【My Value vol.6】 カミナシ株式会社 様
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【My Value vol.6】 カミナシ株式会社 様

株式会社WARC

第1 はじめに

数あるnote記事の中から、本記事をご覧いただき誠にありがとうございます。株式会社WARCの加藤 健太と申します。

WARCは、人材紹介・財務・会計コンサルティング・M&Aアドバイザリー業務などを通じて、ベンチャー企業の経営管理部門の成長支援を全面的にサポートしているベンチャー企業です。

私は人材紹介部門である「WARC AGENT」を事業責任者として統括しており、事業が本格稼働した2年間でおよそ700社以上の企業様とお付き合いをさせていただきました。

私個人として、ベンチャー企業専門の転職エージェントとして毎日のように様々な経営者の皆様から「ベンチャー企業を経営すること、事業・組織を創ること」の尊さや難しさ、そして楽しさを日々学ばせていただきました。

本記事のテーマである「My Value」は、私自身が人材紹介業の仕事を通して出会い、心からファンになった「魅力的な組織カルチャー」の企業様にインタビューをすることで、その会社のカルチャーを骨の髄まで露わにしていくしていく連載企画です。
組織企業カルチャー・働く場としての魅力・経営者のリアルな価値観をご紹介することで、「会社選び・仕事選びとは何か?」を考えるキッカケとなるコンテンツをお届けしてまいります。

第2 ご紹介

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今年最後になります第6回は、株式会社カミナシの諸岡 裕人様です。

株式会社カミナシは、​​「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」をミッションに掲げ、帳票の作成/記入/管理/改善など現場管理業務の課題を解決するクラウドサービス「カミナシ」の提供をされています。
今回は、株式会社カミナシの代表である諸岡氏の価値観をお聞かせいただきました!

第3 インタビュー内容

以下、私の言葉と諸岡氏の言葉をそれぞれ
加藤:
諸岡:
で分けて表記いたします。

「ノンデスクワーカーの人生をもっと豊かにしたい」カミナシという事業の立ち上げ背景


加藤:本日は宜しくお願いいたします!まずは、御社の「KAMINASHI」という事業についてお話しいただければと思います。

諸岡:カミナシで行っている事業内容は、日本でPCやデスクを持たずに働くノンデスクワーカー3,900万人の働き方をデジタルで変革していくということに注力しています。現場で働く一人一人の人生をもっと豊かにしたい!という想いで取り組んでいます。

加藤:最初、サービス名を聞いたときは”紙を無くしていこう”といったプロダクトかと思いましたが、もっと先のエンドユーザーを意識しているのですね!

諸岡:その通りです。現場で働いている人達の働き方は前時代的な部分が多く、実際に中で働いていた私から見ても、日々単調な作業の繰り返しが非常に多いことが事実です。紙に書かれたものをチェックすること、入れ替わりの激しい外国人スタッフが入社してきた時に教えることなど、とても大切な仕事だがいくら頑張っても全然褒められず、出来て当たり前という仕事に、自分の時間の6割〜7割使ってしまっています。このような背景から、現場で働く管理者を完全解放したいと言う想いでこの事業を始めました。

加藤:非常に良いですね!私も非常に好きなプロダクトです!では次に、諸岡さん自身のご経歴についてもお聞かせください。

諸岡:大学を卒業してからリクルートスタッフィングと言う派遣領域でセールスとして3年間働きました。そこから、もともと父が会社を経営していたこともあり、後継として父の会社に戻りました。その会社は、航空関連のアウトソーシング業で、現場のオペレーションの人を雇って教え込み、いかに早く安くオペレーションを回すかが勝負の労働集約型産業でした。機内食工場の新規立ち上げや、ホテルの客室清掃、荷物の積み入れをするバスのポーターなど、ブルーカラーと呼ばれる現場の仕事をしている人と多く関わりました。

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加藤:そのような経験を経て、何故今の会社を立ち上げたのですか?

諸岡:父が中小企業でとても成功していたこともあり、”お前は俺を超えられない”、”2代目は創業者と違う”と言われた事が悔しく、私自身も何か爪痕を残したいなと思い、当時父の会社で2,000万円程の予算をもらい新規事業を立ち上げました。

しかし、半年程でその予算もほぼ無くなり大失敗をし、古参の役員に白い目で見られる状態になってしまい、結果的に社内に居づらくなってしまいました(笑)その時は、インターネット関連の新規事業をやろうとしていたので、開発会社に1,000万程でサービスサイトを構築してもらいました。しかし、それだけお金を掛けたのに2ヶ月で誰も使用しなくなって閉じることになりました。

その時に、これから新規事業を立ち上げる度に、毎回、開発会社に1,000万払うのは打席に立てる回数が限られてしまうので、私が無料で新規事業のスキーム作る事ができれば最強だと思い、プログラミングスクールに通いたいと父に申し出ました。もちろん、父には怒られましたがなんとか説得して、”1年間と決めて挑戦し新規事業をやるならやれ、起業するならしろ”、”出来なかった時は俺の鞄持ちから始めろ”と言う条件で話をし、そこからプログラミングスクールに通い始め、現在の起業に繋がっていきます。

幾度となくピボットを繰り返していく中で得られたこと

加藤:それで初めて今のカミナシをスタートさせていったのですね。とはいえ、最初は温度計を作ったとお聞きしましたがなぜですか?

諸岡:売れると思っていたんです(笑)理由としては、当時立ち上げに携わっていた機内食工場では、品質管理をするうえで温度管理が必要不可欠です。その為、1日に温度計で何度も確認し紙に書くと言う作業が発生します。これを人がチェックするのは大変なので、ここを助けるプロダクトを作ることができれば、救世主になれると思いましたが、需要がそれ程ありませんでした。

次に取り組んだのは、コミュニケーションツールでした。大手の食品企業に、温度計よりもコミュニケーションツールが欲しいと言われ、課題をどんどん挙げていくプロダクトツールを作りましたが、1社にも売れませんでした。

加藤:その次に管理系のDXを作ったそうですが、これに振ろうと思った背景はなんですか?

諸岡:食品工場向けにチェックやオペレーション等、何でもできるSaaSにしたいと思い作っていました。そんな時に、たまたま機内食工場で昔お世話になっていた社長さんとカンファレンスで話をする機会があり、そこにいた何人かの方がかなりの応援をしてくれました。その時は、ビジネスとして拡がるかわからなかったのですが、その期待に応えるべくとにかくやろう!と腹を決めることができ、そこから食品工場向けのバーティカルSaaSを作ろうと正式に決めたと言う背景があります。

加藤:失敗の連続だったのですね。その上で地道にコツコツと積み上げてこられたのが伺えます。

諸岡:はい。しかし、そのプロダクトも2019年にピボットして、現在のプロダクトに変わっています。ピボットしたことにより、導入してくれる会社が20社から120社程まで増えました。

加藤:ぶっちゃけたところ、ピボットしている最中から現在に至るまでどんな気持ちでしたか?

諸岡:ピボットしている最中は100回ぐらい辞めたいと思っていました(笑)私達は良かれと思っていても、現場では”口頭で周知徹底します”、”紙のマニュアルを徹底する”などの文化が根強く、当時は2社に1社がスマホやクラウドではダメと言われました。一度は、三重県のお客さんに呼ばれて片道5時間かけて行きましたが、”工場内にスマートフォンを持ち込み禁止なので現実的に無理です”と言われて30分の商談で帰ってきたこともありました。このような経験が続き、役に立ちたいと思っているのに、何のために頑張っていてるのか、私の心の火も風前の灯火状態でした。

加藤:ピボットする潔さと継続して努力するスタンスが今のカミナシというサービスを誕生させたのですね。

バリューを掲げるタイミングと発信の大切さ

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加藤:ここからは、御社のバリューの話に移っていきます。最初は、バリューがなかなかハマらなかったとお聞きしました。

諸岡:そうですね、バリューは決めた方が良いとスタートアップ界隈から聞こえてきたタイミングで、ある経営者がバリューをきちんと決めて公開したらそこに共感したい人が集まり、採用が上手くいったと言う話を聞きました。
そこから、うちもバリューを作ろうと短絡的に始めました。しかし、こうなりたいと背伸びした理想を掲げてしまったので、そこにいくまでに努力をしなければいけなかったです。当時は、「俺やる」「ジョブファースト(当時はジョブ理論の本がメンバー間で流行っていたので、表面的な課題ではなくジョブを解けるようになろうと)」、「セカハヤ(世界を早める)」この3つを掲げていましたが、2週間後には誰も使っていませんでした。今ではスラックのスタンプでふざけて使う程、ネタになっています(笑)

加藤:それも思い出ですね(笑)そこからは、何も掲げないようにしていたのですか?

諸岡:バリュー作りに1回失敗したので、バリュー、ミッション、ビジョンもない状態が続きました。もちろん必要なのではといった声もありましたが、市場とプロダクトを合わせにいく事がみんなの頭の9割を占めていたので余裕がなかったです。

加藤:皆さん仰っていましたが、まずは目の前のことに注力し、ノってきたタイミングでミッションやバリューを掲げた方が盛り上がったようですね。

諸岡:はい、売り上げもなくお客さんに断られている状態では、前向きなミッションやバリューを作っても盛り上がりません。2回目に作った時は、成長しそうなタイミングだったので盛り上がりが全然違いました。

加藤:そんな時期を乗り越えて、改めて作ろう!となったと思いますが、きっかけは実績の伸びや進捗に併せて、しっかりと組織作りをしなければいけないフェーズだったからですか?

諸岡:まさしく仰っていただいた通りです。
ピボットしてプロダクトをリリースして成長の可能性が見えてきたタイミングで、ここからは人材採用、カルチャーがフィットしている人を採用することが全社の最優先事項だと宣言しました。何が足りないかを考えた時に、改めてカルチャーを作ろうと決心しました。

加藤:決まるまではどれくらいかかりましたかか?

諸岡:わりとすんなり決まりました。。
noteに書いてあるように、空気中に漂っているものを額に入れた状態です。ありのままの状態を言語化して決めたので、前回失敗したときのように作った後に無理する必要が一切なかったです。そこから会社のことやカルチャーを発信する回数も増えました。新しく入社する人たちがバリューの発信を見て入ってきてくれているので、社員が13人の時にバリューを決めましたが、それが30人になっても弱まるどころかこれが好きですと言って入ってきてくれます。

そして思うのは、バリューを決めた後の方が実は大事だということです。社内だけではなく対外発信することも大事です。これには持論があって、B型の人は最初からB型ぽい人だけではなく、周りから「B型ぽいね」と言われてB型の行動へ増幅されていくのだと思っています。企業でも「私たちこうなんです」と発信すると、周りからもそのように言われて、自分たちもそうなんだと刷り込まれていく。カルチャーなどはとにかく発信しまくる事で力学が働き、より実践できるようになります。

「バリューの暖簾分け」が誕生

加藤:”カルチャーは戦略に勝る”と発信していましたが、皆が同じ感情やリズムで考え、前に進んでいけると言う意味を指していますか?

諸岡:そうですね。参考にした本は『ザ・アドバンテージ なぜあの会社はブレないのか?』です。
fond社の福山太郎さんから紹介されて読んだのですが、私の中ではバイブルで、そこに書いてある言葉が“カルチャーは戦略に勝る”と言う言葉だったのです。

加藤:まさにそこにハマっている感じがしますね!
ちょうどカルチャーなどを決めてから1年経っていますが実際に振り返ってみると、どのような効果がありましたか?

諸岡:この3つのバリューを決めてから良いことは沢山ありましたが、最近新しく起きた変化があります。それは、全社のバリューに共感して入社してくれているメンバーが、チームごとのバリューを生み始めていると言う事です。例えばセールスチームだと、メンバー同士で、厳しいフィードバックをしなければいけない時などに、バリューである「全開オープン」だと使い辛さがあったようで、チームのオフサイトMTGで「言っていこう」というチームのバリューを新たに作っていました(笑)

現在は、この様にバリューを一人一人がどうやって使いこなすかといった領域に入っています。全社のバリューだと使いこなすことが難しいので、チームごとに置き換えて翻訳しています。それを日々のルールや仕組みに落とし込んだ結果、セールスチームは新規売上が四半期単位で161%伸びました。

カルチャーの力がここまであるのかと思いました。セールスチームは、半年前まで売上も達成できるかどうかの状態で大丈夫かと心配していたのですが、チームのバリューを作って以降、他のスタートアップよりもうちが絶対1番だと語れるぐらいに変貌を遂げました。カルチャーの力はとんでもないと改めて実感しました。その一方で、全社のバリューとチームのバリューとで方向性にズレが生じてしまうと2つのどちらを重視するべきなのか?と混乱を起こしてしまいかねません。そうならないように、「暖簾分け」といいますか、しっかりと全社バリューやカルチャーの本質をふまえた上で、各チーム独自のものが生まれていけば良いなと思っています。

加藤:そこをしっかり見ていくことが今後の課題かもしれないですね。
その上で、バリューを採用や評価基準に繋げていきたいと話があったが実現していますか?

諸岡:採用指標の観点としてバリューを踏まえた質問をし、そこに答えてもらうようにしています。また、その候補者の方がやりたいことは絶対聞きます。将来どうなりたいかや野心などの個々の欲望や情熱を聞いて、それはカミナシでないとだめなのかを掘り下げます。3つのバリューとの適合度合いを見ます。

カミナシを自己実現の場にして欲しい

加藤:最後に今後の展開に関して、プロダクトや組織の理想形を教えてください。

諸岡:組織の理想形は、今よりも更に成長しお客様の役に立っていること。ささやかな理想としては、20年後位にカミナシ同窓会をした時に、時価総額が10兆円程になり、大手の企業と提携が進んでいる等のとてつもない話をしていたいですね。

現存のメンバーが誰一人何にも関わっていない状況で、自分達がいた時よりも圧倒的に大きな存在になっていることが理想です。そういった組織に今後もしていきたいです。

加藤:同窓会が面白いですね!もしかしたら温度計がリバイバルされてるかもしれませんしね!

諸岡:はい。言いたいんです、俺があれやった!と(笑)

加藤:最後に、これまでの経験からベンチャー経営とは何だと考えていますか?

諸岡:ベンチャー経営とは、私個人では自己実現の場だと考えます。父が会社を経営しているのを間近で見ていく中で、立志伝中の人という感覚があり、私もそうなりたい、偉大なことをやって死にたいと思っていたので、それを実現するための場だと思います。もちろん、私一人の自己実現の場だけではなく、自分の自己実現を成し遂げてもらう場づくり、それが自分にとってのベンチャー経営、カミナシを経営していく一つの指針です。

加藤:良いですね!私も同感です。それがベンチャーのあるべき姿だと思います。今日は様々なお話が聞けてとても楽しかったです!ありがとうございました!

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第4 お問い合わせ先

この記事に関するお問い合わせは、加藤までお寄せください。

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【インタビュアー情報】
加藤 健太
株式会社WARC執行役員
WARC AGENT事業部責任者

2011年よりJAC Recruitmentにてインターネット業界専任の組織立ち上げに参画し、ベンチャー・スタートアップ領域特化のチーム責任者として従事。HR系スタートアップの取締役COOを経て、2018年当社入社。WARC AGENT事業の立ち上げ後、プレイングマネージャーとしてハイクラス人材のキャリア支援に従事。

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【株式会社WARCについて】
株式会社WARCは「想いをカタチに出来る世の中を創る」というミッションを掲げ、経営管理部門のハンズオン支援、M&Aアドバイザリー、ハイクラス人材紹介、経営管理部門特化の転職サービス「SYNCA」といった「成長企業の経営管理部門の支援事業」を展開しています。

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