当日の盛り上がりもすごかったでしょうね?


○盛り上がったと思うよ、たぶん。


●ワリコメッツのライヴ内容は覚えてますか?


○全然覚えてない。

何やったかも全然覚えてない。

各バンドがライヴ何分ずつやったのかも全然覚えてない。


●ワリコメッツがトリですか?


○トリ。

ヤンマーズ、ビフォアーズ、夜スト、ワリコメッツという順番だった。


●意外とライヴ本番のことは覚えてないんですね。


○夜ストのことは覚えているけどね。

ちょうど『ホームタウンボーイ』とかの時期だったよね。


●イベントにお客さんたくさん入って、盛り上がって、達成感みたいなものはありましたか?


○ワリコメッツだけで呼んだんだったら(達成感も)分かるよね。

でも、いろんなバンドが呼んでくれたっていうのもあるし。

なんだろうな。

達成感っていうかね、こんだけの人数にワリコメッツの曲を聞かせられたっていうのはあるよ。

でも、その時のライヴの出来とか、どんな感じだったとかは全然覚えてないからさぁ。


●これだけ入って、次のステップに行けそうだな、みたいな感じでもないんですね。


○もっとやらないと、っていう気持ちになるよねー。

まぁ、でも、その辺から本当に大変になっていくよね。

ドラム辞めるってなって。

でも、ワリコメッツ結成に至るまでよりは全然余裕だけどね。


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*写真は『ロックンロール世紀』のポスターより。


インタビュー : 2019.8.29(木) 新高円寺にて
(記憶に基づいて喋ってもらっているので、記憶違いによる誤りやメンバー間で情報が食い違う場合がございますが、インタビューのライヴ感を残すため、それらの訂正は行なっておりません。ご了承ください。)

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